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フユノハナワラビ  [草花(冬)]

フユノハナワラビ
 冬の花蕨
 ハナヤスリ科ハナワラビ属の冬緑性シダ植物
 学名:Botrychium ternatum
 分布:本州・四国・九州、東アジア(温帯下部から熱帯)
 高さ:10〜50cm。

数年前から秋に出てくるワラビのような植物に気付いていました。
調べてみると「フユノハナワラビ」でよさそうです。
隣にはツワブキの花が競うように咲いて季節感を添えてくれています。
高さ約40cm。
フユノハナワラビ1210-1wb.jpg

ワラビの仲間のように見えますが、ワラビはウラボシ目 コバノイシカグマ科 で胞子の構造も違います。
まず下草を除いてフユノハナワラビの根元を見てみましょう。
初めに共通柄といわれる短い茎(根茎)から葉のように見える栄養葉が斜め上に、花のように胞子をつける胞子葉が垂直に出ます(この株では胞子葉はすぐ2本に分岐)。
フユノハナワラビ共通柄1wb.jpg

葉のように見える栄養葉は1年に1枚出ます。
葉軸は三つに分かれ、さらに羽状に三角状に広がります。
栄養葉・胞子葉共に無毛。
フユノハナワラビ1210-1根元w.jpg

3回羽状複葉?。
フユワラビ葉1wb2.jpg

小羽片の辺縁は鈍鋸歯。やや硬い乾いたかんじの濃緑色の葉です。
フユワラビ葉3wb.jpg

葉の裏面も無毛。
フユワラビ葉裏wb.jpg

フユノハナワラビの胞子は高く伸びた胞子葉が穂状に分枝した小枝の先にまるで花のように付きます。
これを揺すると白い細かい粉末状の胞子が埃のように飛び散って驚きました。
フユノハナワラビ1210-3wb.jpg

胞子が出始めた頃(11月17日)。
多数の黄色い粟のような胞子嚢が群生しています。
フユノハナワラビ胞子7wb.jpg

球形の胞子嚢の隙間が僅かに開いて胞子がこぼれ始めた頃。
横に裂開することが多い。
フユワラビ2013-2wb2.jpg

胞子最盛期。胞子嚢は褐色を帯びています。
フユノハナワラビ胞子1wb3.jpg

胞子が盛んに散布されます。
フユノハナワラビ胞子3wb2.jpg

粉を吹いたように真っ白です。
フユノハナワラビ胞子満wb.jpg

ついに胞子嚢はほぼ空っぽ(12月8日)。
フユノハナワラビ胞子空3wb.jpg

胞子を顕微鏡で見てみました。
フユノハナワラビ花粉顕.JPG

もう1株近くに育っています。この胞子が芽生えたのでしょう。
同じく高さは約40cm。
こんなに大量の胞子が散布されても滅多に生えないものですね。
胞子葉はこのまま翌年3〜4月まで残り、その後倒れて枯れます。
ハナワラビ20131208-4wb.jpg

近縁種のオオハナワラビ(B. japonicum)は栄養葉の葉先が尖り、茎や葉に毛があります。
またアカハナワラビ(B. nipponicum)は胞子葉は冬季に紅変、やや浅く不規則に尖る鋸歯縁で茎に毛がないそうです。
しかし、この他にもヤマハナワラビ・エゾフユノハナワラビ・モトマチハナワラビ・アイフユノハナワラビ・アカフユノハナワラビなどもあり、同定はなかなか難しそうです。

共通柄は文献によっては担葉体といわれます。
夏緑性のナツノハナワラビでは共通柄が長いのが特徴です。

コメント(12) 

コメント 12

多摩NTの住人

こんにちは。
フユノハナワラビが見られる季節になりましたね。
揺すって胞子を確認することはしたことがありませんでした。
顕微鏡の観察はさすがですね。
いつもとても勉強になります。
by 多摩NTの住人 (2013-12-12 08:32) 

エフ・エム

フユノハナワラビと思われる植物は私の散歩道でもよく見かけます。しかし、近縁種がこんなにあるとは知りませんでした。やはりちゃんと同定しないといけませんね。
ふゆのハナワラビの「花」はきれいとは思われませんが、意外に目立ちますね。
by エフ・エム (2013-12-12 09:31) 

