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ツバキいろいろ [花木(春)]

ツバキ Camellia
ツバキ科の常緑低木〜高木

サクラが日本の花木のうち落葉樹の代表だとすれば、ツバキは常緑樹の代表かと思います。
花の少ない晩秋から早春にかけてツバキが庭の彩りを保ってくれます。

花期が長いのは関戸太郎庵椿、11月に咲き始めて3月まで次々と開花し続けます。
花は半開のまま散るため、奥床しい花としても茶人にも好まれてきました。
太郎庵08wb.jpg

淡いピンクの花弁がふくよかに重なっています。
太郎庵2011120wb.jpg

多数の雄しべは基部で花糸が合着し、お行儀よく筒状になって中央の雌しべを囲みます。
葯にはたっぷりの花粉が出来ています。
太郎庵2012-2wb.jpg

同じく花期が長く日本で親しまれてきた品種「侘助」の白花。
植えて20年余、大木になりました。
ワビスケW2011wb2.jpg

侘助についてはすでにツバキ「侘助」として記載しましたが、雄しべが退化して花粉を作らないのが特徴です。このため花器に活けても花粉は散らず花は長持ちしますが、蜜は分泌されます。
蜜1滴、今にも落ちそうです。
侘助W蜜wb.jpg

同じ時に植えたピンクの侘助、満開の頃です。
ワビスケP2010-4wb.jpg

退化した葯の間から太い雌しべが1本伸びています。
花粉の出ない花は何となく侘しそうです。
侘助雌しべwb2.jpg

侘助にもいろいろ園芸品種があります。これは「数寄屋」。
数寄屋2013全wb.jpg

整った花弁は開ききらず上品です。
数寄屋2wb2.jpg

ヤブツバキ。
やや日陰を好むヤブツバキは隣にクスノキがあった頃はもっと葉の色が濃く、花の色もきれいでした。今は日照過多で葉が焼けてしまいます。
蝋梅と椿wb.jpg

遠くから見ると赤い花が美しいのですが、近くへ寄るとヒヨドリが花弁を突ついたり、花粉が飛び散っていたりして、接写できる花を探すのに苦労します。
これはやっと見つけた無傷の花。もう花粉が落ち始めています。
ヤブツバキ2010wb2.jpg

この花は「実生の初嵐」として叔母にいただいた小さな苗が育ったものです。
初嵐は白い花ですから期待は外れましたが、自然交配した初嵐の雑種でしょうか。
この花が咲いた時には叔母はすでに亡く詳細不明です。
ヤブツバキと比べて端正な花と葉。
初嵐05-1wb2.jpg

「こがねゆり」
金花茶(黄色の椿)との交配種。クリーム色の筒咲き(4月13日)。
4月になってから咲くことが多く、今年はまだ蕾です。
コガネユリ09-3wb.jpg

細長い葉も艶やかで美しく気品のある花です。
コガネユリ2010-1wb.jpg

雌しべは3本に分かれています。
おやおや、こんな所にクサカゲロウが休んでいました(4月5日)。
カゲロウ2wb.jpg

香り椿 
今は蕾の状態です。品種名:不明。
香り椿蕾wb.jpg

例年3月下旬頃から咲き始めます。
香椿09-1wb2.jpg

いかにも洋風な軽いかんじの椿で名のごとく良い香りがあります。
この花も柱頭は3本ですね。
香り椿1003wb.jpg

ツバキはサザンカと異なり、花弁と雄しべが1塊となってポトリと落ちます。
その後は萼片の包みから太い雌しべが1本覗いています(太郎庵)。
太郎庵雌しべ3wb.jpg

柱頭が3裂(初嵐の雑種)。
雌しべ3裂2wb.jpg

秋になると球状の固い果実がが出来ます。
ツバキ果実wb.jpg

12月4日、果実は枯れて3つに割れ、種子がこぼれ落ちていました。
太郎庵果実wb.jpg

朝日百科植物の世界7-130によれば、ツバキの「雌しべは1本で3(まれに2)〜5(まれに10)枚の心皮からなり、花柱は離生するものから合生して1本になったものまである」そうです。
1本の太い雌しべは花柱が合生していたのですね。
実生のツバキはどんな色の花が咲くのか楽しみですが、花が見られるのは数年先になります。
コメント(14) 

コメント 14

703

椿は文字通り「春を代表する木」なんですね。写真を拝見して、大木いっぱいに花咲く見事さを実感しました。
侘助はやはり上品ですね。
「数寄屋」とある淡いピンクが気に入りました。「こがねゆり」の細い葉もいいですね。
うちにもヤブツバキがありますが、日向に植わっているから、葉は焼けて、花は鳥につつかれて、写真が撮れません! 
by 703 (2013-03-16 21:59) 

夕菅

703さん お疲れなのにコメントありがとうございました。
ツバキを植えるときはやはり少し日陰のほうがいいようです。
ヤブツバキは特にヒヨドリに狙われ易いし、すぐ花粉が散って見苦しくなってしまいますね。
「こがねゆり」は初め寒さに負けそうでしたが適応できたようです。
淡いクリーム色が気に入っています。

by 夕菅 (2013-03-16 22:57) 

花咲かばあさん

立派な巨木、見事な椿です。好きな花木と聞かれたら、「一番は椿」と。
その中でも侘助が気に入っています。
晩秋から咲きだしますが,木偏に春と書いて椿、春の花ですね。
今頃はヤブツバキがいいですね。
冷たい風や、甘い蜜を求めて鳥たちが花びらを傷めます。
うちの庭でもヤブツバキや数寄屋が咲きだしました。
成長が遅い木ですね。ゆうすげ庭のような椿になるまでは見届けられないでしょう。

