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オオバボダイジュ [花木(夏)]

オオバボダイジュ   
 大葉菩提樹  
 アオイ科シナノキ属の落葉高木
 分布:本州中部から北海道
 
11年前に植えたオオバボダイジュはこの庭で一番高い木として聳えています。
もう樹高は6mくらいありそうです。
近縁種に葉が小さい中国原産のボダイジュがあります。
釈迦は菩提樹の下で悟りを開いたと伝えられていますが、その菩提樹はインドボダイジュ(クワ科)でこれらのボダイジュとは全く異なる樹です。
またシューベルトの「菩提樹(Der Lindenbaum)」に歌われるのは近縁のセイヨウシナノキ(訂正しました)で、これはナツボダイジュとフユボダイジュの交雑種だそうです。

20110516wb.jpg

4月、冬の間裸だった樹はたちまち柔らかい若葉に包まれます。
菩提樹葉090501wb.jpg

4月下旬、赤みを帯びた花のような小さな葉が茎軸に現れます。
これは総苞葉とよばれシナノキ属の特徴の一つです。
菩提樹総包葉10-2wb.jpg

5月中旬、へら状の総苞葉から花柄が伸び、球形の蕾が出来てきました。
ボダイジュ蕾2012wb2.jpg

6月上旬、淡黄色の花が開花します。最上部の花。
菩提樹花090608wb.jpg

細かい花が密集してぶら下がっています。
満開の朝wb.jpg

枝が高いので花のつき方がよくわかりません。
手折った1枝で花序を見ることにしました。
へら状の総苞葉の真ん中辺りから花柄が2cm以上伸び、集散花序が下垂しています。

花序wb.jpg

花は直径約1cmの両性花。
中央に柱頭1個が突出する雌しべがあり、その周りを多数の雄しべ、5枚の花弁と5枚の萼が取り巻いています(どれも画面をクリックすると大きくなります)。
ボダイジュ花1wb.jpg

花序の裏面。円っこい萼が5枚、その間に細長い花弁が見えます。
ボダイジュ花5wb.jpg

検索した文献に仮雄しべがあると記載されていました。
もう花は殆ど散っています。過去の写真を見直して出来るだけ拡大してみました。
5枚の花弁の内側にやや細い花弁がそれぞれ1枚づつ確認出来ました(赤い矢印)。
これが仮雄しべで しょう。花弁が2重になっているように見えます。
右は花弁・萼・雄しべが全部散リ落ちて柱頭だけ残った若い果実。

ボダイジュ仮雄しべwb.jpg

甘い香りのある花にはクマバチやミツバチ、いろいろなハナバチやチョウ、ハナムグリなどたくさんの昆虫が訪れます。
花とアゲハwb.jpg

6月11日。雄しべや花弁が次第に落ち、柱頭だけ残った子房がそのまま大きくなっています。
この日最大のものは直径は8mm、まだ大きくなりそうです。オオバボダイジュのある文献では1cmとなっていますが、そこまで達するでしょうか?
追記:6月20日、大きい果実は確かに直径10mm になりました! )
花→実wb.jpg

昨年7月7日の果実。
柱頭は消え、球形になってぶどうのように下垂する果実達(直径不測)。
菩提樹実050707wb2.jpg

葉は長さ6〜20cm。左右非対称のハート型で先端が尖り、辺縁に鋸歯があります(上は30cm物差し)。
多くの文献では葉の長さはボダイジュ 5〜10cm、オオバボダイジュ 6〜15cmと書かれています。やはりこれはオオバボダイジュの方でしょう。
ボダイジュ葉表wb.jpg

