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テッポウムシ [昆虫]

30年ほど前、建築に際し日陰の庭のグランドカバーとしてアイビーが植えられました。
アイビーにも多くの品種があります。
これは最もありふれた へデラ(ウコギ科)のコルシカ種デンタータという品種です。

へデラ緑葉wb.jpg

このへデラは丈夫で常緑、塀にも這い上がって覆い尽くし、さらに空に向って伸び上がり、年2回ほど剪定を要するほどたくましいアイビーです。
これは2008年の写真、へデラの塀の手前に植えられたのはイチジク2本(ドーフィンとシュガー)。2種共とても美味しい実を付けていました。
しかし、2年後イチジクは不味くなり、何故か次々と枯れてしまいました。
へデラとイチジク1007wb.jpg

初めて知った庭のイチジクのおいしさが忘れられず、また新たに苗を植え直しました。
しかし、今年9月下旬、今度は突然アイビーが枯れ始めました。
枯れた葉を落とした後の、初秋とは思えないみすぼらしい景色!
右端は昨春植え直したイチジク(ドーフィン)に鳥よけネットを被せた1枝です。
左上は名残のマルオクラの花、右下の赤いのは自生のモミジアオイの大輪。
へデラ枯れる1wb.jpg

さらに後を追うように左側のイチジクの葉が急に枯れてしまいました。
2年前に植えたドイツ系イチジクです。今年はたくさん結実しましたが、美味しかったのは初めだけ、だんだん小粒で不味くなっていました。
またもやあきらめて枝ごと枯葉を切り落としました。
左上の緑は1枝残ったアイビーの葉。
枯れたアイビーとイチジクwb.jpg

丈夫なアイビーが何故枯れたのでしょう?
アイビーは太い根から多数の細かい糸のような気根を伸ばして壁のブロックに張り付いています。
葉が茂っているときは殆ど見えなかった根は既に脱水状態でした。
所々に赤っぽいジャムのようなものがついています。
へデラ分泌物1wb.jpg

干しぶどうのようにたくさんついているところもあります。
これは何でしょう? 枯れた原因でしょうか?
へデラ分泌物3wb.jpg

もろくなった根を引っ張ると容易に剥がれます。
そこには「おがくず」のような粉状のものが多々認められました。
虫が枝の中身を食べて、その糞が堆積したものでしょうか?
それにしても大量です。
へデラ虫糞1wb.jpg

ぽっかり空いた穴を発見。大きさは1cmほどあったように思います。
こんな大きな虫がいるのでしょうか?
へデラ穴wb.jpg

大量の枯れ枝の処分をいつものおじさんに頼みました。
しばらくすると「大きな白い虫がいました」との報せ。
おそるおそる覗き込んでも何もいません。
「あれっ? さっき確かにここにいたんだけど.........?」
おじさんが枯れ枝でつつくと、白いものがちょろりと見えました。
上の穴からトンネルが出来ているよう、上から頭が出たり下からしっぽが出たり、白い幼虫が必死に隠れようとあがいています。
テッポウムシ尾wb.jpg

ついにおじさんがトンネルを壊して虫を掘り出しました。
長さ5cmほどはありそうな、太くて白い幼虫です。
そうだ! 
ひょっとして、これが噂のテッポウムシ?
テッポウムシ1wb.jpg

白日のもと、幼虫は一時もじっとせず、伸びたり縮んだり動き回ります。
黒い牙があるようなたくましい口器。
あとでネット検索しますと、確かに テッポウムシ(鉄砲虫)!
幼虫が羽化する時、木に鉄砲で打ち抜いたような穴を開けることから名付けられたようです。
正しくはカミキリムシの幼虫の俗称です。
テッポウムシ口器1wb.jpg

大きさからはゴマダラカミキリのような大型カミキリムシが疑われます。
但し幼虫から成虫を同定することはかなり難しそうです。
今まで我が家で見つけた大型カミキリムシは2種。
一つ目は2006年のゴマダラカミキリ。
美しいカミキリムシを初めて見つけて大喜びしたものです。
そういえば、その近くにあったメグスリノキが突然枯れたのが2007年。

ゴマダラカミキリwb.jpg

もう一種はノコギリカミキリ。
これは2009年7月、夜の室内で発見しました。
大きな堂々とした成虫でしたが、撮影後あっさり逃がしてやりました。
この頃からイチジクの木が枯れ始めたのと関係があるのでしょうか?
今更ながら疑念が生じます。
ノコギリカミキリ2wb.jpg

