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ヤツデの葉 [花木(冬)]

ヤツデ
 ウコギ科ヤツデ属 常緑低木
 八つ手
 学名:Fatsia  japonica
 分布:関東以西〜南西諸島

豊かな常緑の葉のみならず、花の少ない11月から12月に花を見せてくれるヤツデ、このブログにもいつかまとめたいと思っていました。
しかし、書こうとすると思いのほか難問続出、調べると先達の貴重な記録がたくさんあります。
すでに寒中、もう撮れない場面もありますが、撮り置きの画像を整理しつつ記録しておきましょう。

これは7年前、玄関の軒下に植えた「斑入りヤツデ」の現在の姿です。
霜が当たらないので大きな葉の間から未だに花が見られます。
ヤツデ斑入りwb.jpg

5月、前年の葉の上に新しい葉が展開しました。
ヤツデ玄関100509wb.jpg

押し合いへし合い、我先に光を求めて葉を拡げ、大きい葉は巾30cmi以上になります。
若い葉は柔らかですが、次第に固く厚くなり、新しい葉が出揃うと葉痕を残して脱落します。
ヤツデ若葉2wb.jpg

最初の疑問は「何故 八つ手 と命名されたか」です。
多くの先達が葉の切れ込みに注目されています。
八つ手というのに葉が8つに裂けていないというわけです。
庭には園芸種の他に鳥の落とし物による自生のヤツデが数本育っています。
まず自生種の葉の切れ込みを数えてみました。
八つでしょうか? いいえ、9裂です。
ヤツデ葉9枚wb.jpg

これは7裂。 ほとんどの葉が9または7裂です。
8裂は見当たりません。
ヤツデ葉7枚wb.jpg

若い葉はどうでしょう? これらは5裂でした。
ヤツデ葉5枚wb.jpg

隅っこに3裂を見つけました。全て奇数です。
ヤツデ葉3〜5枚wb.jpg

さらに小さい苗からは切れ込み無しのハート型が3葉と左右非対称の4裂が1枚。
しかしこの4裂の葉には葉脈は5本ありますね。
ヤツデ自生苗wb2.jpg

8裂は存在しないのでしょうか。初めのハート型から考えれば奇数が自然です。
園芸種はどうでしょう?  圧倒的に9裂が多いようです。
その中に1枚、ありました!ありました! 
葉脈も8本の8裂の葉です。
ヤツデ葉8裂2wb.jpg

しかし、立ち返って考えれば「八つ手」の八つは具体的な数ではなく、多いという意味ではないでしょうか。
広辞苑にも「八つ」は「数の多い意にも用いる」とあります。
八百屋、八頭、八つ当たりなどもこの意でしょう。
さらに申せば「八つ手」であって「八つ指」ではないということです。
ヤツデの葉の葉柄は、互生の葉に光が当たるように長く四方八方に伸び出します。
葉柄を含めたたくさんの葉を八つ手(多くの手)と表現したのではないかと思うのです。

車庫との隙間に生えたヤツデの葉も冷たい雨に耐え、八つ手を拡げています。
ヤツデの八つ手wb.jpg

庭隅の自生のヤツデの葉は霜や雪に当たってますます色濃く厚くなっています。
ヤツデ全20130114wb.jpg

次回はいよいよ、ヤツデの花を見つめます。
コメント(20) 

コメント 20

703

ヤツデは葉の切れ込みが7つあって、8つの手(指)になっているのだと勝手に思い込んでいました。
そう言えば、先月ヤマモミジの落ち葉を見ていて、みんな「テノナルモミジ」の7つだけでなく、他に5、9の場合もあることに気づいたのでした。

ヤツデの「八つ」が「たくさん」の意味だとは分かります。でも葉の形は如何にも手を広げたようですよね。
でも千手観音も、「腕」ではなく「手」を伸ばしています。葉柄を四方八方に伸ばすからヤツデという夕菅説を補強しますね。
いろいろ考えて面白かったです。次も楽しみにしています。

それにしても葉脈のほとんどが奇数だということは、何か意味があるのでしょうか?


by 703 (2013-01-14 22:31) 

夕菅

703さん いろいろ考えていただいてありがとうございました。
私も何も知らないときは、8本指の手かなと思っていましたが、そうではないことがわかって自分なりに考えたことを書いてみました。今までの記事は殆ど文献の引用のみでしたが、今回は何か納得がいかなかったのです。やはり指の多い手でしょうか?
千手観音、私も思い起こしましたが、画像を見てやめました(笑)。