葉は互生。これは裏から見るとよくわかります。
また裏葉の色が白っぽく毛羽立ってみえるのは星状毛の密生によるものです。
ボダイジュ葉裏wb.jpg

裏葉の拡大。星状毛が光っています。
ボダイジュ葉裏upwb.jpg

この樹は幹5本の株立ちです。
樹皮は灰褐色でところどころに灰色の帯状斑があります。
ボダイジュ幹wb.jpg

昨年9月下旬。葉は黄褐色になって落ち、総苞葉と果実だけが残っています。
枯実20110928wb.jpg

果実をつけたまま落ちた総苞葉。
ボダイジュ実2011wb.jpg

10月半ば、はや落葉して冬姿。
枯実20091016wb.jpg

実は私はこの樹を昨日まで中国原産のボダイジュだと思っていました。
植樹を依頼した業者さんからそう聞いていましたし、オオバボダイジュの存在も知らなかったのです。
昨年、大好きなこの樹をブログに書こうと思いましたが、花期が短く、花が葉蔭に下垂しているため写真が撮りにくく先延ばしになっていました。
今年も風に揺れたり、雨にたたかれたり、撮れたと思ったらSDカードが入ってなかったり、最後は上京と重なり1泊して帰ると花はもう終わっていました。
でも何とか集めた写真を編集、最後に文献確認すると葉が大き過ぎるのに気付きました。
樹皮にも疑問が生じ再検討。昨日、オオバボダイジュであろうと考えるに至りました。
私は今まで他所でボダイジュやオオバボダイジュを見たことがありません。
西の方にはマンシュウボダイジュやツクシボダイジュという希少種もあるようです。
もし誤りがありましたら、お教えいただけますようお願い申し上げます。
コメント(19) 

コメント 19

satton

北海道ではシナノキはよく見ますがオオボダイジュもあるのですね。これから花の時期になると思うので、よく観察してみます。
by satton (2012-06-15 20:10) 

夕菅

sattonさん 
北海道にはシナノキもオオバボダイジュもあるのですね。
シナノキの葉はオオバボダイジュより小形で裏に星状毛がないそうです。
私はもう少しでオオバボダイジュをボダイジュと間違えたまま公開するところでした。
by 夕菅 (2012-06-16 00:42) 

エフ・エム

夕菅さんのお庭のシンボルツリーでしょうか。立派ですね。
ボダイジュのことはほとんど知りませんでした。小石川植物園にはボダイジュの並木道があって感じがよかったですが、葉などをしっかり見ることはしませんでした。ボダイジュとオオバボダイジュはよく似ていて、識別は葉がたよりみたいですね。
シューベルトの「冬の旅」は全曲を通して暗いですが、「菩提樹」に来るとほっとする感じです。
リンデンバウムという名の響きが好きです。ずっと以前ですが、ベルリンを訪れた頃はまだ東西に分かれていた頃でしたので、ウンターデンリンデンを歩くことはできませんでした。もう行く機会もなさそうです。


by エフ・エム (2012-06-16 08:14) 

夕菅

エフ・エム さん コメントありがとうございました。
お察しの通り、うちのシンボルツリーです。
本当はケヤキだったのですが訳あって枯らしてしまい、ケヤキほどは大きくならないものをと思い代わりに植えましたが、これも年々大きくなり先が心配になってきました。
シューベルトの菩提樹は Lindenbaum と( )に入れたくなりますね。ここに和訳を掲げておきます。

シューベルト「菩提樹」  近藤朔風訳

1.泉にそひて、繁る菩提樹、慕ひ往きては美(うま)し夢みつ、
  幹には彫(ゑ)りぬ、ゆかし言葉、
  嬉悲(うれしかなし)に、訪(と)ひしそのかげ。

2.今日も過ぎりぬ、暗き小夜なか、眞闇に立ちて、
  眼(まなこ)とづれば、枝は戦(そよ)ぎて、語るごとし、
  来(こ)よいとし侶(とも)、こゝに幸あり。

3.面をかすめて、吹く風寒く、笠は飛べども、
  棄てゝ急ぎぬ、遙(はるか)離(さか)りて、佇まへば、
  なほも聴こゆる、こゝに幸あり。
by 夕菅 (2012-06-16 09:02) 

