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タカサゴユリ 花と種子 [草花(夏秋)]

タカサゴユリ
 
 ユリ科多年草草本
 学名:Lilium formosanum
 別名:ホソバテッポウユリ, タイワンユリ
 英名:Formosa lily
 草丈:0.5〜1.5m
 花期:7〜9月

タカサゴユリは台湾原産ですが、19世紀の末に観賞用としてイギリスに導入され、以後各国に広がりました。
日本では1924年から栽培され、近年は各地で野生化しているそうです。
この庭にも植えた覚えがないのに10年以上前から咲き初め、一時は増え過ぎましたが、最近はほどほどに自生しています。
開花は主に8月ですが、今年は後から生えた数株が11月に開花、長く楽しめました。
種子も完熟してきましたので、季節外れの感もありますがここでまとめてみることにしました。
タカサゴユリ3花wb.jpg

花は長さ15cm、直径13cmくらいで花弁の内側は乳白色、外側には紫褐色の筋模様があります。
タカサゴユリとよく似た花にテッポウユリがあります。
テッポウユリは日本の南西諸島が自生地で、タカサゴユリよりやや小振り、花弁の筋模様は無く純白です。(追記)花期はタカサゴユリより早く5〜6月。
タカサゴユリ2wb.jpg

しかし例外もあります。
この花はほぼ純白で筋模様がはっきりしません。
タカサゴユリの花はラッパ状に開き、花弁は6枚。
細い線形の葉は巾 7〜10mm、長さ約15cm。
タカサゴユリ-1wb.jpg

筋模様は蕾のときからすでに見られます。
タカサゴユリ蕾有色wb.jpg

開花したばかりの花。
まだ葯が開いていない初々しい雄しべと、帯青色の雌しべの柱頭がきれいです。
タカサゴユリ葯未開1wb.jpg

満開!
6個の葯が開いてまっ黄色の花粉に覆われ輝いています。
今年の花が終わってから知ったのですが、タカサゴユリは花が枯れると花弁が巻き込み自家受粉もするそうです。
しかし、雌しべはいつも雄しべより長く、他家受粉優先ですね。
タカサゴユリ-2wb.jpg

11月になるとタカサゴユリの果実(蒴果)が熟してきました。
タカサゴユリ果実wb.jpg

タカサゴユリは夥しい種子を作り、その種子が風に乗って散布されます(風媒花)。
庭中に広がらないよう、完熟する前に切り取ることが多いのですが、今年は種子を見るためそのままにしておきました。
11月19日、蒴果は完熟したようです。
タカサゴユリ種子2wb.jpg

上から見るとすでに種子が溢れ初めていました。
タカサゴユリ種子1wb.jpg

鞘の長さは約10cm。
6室に分かれてそれぞれにびっしり種子が詰まっています。
タカサゴユリ種子7wb.jpg

鞘を揺すると続々と種子がこぼれ出ます。
サヤサヤ音を立てながら出ること出ること!
ポテトチップスのミニチュアのような薄い種子です。
風に舞ってしまいますから室内で紙箱の中での試みです。
数えきれませんが、1蒴果当たり数百から1500個くらい入っているようです。
一方、日本産のユリの種子は50〜300個だそうです。
タカサゴユリ種子5wb.jpg

タカサゴユリの特徴は種子から育ち、1年目にもう花を見ることが出来るということです。
今年新たに自生した1群。
花弁は下垂気味で、しおらしく清楚です。
タカサゴユリ2012庭wb.jpg

タカサゴユリはテッポウユリと交配し易く、交雑種はシンテッポウユリと呼ばれます。
シンテッポウユリは種子から育てて1年目で切り花を収穫できるため、両者の特徴を生かして園芸品種が作られ利用されています。
一方、野生化した交雑種はタカサゴユリとの鑑別に苦慮することがあるようです。

これだけ多数の種子から芽が出たらたいへんなことになります。しかし、発芽率はそう高くないようです。
テッポウユリは連作障害が出やすいそうですが、本種もその傾向があるらしく、群生しても数年経つと消えてしまうこともあるようです。でもタカサゴユリは種子による繁殖が出来るのでまた新たな土地でどんどん育つのでしょう。
日本ではすでに宮城,福島、関東以南に野生化が拡大しているようです。
増え過ぎに注意は要りますが、花が大きく美しいのでこの庭では自生させて生花にも重宝しています。
百合特有の香りはありますがあまり強くはありません。




コメント(24) 

コメント 24

多摩NTの住人

こんにちは。
興味深く拝見しました。
よく勉強されていますね。
それにしてもユリの種子はものすごい数ですよね。
こんなに飛ばしてどうするの? という感じですね。
by 多摩NTの住人 (2012-11-30 08:46) 