それからご質問の件は、植物の葉は主脈から両側に一対ずつ太い葉脈が増えているため奇数に裂けるのが、ほぼ原則だそうです(「学芸の森 私の植物」より)。
by 夕菅 (2013-01-15 09:04) 

とんちゃん

ヤツデってそういうことだったのですね!
数が多いから八つ手に。
葉の枚数を数えてみることはなかったのですが奇数になることを知ることができました。
葉柄を四方八方に伸ばして手を広げているヤツデの画像も分かりやすいです。
次回は花のこと 私はこの前カミヤツデを見てきたのですが詳しい花の解説を楽しみにします!

by とんちゃん (2013-01-15 10:11) 

夕菅

とんちゃん コメントありがとうございました。
カミヤツデは通りがかりに一見したことがありますが、葉はヤツデの倍くらいあって熱帯植物かと思いました。
所によっては増え過ぎて駆除の動きもあるようですね。
アップ楽しみにしています。
白い小さな花は撮り難く、ヤツデは花期が長いのをいいこと幸いに、横目で見て通り抜けながら後回しにしていましたがやっとなんとかです。

by 夕菅 (2013-01-15 12:43) 

とんとん

ちょくちょく気まぐれに撮ることはあってもきちんと見つめたことが無いので、いつの日かと思いながら後回しになっているヤツデの花です。
今でも咲いているものもあるのですか。
木琴の玉の様な実は印象深く、飾っているのですが・・・

めったに枯れないし、葉っぱも大きくて硬くて頼もしい限りです。
次回を楽しみにしています。
by とんとん (2013-01-15 15:54) 

夕菅

とんとん さんコメントありがとうございました。
やっぱりヤツデは後回しの運命ですね。
でもいざとなるとやはり手強い植物でした。といっても何も知らずに入った植物の世界はどれも奥深く、興味津々ですが........。
自生のヤツデはもう緑色の若い果実になっていますが、軒下の斑入りヤツデは今、雌性期に入ったばかりです。
ただしここは薄暗いので良い画像が得られず焦っています(笑)。
by 夕菅 (2013-01-15 22:02) 

703

葉脈の件、よく分かりました!
自分で調べもせず、思いつきを書いて教えていただく横着ぶり。
呆れないでくださいね。
ありがとうございました!
by 703 (2013-01-15 23:12) 

satton

花は画像で見るとウドによく似ている感じがします。葉はよく調べないで8裂とばかり思っていました。学名 (Fatsia japonica Fatsiaの‘Fatsia’ は八手のことなのだとか・・。関心を持ちはじめるといろいろと調べてみたくなります。
by satton (2013-01-16 16:52) 

夕菅

703 さん ご丁寧に再度のコメントありがとうございました。
何となくそうは思っても説明する自信はなく、探したらたまたま専門家の解説を見つけて引用させていただきました。
基礎的知識の欠損がありますので、こうした刺激をいただくと調べる気になれてありがたいことです。
by 夕菅 (2013-01-16 22:42) 

夕菅

satton さんコメントありがとうございました。
ヤツデ(ウコギ科)とウド(セリ科)は同じセリ目なので共通するところがありますね。
Fatsia は日本語の「八」(古い発音で「ふぁち」、「ふぁつ」)または「八手(はっしゅ)」に由来するとか、やはり学名は和名から名付けられたのでしょうね。いろいろ調べるのも楽しいですね。
by 夕菅 (2013-01-16 22:56) 

花咲かばあさん

きびしい寒さの中でもいかにも元気ですよ、、、と咲いているヤツデですね。たくましい生命力を感じますね。
長い柄の先に大きな手のひらのような葉を付け、赤ちゃんの手ではなく
天狗の手ですね。
7つから九つに裂けていることが多いから、縁起のよい八をとって、
八つ手としたと以前にきいたこと思い出しました。
古くから魔除けに使われたということも聞きました。
いつもボ-ッと見つめるしかないのですが、紹介していただくおかげで
皆さんの素敵なお話もお聞きでき、じっくりと向き合うことができます。
白く玉のように咲く花も楽しみです。

by 花咲かばあさん (2013-01-17 12:48) 