今回のテッポウムシ被害で気になることがもう2つあります。
ひとつは幹に着いていた樹脂のような塊。
まだ葉が枯れていない部分でも緑色の葉をかき分けると、まだ新しそうな樹脂状の固まりがありました。
へデラ分泌物4wb.jpg

やはりアイビーから滲出した樹脂のように思えます。
テッポウムシの産卵孔? 幼虫が齧った後? アイビーの防御機能?
枯れた枝の塊部分の断面を作ってみました(画像は2か所分)。
数個の試みでは虫との関係はわかりませんでした。
樹脂3wb.jpg

もう一つの疑問は同時に枯れたイチジクのこと。
幹を眺めても鉄砲の穴のようなものも、明らかな木屑も見つかりません。
かすかに一部に褐色の粉を擦り付けたような部分を認めただけです。
いままでに枯れた2本にも穴や木屑は認められませんでした。
これは根の方に病変があるのでしょうか?

イチジク幹wb.jpg

今まで花友さんのブログでテッポウムシという語には出合ったものの、実感なく過ごしてきました。
今回は初めてテッポウムシの恐ろしさを目の当たりにして衝撃を受け、その勢いで記事を書きました。
残されたいくつかの疑問に関しては、お教えいただけましたら幸いです。

追記2012.10. 8.
今日改めてイチジクの褐色部分に穴があるかどうか確認に行きました。
まず、その部を擦ってみましたところ、褐色の粉のようなものは全て脱落し、穴らしい部分は見つかりませんでした。イチジクの枯死はテッポウムシ以外の原因かと思われます。

コメント(14) 

コメント 14

花咲かばあさん

テッポウムシの被害はうちの庭でも5年ほど前から、悩まされています。
大木になったエゴノキが突然,幹元から枯れて三本倒れてしまいました。そうです、一センチほどの穴が幹元に確認できました。
針金を突っ込んでみると、出てきました。写真と同じ幼虫です。
庭師さんに伺った退治法です。
残された木も調べてみましたら一つ穴を発見、まだ元気に緑の葉を
茂らせていました。穴に薬を注入して包帯をし、その上からガムテ-プを
ぐるぐると、、、。そんな風に治療したあと二年は花も咲き実もたくさんつけました。それが今年は花も少ない、、、と思って気を付けてみていましたが、また一本に穴が。上の方の枝が枯れ始めています。
十五年育てた山茶花も突然枯れました。
これにもやはり穴を見つけました。
ゴマダラカミキリムシをよく見かけます。
予防方法はカミキリムシを見つけたらすぐ捕殺ということですが、残酷すぎてまだそれはできないでいます。幼虫は退治したことはありますが、、、。
それにしても、アイビ-や無花果の様子は恐怖です。
by 花咲かばあさん (2012-10-07 20:22) 

夕菅

花咲かおばさんももうテッポウムシの度重なる被害を受けていらっしゃったのですね。
そういえば、エゴノキのこと、お聞きしたように思います。
同感できなくてすみませんでした。
この気持ちは体験しなければわかりませんね。
もう、よーくわかりますし、注入する薬品名なども調べましたから、また情報交換しましょう!
とはいっても、本当はもう対面したくない相手です。
by 夕菅 (2012-10-07 21:11) 

703

ブログにテッポウムシのことをしきりに書いていたのは私ですよね?!
経験者は語る・・・・イチジクはテッポウムシの好物。幹の粉が出ている所に細い針金を突っ込んでみてください。多分、穴になっていると思います。さすればテッポウムシ!
カミキリムシには情け容赦は無用です!!
鬼になりましょう、鬼に(笑)

樹液が固まったようなのも、確か虫が入ったのだったかと。

by 703 (2012-10-07 21:50) 

夕菅

703さん そうです そうです、大先輩!
イチジクのあんな小さな孔はと否定的でしたが、やっぱり確認すべきなのですね。はい、明日試してみます。
花を助けたいと思えば虫に対しては鬼にならないとね。
ましてや、この度はおいしいイチジクの命がかかっているのですから(笑)。
樹液の塊もやはり虫性でしょうか。当分、イチジクはあきらめます。
by 夕菅 (2012-10-07 23:08) 