エフ・エム

タカサゴユリはこの十年位の間に自生しているものをたくさん見かけるようになりました。そのやさしいすがたからの印象とはいささか異なり、逞しさには感心します。
シンテッポウユリはテッポウユリとシンテッポウユリとの自然交雑種とのことですが、テッポウユリの開花は5〜6月頃、タカサゴユリは7月〜10月頃となっていますが、開花が僅かに重なる時期があるのかと推測しています。
あるいは、人為的には時期を重ねるのは比較的簡単そうなので、作られた雑種が増えたのかとも推測しています。シンテッポウユリも種子での繁殖が旺盛のようですね。
シンテッポウユリとタカサゴユリは開花時期がほとんど同じなので、両者の中間のものがたくさんできて、種としては区別しにくくなるでしょうね。
by エフ・エム (2012-11-30 14:05) 

夕菅

多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
タカサゴユリの果実は鋏で切った途端にわーっと零れ落ちました。
慌てて箱に入れて逆さにしてとんとんすると、ざー。
向きを変えてとんとんするとまた、ざー。
本当に「こんなに飛ばしてどうするの?」ですね。
そしてこんなに軽く小さな種子から、1年で大きな花がたくさん咲くとは驚異的な繁殖力です。

by 夕菅 (2012-11-30 17:40) 

夕菅

エフ・エム さん コメントありがとうございました。
花期の違い、書き落としていました。
ご指摘、ありがとうございました。
テッポウユリの自生地は九州南西諸島・沖縄に限られるようですし、花期が異なりますから、私も自然交雑の可能性は少ないように思います。
園芸技術によって、栽培容易なタカサゴユリにテッポウユリの優美さを加えた園芸品種が多々作られ、それらがシンテッポウユリといわれています。
イギリス園芸協会によるユリの園芸分類ではユリは9群に分けられ、第5群がテッポウユリ、タカサゴユリなどの交雑種とされているようです。
園芸品種のシンテッポウユリは花期や種子がタカサゴユリに近くなり、自生のタカサゴユリと自然交雑してシンテッポウユリ2世をつくり、ややこしいことになっているのでしょうね。

by 夕菅 (2012-11-30 22:43) 

703

淡路島では高速道路脇の斜面一面がタカサゴユリになる時期があります。
もちろん庭でもあちらこちらから。適当に間引いて、活用しています。さらに、枯れた鞘はドライフラワーとして利用。
繁殖力が強いので、有り難味が少なくなりますが、けっこう重宝しています。
by 703 (2012-11-30 22:59) 

夕菅

703さん コメントありがとうございました。
斜面一面がタカサゴユリ、そんな場面に出会ったことがありません。
水仙より花が大きい分、迫力ありそうですね。
え? 枯れた鞘はドライフラワーですか?
種子は振り出すんでしょうね? 丈夫で長持ちしそうです。

by 夕菅 (2012-12-01 12:32) 

とんとん

種の多さに息をのむほどですね。
本当に植物観察は止められません。
じゃらじゃらじゃらと、これがコバンだったいいのにね~。

こんなにスマートで清楚な百合が方々で見られるのは有難いことです。
雌蕊の緑色の柱頭も素敵、枯れた実もとても見ごたえのある造型ですね。

by とんとん (2012-12-01 18:08) 

夕菅

とんとん さん コメントありがとうございました。
本当にこの種子がどんどん出てくるのを見ながら、
「♪ 大判小判がじゃら・じゃら・じゃらら・じゃー ♪」
って歌が出てきましたよ(笑)。
でもよく見ると、ぺっしゃぺしゃで軽いこと軽いこと!
吹かなくても飛びそうでした(笑)。
by 夕菅 (2012-12-01 20:47) 

花咲かばあさん

うちの庭にもどこからかやってきて咲き出しました。
愛でる花が少なくなるころに、清楚な花、、、と喜んでそのままにしていたら、庭のあちこちに広がりました。
脅威的な増え方に驚きました。
道端のコンクリ-トの間でも咲いています。近くの山にもどんどん増えてきました。熟した種の形も面白くて,花びんにさしていたら部屋中に
飛び散って、、、楽しみましたが、おそうじが大変でした。
花が終わったら、急いで花柄を落としています。
純白な花が咲き競う様は大好きな景ですけれど、、、、。
山にはヒメタカサゴユリが咲くとか、強い香りを放って。
見てみたいです。

by 花咲かばあさん (2012-12-01 21:36) 

夕菅

花咲かおばさん コメントありがとうございました。
そちらでもじわじわ拡大中ということですね。
花瓶の果実からも種子が飛び出したなんて、漫画みたいですね。
でもさぞかし、お掃除がたいへんだったことでしょう。
ヒメタカサゴユリの存在初めて知りました。
次第に標高の高いところまで分布を拡げ、都合のいい形に変身していくのでしょうね。私も見てみたい!
by 夕菅 (2012-12-01 23:30) 

ミセスサニー

高速の法面に群生していたり、雑草の風情ですし、私だけが気に入っているのかと思っていました。
園芸品種のために利用されているとのこと、よかったよかった。
1500の種子はびっくりですね。夕菅さんが数えるのかと、途中から心配しながら読みました)^o^(
by ミセスサニー (2012-12-03 22:10) 

夕菅

ミセスサニーさん コメントありがとうございました。
あまり花々しいものより、野趣があるものの方が楽しいですよね。
私はきちんと数えるのは苦手ですので、100個数えて山にし、大体いく山あるかのか概算しただけです(笑)。
by 夕菅 (2012-12-03 23:44) 

