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ナタマメ [その他の植物]

ナタマメ
 マメ科 ナタマメ属
 和名:鉈豆  中国名:刀豆  英名:sword bean
 学名:Canavalia gladiata
 熱帯アジア原産

先日、花*花・Flora の Blog ハマナタマメにナタマメのことをコメントしたのが縁で、ナタマメの古い写真を並べることになりました。

5年前、コマーシャル入りの軽い缶詰を一つもらいました。
缶を開け、水を入れて窓辺に置くと発芽し、商品名が入った大きな豆が現れ、どんどん葉が出て蔓が延びていきます。これがナタマメの苗だったのです。
物は試しと庭のニンジンボクの根元に植えました。
するとたちまち2m、3mと蔓が伸びてニンジンボクに絡み、大きな実をぶら下げました。

2005年10月28日。
「ジャックと豆の木」のヒントになったというのも頷ける成長ぶりです。
この写真に大小5本の果実があるのですがわかりますか?
(画面をクリックすると大きくなります。)

ナタマメ051029wb2.jpg

大きい果実は30cmにもなりました。やや弯曲した扁平な豆果です。

ナタマメ051029-3wb.jpg

12月18日、葉が霜で変色してから収穫しました。
完熟した豆果の鞘は硬く、ずしりと重かった覚えです。
ナタマメとはよく名付けたものです。本当に鉈(なた)のようです。

ナタマメ051218wb.jpg

鞘を開けると白い綿のような膜に包まれた種子が12個も並んでいました。
右の3個は膜を取り除いたところです。光沢のある淡紅色の大きな豆でした。
下の赤いものは、完熟のシシトウです。
きれいな赤い豆、おいしそう!
いえいえ、ダメです!缶に「食べられません」と書いてあったはずです。

ナタマメ060116実wb.jpg

このナタ1本、缶を頂いた方にさしあげました。
すると翌年また2缶いただいてしまいました。
今度は垣根に絡ますことにしました。垣根の高さは1.8m。

2006年 8月26日。
左の赤い花はニオイニンドウ。真ん中がナタマメ2株。
右下はスイカズラです。

ナタマメ060914-2wb.jpg

クリックして拡大しますと花や果実が見えます。

ナタマメ060914-1wb.jpg

花はほのかなピンク色。
ナタマメ060831花1wb2.jpg

花の拡大像。
ナタマメ060831花upwb.jpg

若い豆果。
ナタマメ060914-3wb.jpg


今年は他人の目に入る場所なので名札を付けました。
「 な た ま  め
  (たべられません)  」

ナタマメ06名札wb.jpg

2006年10月15日。
肥料っ気の少ない土に植えたはずですが、果実がたくさん出来ています。

ナタマメ1015wb.jpg


2006年11月 9日。
左の円い果実はこぼれ種で生えたフウセンカズラ。
ナタマメは良く熟して黄色っぽくなってきました。

 ナタマメ061109wb2.jpg

2006年12月21日。 収穫。
2株で30本。大収穫なのに食べられなくて残念。
(真ん中にあるのはキウイフルーツ。)

ナタマメ収穫061221wb.jpg

ナタマメについて調べますと日本では江戸時代初期に中国から渡来し、今なお九州や中国地方の一部では商業栽培も続けられています。
ナタマメの利用法として最もよく知られているのは、福神漬け。
福神漬けの中にあるプラナリアのような形のものがスライスした若いナタマメの果実です。
「なた豆茶」・生薬(刀豆)・白餡などにも活用されています。
若い果実は薄く切って炒めたり、茹でたりしても食べられるそうです。

ナタマメで問題になるのはその毒性についてです。
それは花や種子の色によって異なるようですので下記にまとめてみます。
近縁種のタチナタマメ(Canavalia ensiformis)についても併記します。

ナタマメ
  アカナタマメ  赤い豆  赤い花  毒性:完熟種子に僅かにあり。
  シロナタマメ  白い豆  白い花  毒性:無し
近縁種
 タチナタマメ  白い豆  淡紫色の花  毒性: 完熟種子に強い毒性あり。
  
ナタマメの毒性物質には溶血作用のあるサポニン、青酸配糖体 、有毒性アミノ酸のカナバニン ・コンカナバリンA があげられ、中毒は主に胃腸症状として現れるようです。

赤いナタマメも水にさらしたり、煮たり、煎ったり、醗酵させたりして無毒化する方法があり、商品としても利用されています。毒にも薬にもなり得るといえます。

近年この赤花種の種子にレーザーで文字を彫り「缶入りメッセージ豆」として玩具メーカーから発売され、宣伝用にも用いられたので、その毒性が問題になりましたね。

アカナタマメを育てて若い果実を調理・試食した方もあるようです。
私はまた機会があれば今度は安全な白ナタマメを栽培し、どんな味か試してみたくなりました。



『余話』
世界で一番大きい豆 モダマ(藻玉)。

モダマwb.jpg

ずっーと前に園芸店の片隅で見つけて購入した私の宝物です。
長さ72cm。豆の直径 4.5cm。木質化して彫物のよう。
右端は中の豆が見えるように鞘を外したところです。
東南アジア原産。大きい物は1.5mにもなるそうです。
















コメント(10) 

コメント 10

satton

果実の大きさが30センチとは大きな豆ですね。はじめて見ました。鉈というより中国の武将が片手で振り回す大きな刀(青龍刀?)のようです。白ナタマメのように安全なものがあると、有毒なものと混同してしまうのが恐いですね。
by satton (2010-09-25 10:21) 