花咲かばあさん

夕菅庭のシンボルツリ-ですね。15年ほど前になりますか?
珍しい実を見つけて調べましたら、菩提樹と判明、いつか花に会いたいものと思っていました。お庭で出会えて感激したことが思い出されます。

オオバボダイジュなんですね。以前、ご一緒に椿、シデコブシを見に出かけたお寺に確か菩提樹があったように記憶しています。お釈迦様との関係が深いことででしょう、古いお寺で時々見かけます。ボダイジュかオオバボダイジュかはわかりませんが、、、。
菩提樹の歌、素敵な詩ですね。幹にどんなゆかし言葉が彫られていたのでしょうか。
by 花咲かばあさん (2012-06-16 11:20) 

とんとん

ボタイジュの左右非対称の葉っぱの形が大好きです。
花や実も素敵なのに、時期が限られていて葉っぱくらいしか見る機会に恵まれません。
仮雄蕊まで付けて豪華な花ですが、これで沢山虫を呼ぶのですね。
総苞片の色が葉っぱと違うのも面白い。
竹トンボのように回るのでしょうね。
by とんとん (2012-06-16 13:13) 

夕菅

花咲かおばさんの方が私より早くこの実に巡り合われていたわけですね。
お寺には中国伝来のボダイジュ、またはその子孫が植えられているのかもしれません。葉の大きさと樹皮にご注目下さい。
この「菩提樹」の訳詞家は明治13年生まれ、「ローレライ」「野薔薇」なども訳詞されるも35歳で早世、音楽と語学に秀でた方だったようです。この傑作をここに並記させていただきたくなりました。

by 夕菅 (2012-06-16 17:39) 

夕菅

とんとん さん、この花が咲くのは6月初め。
撮り頃は1週間もないようですから見逃し易いですね。
庭にあってもまだ落ち葉をじっと見守ったことがなく、竹トンボのように回るのかどうか、確認していません。
強い風の後に葉と一緒にどっと落ちることが多く、落葉掃きが優先とは詩的ではありませんね。
by 夕菅 (2012-06-16 18:00) 

703

大きな木を見上げると、“うれしかなしに”つけ、気持ちが落ち着いてきますね。その木を部屋から眺めていると、心が伸びやかになりますよね。

シューベルトの「菩提樹」は音楽の時間に習いました。一番の歌詞はしっかり覚えています。その菩提樹とも、釈迦入滅時の菩提樹とも違うということですが、そのどちらであってもいいような、立派な木だと思います。

by 703 (2012-06-16 22:47) 

夕菅

703さん ほんとうにそうですね〜。
大きな樹は見上げて幹に触れながら、木漏れ日や葉裏の色の変化をながめるが好きです。
この樹は西日を遮り木陰をつくってくれるのでその下でお茶を飲むのも楽しみです。ただ何故か落ち葉が最も早く残暑対応にはやや不足でした。
部屋からも眺められるのは田舎ならではの幸せですね。
by 夕菅 (2012-06-17 08:52) 

とんちゃん

夕菅さん、おはようございます
菩提樹の花を見られてうれしいです!
高尾山で花らしきものを見たのですが高い木なのではっきりしなかったです。
検索すればどんな花なのかは分かりますが夕菅さんから花の特徴を教えていただけるのは現実味が増して身近に感じられました。
花弁の内側に仮雄しべがあることも知ることができました。
私が見たときには総苞葉はなんとなく見えたような気がします。
菩提樹の種類を見分けるのはよく分かりませんが「菩提樹」という名前を聞いただけでもシューベルトの世界と重なるのでロマンチックになれます♪
お庭のシンボルツリー!これ1本で誇らしいと思います!
菩提樹の歌詞を入れていただいてありがとうございました。
青春時代コーラスで歌っていたと思います。
シューベルトの曲だったかどうか一羽のカラスが出てくる歌も短調で暗いのですがメロディーが好きだったことを思い出してしまいました。

by とんちゃん (2012-06-17 09:43) 