コマドリ

はじめまして
タカサゴユリの開花時期が今年は長いな~と検索していてここに来ました。ネット初心者です。
2012年の11月のことのようですが、今年2015年はどうですか?こちらは兵庫県の地域的には三田市に入ると思うあたりに住んでいますが、まだまだ蕾もあります。2012年のことは記憶していませんが、今年はじめて、まだ咲いてる、と思ったので、質問してみました!
by コマドリ (2015-11-10 22:29) 

夕菅

コマドリさん 初めまして。コメントありがとうございました。
この庭の今年のタカサゴユリはもうすっかり咲き終え、蒴果になっています。
2012年は今頃まで咲いていましたが、むしろ例外だったようです。
今年のピークは8月前半だったと思います。
こちらでは明日から少し寒そうですが、三田市の蕾は開けるでしょうか?
by 夕菅 (2015-11-10 22:59) 

コマドリ

丁寧にありがとうございます。
まだ、若い、あと数日で咲きそうな蕾もありますが、どうなるか楽しみにしています。
そちらの方は、今年は例年通りの開花期間ようなので、この穏やかな秋の穏やかさが原因ではなさそうですね。
それでは、またお邪魔します。
by コマドリ (2015-11-12 21:06) 

夕菅

コマドリさん こちらこそご丁寧にありがとうございました。
まだ蕾もある由、どうなるのか楽しみですね。
どうぞまた覗いてください。
by 夕菅 (2015-11-12 23:20) 

rodan

昨日、タカサゴユリの苗(球根付)を買いました。早速植えようと思いますが、何か注意点等ありましたら教えていただけるとありがたいのですが。
この近くでは、一本も咲いていませんのでよく分かりません。野生植物なのでほっとけばいいのでしょうね。来年の夏が楽しみです。
by rodan (2015-11-19 21:15) 

夕菅

rodan さん 初めまして。
タカサゴユリが販売されているとは知りませんでした。
実は私はタカサゴユリを植えた覚えがないのです。いただいたり買ったりした苗に小さい球根や種が付いてきたのかもしれません。
タカサゴユリは強健ですから普通の球根植物と同じ植え方でいいと思います。
むしろ外来種であることを理解して増えすぎないよう、植える場所を考慮なさってください。

by 夕菅 (2015-11-20 00:15) 

コマドリ

こんばんは!
無事、最後の蕾も先日(4日ほど前)咲きました^^!おちょぼぐちだけ開いたときは、無事に咲いたと思っていましたが、しっかり咲きました。
外側のピンク紫というかそのラインのとてもきれいな花でした。
では、また!

by コマドリ (2015-11-21 21:58) 

夕菅

コマドリ さん コメントありがとうございました。
せっかくできた蕾、最後まできれいに咲いてよかったですね。
今年は秋の進行が遅いのできれいな紅葉が見られないようです。
こちらでは佗助(ツバキ)の花が早咲き始めました。
どうぞまたお訪ねください。
by 夕菅 (2015-11-21 23:04) 

コマドリ

 こんばは!
 近所を散歩していて、タカサゴユリのつぼみを先週2株ほど見つけました。今日見たら、咲いてましたよ!まだ蕾を持っている立派な大きいものもありました。空き地や道端ですが!
 なかなか、すごいですね!いつまで咲くのか楽しみです。うちの庭のは花は散って、まだ細い緑の軸です。種までいくかな?
では、また!

by コマドリ (2015-12-08 22:39) 

夕菅

コマドリ さん コメントありがとうございました。
道端のタカサゴユリ、12月になっても開花しましたか!
感動ものですね!
でもお庭のタカサゴユリの果実は種子までは無理かもしれませんね。
当地はまだ霜が降りず、クロホオズキも咲き続けています。

by 夕菅 (2015-12-09 00:31) 

コマドリ

今年はおっしゃっていたように、昨年のようにこの時期までたくさんタカサゴユリは咲きませんでした。庭では10月末までで今、緑の種の入った鞘(?)が2こ残っているだけで、ほとんどが9月まででした。
夏の子どものプールで踏まれた個体が後から出てきて咲きましたが、それも10月上旬まで。
一週間ほど前、近所の人間の入れない場所(山と大きな側溝の間の荒れ地?)に4株咲いているのを見ましたが、その一か所の個体たちだけで、今のところ見かけていません。
どういう状況で彼らがたまに遅くまで咲くのか興味深いです^^!
ちなみに、こちらは今年はあまりモミジもきれいではありませんでした。
では、また!!
昨年ここに質問するためにURLというものを作ったのですが、一年ぶりにまた使いました^^!相変わらず不慣れです^^!
by コマドリ (2016-11-30 21:33) 

夕菅

コマドリさん お久しぶりですね。コメントありがとうございました。
当地でも今年のタカサゴユリは早く終わりました。
昨年11月にも咲いたとは信じられないほどです。
確かに紅葉も年によって様々ですね。
毎年同じではないから、今年はどうだろうと楽しみがあるのかもしれません。
( URL欄は空欄でもコメントは送れます。)


by 夕菅 (2016-11-30 23:15) 

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