夕菅

sattonさんのお住まいの北海道にはナタマメの自生はないかもしれません。自生地は関東以南と書いてある文献もありました。

日本では鉈(ナタ)、中国では刀、英国では剣(sword)と、皆同じ発想で命名しているのが面白いですね。


by 夕菅 (2010-09-25 16:09) 

なかなか

う~っむ これは面白い成長記録の記事ですね。
軽い缶詰を一つ・・・からこんなにも大きな豆ができるなんて
びっくりです!!
「ジャックと豆の木」のヒントになったのがこのナタマメですか
なるほどぉ~~納得です。
これならばジャックも登っていけますね。
花はハマナタマメとそっくりですね。

えっ福神漬けの中にあるプラナリアのような形のもの・・・
あっあのうすっぺらいものはナタマメの若い果実でしたか、こんどじっくり見てみます。
最後の世界で一番大きい豆 モダマもすごいですね。
by なかなか (2010-09-26 09:46) 

夕菅

なかなかさん
即妙なコメント、ありがとうございました。
九州でも薩摩は江戸時代からの伝統的ナタマメ産地で、ここでは赤いナタマメが商用に栽培されているようです。
刀豆ナタマメ協会というのもあって、HPを読むとこれまた「へぇ〜ほぉ〜」でした。
缶入りの豆が発芽するときの写真を紹介できず残念でした。
「I love you」と刻字された豆が発芽中という写真をみつけましたが、載っているブログが長く更新されていないのでリンクをあきらめました。
なかなかさんのお蔭で、忘れていたナタマメをあらためて調べてみるとこれもまた奥深く、毒性についても納得できてすっきりしました。
by 夕菅 (2010-09-26 11:52) 

花咲かばあさん

ナタマメは「毒にも薬にもなる」との話から、横道にそれました。
薬は毒の持つ、ある一面なんですね。
「毒にも薬にもならない」ということもいいますね。対して役にも立たない人は、魅力がないとか。
養老孟司の著書に「毒にも薬にもなる話」がありましたね。
「酒は百薬の長」「百毒の長」とかもいいました。

「ジャックと豆の木」の本を読み直したり、ナタマメの話から、いろいろ思い出させていただきました。
「モダマ」の種蒔きはされなかったんですか?
あのモダマですね。初めて見たときは、本当に彫刻かと思いました。

福神漬にナタマメの薄切りが多いほど高価とも聞きましたが、、、。
とんでもない脱線話でごめんなさい。
by 花咲かばあさん (2010-09-27 00:35) 

夕菅

花咲かおばさん
いつも味わいのあるコメントをありがとうございます。
残念ながら「毒にも薬にもなる話」未読です。

「毒にも薬にもなる」といえばジキタリス・トリカブ・チョウセンアサガオなどの猛毒植物もありますが、毒とわかってからそれを薬に用いようとした人の知恵と勇気に感嘆します。
逆に毒は全て禁忌という反応を示す人もありますね。

自然毒のリスクプロファイル(厚生労働)にはアジサイ・スイセン・ユウガオなどからジャガイモまで入っていました。
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/index.html

「モダマ」はもったいなくて種蒔きできません。
日本にも奄美には自生しますが、ここでは無理でしょうから。

それから福神漬って、七福神になぞらえて大根、白瓜、ナス、レンコン、シソの実、ショウガ、ナタマメの七種を漬けるのが正式なんですってね。でも最近はナタマメの生産量が少ないからその量が多いほど高級品といわれるようです。

脱線も面白いですね。大歓迎です。


by 夕菅 (2010-09-27 15:56) 

わんちゃん

何年か前に、奈良駅の傍の、お豆やさんでナタマメの豆を商ってはって、長~い豆の写真が貼ってありました。
へぇ~~っと、思ってその写真を眺めていた記憶があります。
その豆(乾燥していた)が白?赤?覚えてないです。

夕菅さんが育てたナタマメ眺めていると、
隣との境目にあるブロック塀を緑化するのに最適やなぁ?と・・・


by わんちゃん (2010-09-27 22:35) 

エフ・エム

ナタマメを見たことがなく、知識もなかったので、勉強になりました。実はずいぶん大きなものなのですね。福神漬けに入っているプラナリア型のものはそれほど大きくないと思うのですが、若い実の切片なのでしょうか。
花は、実とは似つかない、とてもきれいな色なので感嘆しました。
コンカナバリンA、糖質や糖タンパクの分離のリガンドに使うレクチンですね。ナタマメに含まれていることは忘れていましたが、ちょっとなつかしい名称でした。
by エフ・エム (2010-09-28 21:57) 

夕菅

わんちゃん  ようこそ。
ナタマメの豆って市販されてたんですね。
検索したら通販でも購入できるようです。

ブロック塀の緑化にはある程度誘引が必要かもしれませんよ。
何せ、大きいナタが何本もぶら下がったらかなりの重量になりますから。
うちの殺風景な偽竹の塀は今、スイカズラがわんさと繁っています。
これは今のところ常緑で好都合です。
by 夕菅 (2010-09-28 22:22) 

夕菅

エフ・エム さん
ナタマメも見ていただいてありがとうございました。

福神漬けに入っているものはかなり若いさやです。エンドウのようにはたくさん実ができないから高価になるでしょうね。
完熟した豆はそのままではおいしくなくて、主にナタマメ茶になるようです。

毒性物質というものは農林水産省の回答といわれるものを羅列しましたが、コンカナバリンAなど私は全く知らないものでした。
一時「缶入りメッセージ豆」の毒性について問題になったようですが、こんど調べた範囲では食被害の報告はみつかりませんでした。

育てるのは簡単でしたから、鑑賞用としてもなかなか楽しい植物だと思います。


by 夕菅 (2010-09-29 00:23) 

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