夕菅

とんちゃん  高尾山のはどんな菩提樹だったのでしょうね。
シナノキ・ボダイジュ・オオバボダイジュなど、遠目には同じように見えそうです。葉の大きさや星状毛、樹皮なども見る必要があります。
私は毎年見ていたはずなのに今年初めて確認とはお恥ずかしいことです。
シューベルト「菩提樹」、皆さんやっぱり懐かしい調べですね。
歌詞を本文に書くべきだったかなと思っています。

噴水の件、ごめんなさい。
その後もブログ拝見してますがコメントはご遠慮していました。
また書き込ませていただいていいでしょうか。
by 夕菅 (2012-06-17 14:32) 

多摩NTの住人

こんにちは。
オオバボダイジュは見たことがありません。
とても詳しい説明で、大変良く理解できました。
昔、梓みちよさんが歌っていた「リンデンバウムの歌」は、確かセイヨウボダイジュのほうでした。
by 多摩NTの住人 (2012-06-18 21:50) 

夕菅

多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
オオバボダイジュは日本自生種です。うちでも購入できたくらいですから、公園などにも植えられているだろうと思います。
見つかったらブログに載せて下さいね 。
by 夕菅 (2012-06-18 23:29) 

今日は双子の誕生日

最近うちの近所(札幌市南区)でやたらとバスクリンがはやってるな、と思ったらオオバボダイジュの花の香りでした。
by 今日は双子の誕生日 (2012-07-19 16:26) 

今日は双子の誕生日

追伸:
オオバボダイジュは札幌市内の公園によく植えてあります。また、札幌市の藻岩山(もいわやま:ロープウェイがあります)や市内に点在する森にはオオバボダイジュはごくふつうに自生しています。ここ数日で公園や森の近くを散歩していてバスクリンの香りがしたら、その場所10m以内にきっとオオバボダイジュがみつかるでしょう。

そろそろ、誕生日のプレゼント買いにいかなきゃ・・
by 今日は双子の誕生日 (2012-07-19 17:42) 

夕菅

「今日は双子の誕生日」さん コメントありがとうございました。
オオバボダイジュの香りはバスクリンの匂いと同じなんですか!
私はバスクリンを使ったことがありませんので、何とも言えません。
うちのは高木1本ですが甘いいい香りだと思っていました。
でも「バスクリンの匂い」というときつすぎる香りということになるのでしょうね。
札幌ではこの樹が自生したり、植樹されたりしてたくさんあるのですね。こちらでは滅多に見ることがなくうちのは珍しがられています。
双子ちゃんは何歳になられたのでしょう?
良いプレゼント見つかりましたか?
by 夕菅 (2012-07-19 22:06) 

今日は双子の誕生日

バスクリンの匂いとは、30年ぐらい前に入ったことのあるバスクリンの匂いのことで、今のバスクリンが同じ香りかどうかは知りません。。実は私も(昔の)バスクリンは嫌いなんですが、ほのかにかおる分にはそんなにきつくなく、いい香りです。たぶんリンデンバウムの香りに相当するもので、ずっと前に日本に来たチェコ人は日本のオオバボダイジュの香りをかいで「現地では花を香水に使う」と言ってました。

ムスメ二人は今日で10歳。夏休みに札幌に来る木下サーカスのチケットをプレゼントしました。(もちろん家族全員分も)。
by 今日は双子の誕生日 (2012-07-19 23:24) 

夕菅

「今日は双子の誕生日」さん 深夜再びありがとうございました。
そうですか。10才のお嬢さん!いいですね〜。
私は息子が一人だけです。
木下サーカス、私も大昔(笑)見ました。楽しみですね!
検索したら昔のバスクリンの匂いというのはジャスミン系の香りのようです。いい香りのようで安心しました。
今のバスクリンは12種類もあってそれぞれ香りが異なるよう、これには驚きました!


by 夕菅 (2012-07-20 00:03) 

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