多摩NTの住人

こんにちは。
大変な記録を拝読致しました。
テッポウムシという名は、私はごく最近知った名で、その詳細は全く知りません。以前、庭にゴマダラカミキリが現れて、子供のように喜びましたが、ブログ友人に、「気を付けたほうが良い」と、アドバイスを受けて、駆除したことがありました。
こんなにやられてしまうとは私にとっても衝撃でした。
by 多摩NTの住人 (2012-10-08 19:44) 

satton

丈夫そうなアイビーの茂っている姿を見ると、病菌ではなくテッポウムシでこんなになるとは想像もつきません。すごいものですね。勉強になりました。
by satton (2012-10-08 20:04) 

夕菅

多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
山中伸弥さんのノーベル医学生理学賞 うれしい日ですね。

実はテッポウムシについては私も未知ゆえの無関心という状態でしたが、この現実を目の当たりにしてさすがに放置できなくなりました。
まだ、枯れ枝の中に大きな幼虫がたくさんいるようですので、撤去作業を依頼、進行中です。
まもなく美しいゴマダラカミキリに変身できるところだったのに.............複雑な思いです。
by 夕菅 (2012-10-08 21:54) 

夕菅

satton さん アイビーはとにかく丈夫で、勢いがつくと怖いくらいでしたのに、テッポウムシにはこんなにもろいとは驚きました。
初めは植物のウイルス病かとも思いましたが、犯人が姿を現して納得できました。
やはり無農薬の庭で樹木を育てている友人達もテッポウムシは悩みの種、また共通の話題がふえました。
by 夕菅 (2012-10-08 22:06) 

エフ・エム

わが家の小さな庭には大した木はないので、テッポウムシの被害についてはあまり関心がありませんでしたが、こわいものですね。
ゴマダラカミキリやノコギリカミキリのような大型のカミキリの幼虫では、丈夫なアイビーでもやられてしまうのですね。テッポウムシとはよく名付けたものです。
by エフ・エム (2012-10-09 16:50) 

とんとん

カミキリやテッポウなど物騒な名前ですが、それなりの理由があったのですね。
アイビーの緑は頼もしく素敵な雰囲気になっていいものですが、残念でしたね。
虫の育つ栄養豊かな素敵なお庭と言うことですが、そうは言っても、イチジクや紅葉の奇麗なメグスリノキは惜しいです。
実のなる立派な樹を枯らす奴は一体誰だったのでしょう。


by とんとん (2012-10-09 20:18) 

夕菅

エフ・エムさん コメントありがとうございました。
樹木の数から言えば花友さんより私のところの方が多いのに、私は今年初めてテッポウムシを見ました。
この被害状況からするともっと頻繁にカミキリムシに出会ってもいいようですのに、このところ確認していません。
今5cmある幼虫はいつ羽化するのか、見たい気持ちはありますが、これを飼育する元気は湧きませんでした(笑)。
by 夕菅 (2012-10-09 21:43) 

夕菅

とんとん さん、私も若かりし頃はアイビースクエアーなどに憧れたものです。
アイビーが塀を昇りはじめてもなすがままにしてきました。
そのアイビーがテッポウムシの好物だったなんて思いも依らなかったのです。
次はもう1本残ったイチジクをどうしたら残せるか、これが問題です!
by 夕菅 (2012-10-09 22:32) 

ミセスサニー

時々やられますが、怖くて中を見る気にはなれませんでした。
代わりに見ていただき感謝(笑)
今調べてみて、穴から殺虫剤するべきと知りました。
樹液を出して木が身を守る、という記事もありました。
http://outdoor.geocities.jp/nightwalker20xx/zakki-51.html

アイビーは虫が付きにくいとはいえ、
子どもの頃毛虫が発生しているのを見たことがあるので
絶対、ということはないことを思い出しました。
by ミセスサニー (2012-10-14 10:40) 

夕菅

ミセスサニーのお庭にも被害があるのですね。
やはり殺虫剤の挿入がいいようですが、このアイビーのようになってしまうと手の施し用もなく、撤去作業をしています。
ただ余りにも急激でしたので樹液様変化も合わせて別の合併症の可能性も考えています。
いろいろ調べていただいてありがとうございました。
実はご紹介いただいた記事も既に拝読しましたが、画像がなく照合できませんでした。さらに検索しましたがテッポウムシによるこのような樹液分泌の文献に巡り合えません。
by 夕菅 (2012-10-14 12:16) 

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