わんちゃん

夕菅さん こんにちわ~~

足跡を残さないまま、いつもおじゃましてます。
今年もヨロシクです。

”ヤツデ”なつかしいです。
花咲かばあさんが
「古くから魔除けに使われたということも聞きました。」で思い出したことがあります。
子どもの頃、祖母が中風のおまじないにと、8裂の”ヤツデ”を一生懸命探してました、やっと見つかって寝間のお布団の下に敷いて寝てました。

今でも、ヤツデに出会うと、思わず8裂の葉っぱを探してしまいます、なかなかないモンですねぇ、その理由が解ったような・・・

by わんちゃん (2013-01-17 15:08) 

夕菅

花咲かおばさん コメントありがとうございました。
モミジは赤ちゃんの手を連想しますが、ヤツデはたしかに天狗の手!
別名に「天狗の羽団扇(てんぐのはうちわ)」というのもあるようです。この大きな手で魔物を追い払うから玄関に植えるといいとか。
うちでは園芸種の斑入りヤツデを植えましたが、日陰にも強く、若葉の美しさは抜群、良い選択だったと思っています。
花の美しいのははやり陽の当たるところ。でもうちの自生ヤツデは生垣の北側にあり、終日逆光になるため写真が上手く撮れていません。花の写真を整理しながらまた悩んでいます。
by 夕菅 (2013-01-17 18:30) 

夕菅

わんちゃん  お久し振りです! コメントありがとうございました。
私も時々そっとお訪ねしては、お元気であれこれ活動されているのを羨ましく見せていただいていました。
私は相変わらず庭の中、それもだいたい書き尽くしたようですから、そろそろ引退かと思ったりしています。

8裂のヤツデは四葉のクローバーに通じる縁起物なのでしょうね。
ここに載せた葉はまだ玄関に残っています。
私もだんだん血圧が上がってきたからお布団の下に敷いた方がいいでしょうか?(笑)
by 夕菅 (2013-01-17 18:45) 

エフ・エム

立派なヤツデですね。ヤツデの斑入りはまだ見たことがありません。
8裂の葉がありましたか。以前ヤツデの葉は何裂か調べたことを思い出しました。あまり熱心ではなかったのですが、8裂は見つからなかったように思います。ナナツデやココノツデよりもヤツデという方がすっきりしているので、ヤツデにしたのかなと思ったりしました。八つにはたくさんという意味があったのですね。納得しました。
by エフ・エム (2013-01-17 22:53) 

夕菅

エフ・エム さん コメントありがとうございました。
このコーナーは以前ヒイラギナンテンが植えられていましたが、朝日がほんの少し当たるだけの日陰のせいか、30年もたつと茎は曲がりくねり、葉はみすぼらしくなってしまいました。
思いきって園芸プロに相談、この斑入りヤツデを勧められました。私もこんな園芸種があることを初めて知りましたが、ここにぴったりでした。
8裂のヤツデ、探されたことがあったのですか(笑)。
四葉のクローバーより見つけ難そうですね。
by 夕菅 (2013-01-18 00:11) 

多摩NTの住人

こんにちは。
とても丁寧なご説明と写真で大変良く理解できました。
続きの花も楽しみにしています。
by 多摩NTの住人 (2013-01-18 09:16) 

夕菅

多摩NTの住人 コメントありがとうございました。
貴ブログのように画像1枚で名文を添えるという自信がないので、だらだらたくさんの写真を並べてお恥ずかしいことです。
また次も枚数がかさみそうですが、流し読みしていただければ幸いです。
by 夕菅 (2013-01-18 17:31) 

ミセスサニー

ヤツデの名前について、
楽しく読ませていただきました。
数を確かめていませんでした~!!
手の形と思い込んで写真を撮っていました。
http://blog.goo.ne.jp/sunroom2007/e/4a3965ab2f8b511583a8160fab78ddf6
お笑いください。。

斑入り品種、すてきですね。
by ミセスサニー (2013-01-19 09:05) 

夕菅

ミセスサニーさん コメントありがとうございました。
逆光に初々しい小さな手、拝見しました。
光をきれいに活かされていますね。そういえば若葉の初期の写真は撮ったことがなかったようです。今年は注目してみます。
枯葉も使い用ですね。私は通路を塞ぐ葉は切って生花に利用しています。
by 夕菅 (2013-01-19 18:14) 

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