首飾りを作ったり、種で笛を作って遊んだことなど思い出します。
凛として、美しい形のまま散る姿にいさぎよさを感じたりします。
「散りてなお、路傍に咲きし やぶ椿」  こんな句を見つけました。

白い椿にクサカゲロウ、葉の裏に優曇華が見つかるかも・・・・・。


by 花咲かばあさん (2013-03-17 23:05) 

夕菅

花咲かおばさん すてきな句を添えていただいてありがとうございました。
椿の花はそのまま落ちるのでこんな光景を目にすることがありますね。
やはり侘助がお気に入りですね。
侘助は‘スキヤ(数奇屋)’ の他にもソウシンワビスケ(湊晨侘助)、
‘オトヒメ(乙姫)’ セッチュウカ(雪中花)‘サガミワビスケ(相模侘助)’ ‘ヒナワビスケ(雛侘助)などたくさんの園芸品種があるようです。
あまり凝らないであっさりしたのがいいですね。

by 夕菅 (2013-03-18 00:31) 

satton

ツバキにもいろいろな種類があるのですね。こちらではヤブツバキのみが松前から函館にかけて5月上旬に咲きます。北前船などで本州から持ってきたものなのでしょう。花屋さんで撮った侘助の写真、見直してみます。
by satton (2013-03-18 10:35) 

夕菅

satton さん コメントありがとうございました。
椿は素朴なものから絢爛豪華なものまで本当に多種多様です。
ヤブツバキは寒さに強いのですね。
サザンカに近い品種は寒さに弱いから無理でしょう。
北前船のこと、かって「菜の花の沖(司馬遼太郎著)」で読んだことがあります。あの船で植物も運んだんですね。
by 夕菅 (2013-03-18 12:31) 

とんちゃん

夕菅さんがツバキを紹介してくださるとツバキの魅力が一層引き出されてもっとツバキが好きになれそうです。
特にワビスケはどなたにも好まれて楚々とした風情に心奪われるのだとあらためて感じています。
はにかみながらおとなしく遠慮がちに開く様はワビスケ独特なのでしょう
こがねゆりというのは金花茶との交配種なのですね。
花もつややかな葉も気に入りました。
雌しべが3劣というのがありましたか~
白のワビスケに蜜1滴!いいですね!
赤い初嵐は端正な咲き方です。これも大お気に入りです~
by とんちゃん (2013-03-19 08:07) 

夕菅

とんちゃん コメントありがとうございました。
ブログの内容にいつも自信がないので、こんなコメントをいただくと勇気付けられます。
ワビスケはやはり昔ながらの日本の心を伝える花でしょうね。
奥床しく、自己主張せず、それでも芯は強く、長期間咲き続ける花。
こがねゆりも金花茶をワビスケ風に改良したかに思えます。
年と共に控え目な花がいとおしくなります。
by 夕菅 (2013-03-19 12:22) 

とんとん

驚くほどたくさんの種類の椿がお庭で咲くのですね。
いつも賑やかなお庭でいいですね~。。
こちらの白いワビスケを見て、ほしいな~と思いましたが、花粉が出ないのがちょっと奇妙な感じがしました。
めしべあつきだした椿は見たことがありません。
コガネユリは素敵な椿ですね。
by とんとん (2013-03-19 21:42) 

夕菅

とんとん さん コメントありがとうございました。
初めの庭造りのとき庭師さんが紅白の侘助とヤブツバキを植えました。恐れていた毛虫が思ったより少なかったので、花屋さんで良さそうな苗木を見つけると追加しているうちに増えてしまいました。
ワビスケは植物学的にはあわれな欠陥種でしょうね。
by 夕菅 (2013-03-19 23:36) 

多摩NTの住人

こんにちは。
ツバキの花粉は結構多く、時に、美しさを損ねることがありますが、その点、侘助は綺麗ですね。でもやはり侘しいですね。
by 多摩NTの住人 (2013-03-20 15:19) 

夕菅

多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
侘助は花粉がないのでこざっぱりしていますが、反面、花としてはたしかに侘しい感じです。
あまりにも清らかで生活感のない数寄屋造りのお宅を訪問したときのことを思い出しました。
by 夕菅 (2013-03-20 22:19) 

エフ・エム

また少しご無沙汰してしまいました。
サクラの賑やかさのさなかで、ひっそり咲くツバキですが、サクラのように花の集団でなく、花一つ一つが鑑賞に値する、まさに美しい花だと思います。
ワビスケについてですが、北村四郎博士はツバキとチャの雑種と思われるとし、また一般的にもそう信じられているようです。しかし、農研機構のHPの中の記事
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/flower/2011/141h0_10_14.html
を見ますと、ワビスケの品種「太郎冠者」(ワビスケの起源品種?)はDNA分析などから、ピタールツバキ(Camellia pitardii)とヤブツバキとの雑種とあります。ピタールツバキもヤブツバキもワビスケも染色体数30のようです。ワビスケがなぜ不稔なのか、染色体数では分からないです。
余計なことを書きました。


by エフ・エム (2013-03-25 11:53) 

夕菅

エフ・エムさん 貴重なコメントありがとうございました。
「太郎冠者」はDNA分析でピタールツバキとヤブツバキとの雑種と判定されたのですね。
他にも葉の成分から「ツバキとチャの交配種にはカフェインやテアニンを含むがワビスケからは検出されない」と書いた資料もありましたが、原典がわかりません。
いつも参考にする朝日百科植物の世界にはワビスケの項がなく、ツバキの園芸品種の写真説明で「ジャポニカ系1.侘助 ヤブツバキの矮小品種」と記載されていました。

by 夕菅 (2013-03-25 22:23) 

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