とんちゃん

フユノハナワラビだったのですね!
胞子嚢を大きくしたところを見たのは初めてです。
こんな風な色をして大量に散布していたのですね。
種類が多いのも驚きました。
区別できるかな~と思われるものはフユノハナワラビとオオハナワラビのみ
それでも間違えてしまいそうです。
顕微鏡で見た胞子の形 さすがにはっきりをとらえられていますね!!!
by とんちゃん (2013-12-12 14:24) 

花咲かばあさん

フユノハナワラビはこういう顔をしていたんですね。
近くの山で、今年も出会いましたが、この胞子の様子をみせていただくと
あちこちで見られそうですが、そうでもないところが愛好者の多いところでしょうか。盆栽展ではよく見かけます。
ものみな眠りにつく季節に、柔らかな緑色の姿も魅力の一つかもしれませんね。
沢山の種類があるんですね。
ワラビとはいっても、食べられそうにもないようですね。
まさか、口にはされないでしょう、、、か?。

by 花咲かばあさん (2013-12-12 17:20) 

夕菅

多摩NTの住人さん コメントありがとうございました。
今年の花粉はもうお終いかもしれませんが、次にフユノハナワラビをご覧になったら是非そっとゆすってみてください。
煙のように花粉が散って驚かれることでしょう。
この煙が本当に花粉かどうか確認したくて顕微鏡で見てみました。
by 夕菅 (2013-12-12 21:20) 

夕菅

エフ・エムさん コメントありがとうございました。
フユノハナワラビは確かにきれいではありませんが、なんとなく愛嬌があって私を誘います。
でもシダ植物は用語がむつかしく後回しになっていました。
調べてみると近縁種が多くあり、交配種も次々と報告されているようです。よそで出会ったらまたまた迷いそうです。
by 夕菅 (2013-12-12 21:30) 

夕菅

とんちゃん コメントありがとうございました。
フユノハナワラビとオオハナワラビはもうお分かりなんですね。
私はまだフユノハナワラビしか見たことがありません(笑)。
写真がうまく撮れずに先送りしていたら、胞子嚢が空っぽになってしまいました。でもそれはそれで面白かったですよ。
by 夕菅 (2013-12-12 22:07) 

703

珍しいものが咲いているんですね。
フユノハナワラビ・・・・渋好みですねえ!(笑)
ツワブキやタマリュウ(?)、クリスマスローズやアイビーの間から出てきて、とても自然に生長しているのがすごいですね。
「数年前から・・・・気づいていました」というのは、
植えられたのではないという意味に読めますが、
植えなくてこんなのが生えてくるのだとしたら、
夕菅さんのお庭は、本当の「自然」なんですね!

by 703 (2013-12-12 22:28) 

夕菅

花咲かおばさん コメントありがとうございました。
「ものみな眠りにつく季節に、柔らかな緑色の姿」、なるほど、この対比が魅力かもしれませんね。
またありそうでなくて、ひょんなところで出会えるような意外性も楽しみです。
食べられる? 早速調べてみると何と食べられるようです!
おいしそうな巻き寿司「フユノハナワラビ卷き」の画像にうっとり。でもたった2株のうちの名物フユノハナワラビを食べてしまうのはやはろもったいないかな〜。

by 夕菅 (2013-12-12 23:05) 

夕菅

703 さん コメントありがとうございました。
そうなんです。ここは浴室の前で雑草防止の下草タマリュウがほどよく繁ったのですが、その中から自生してきたのです。
今調べたら食べられるとのこと、タマリュウのかわりにフユノハナワラビが群生したら気楽に採って食べられますね。
さすが703さん、クリスマスローズも気付かれましたね。
ツワブキ・クリスマスローズ・シャガは植えたものです。
by 夕菅 (2013-12-12 23:22) 

リンちゃんママ

お庭の草花にとても優しく愛情を持って手入れして見えるのですね。私は木の根元にはえる草やシダを無造作にひっぱり抜き除草シートを敷いてしまい頑張って出てくる芽を摘んでしまいました。来年は少し注意深く庭を観察したいです。胞子の変わり行く写真とてもきれいで興味深く拝見しました。
by リンちゃんママ (2013-12-18 23:22) 

夕菅

リンちゃんママさん コメントありがとうございました。
いえいえ、私も抜くものは情け容赦なく抜き捨てていますよ。
例えばカタバミ、かわいい花が咲くからと眺めるうちに次第に庭中に蔓延、特に芝生の中では芝生に勝ってしまいます。
フユノハナワラビやネジバナは保護して、カタバミ・スベリヒユ・クワクサ・チドメグサ・・・・・は根こそぎ抜去、勝手なものです。
by 夕菅 (2013-12-19 00:12) 

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