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トサミズキとヒュウガミズキ  [花木(春)]

トサミズキ
  土佐水木
 四国に分布する落葉性の低木~小高木。
 学名:Corylopsis spicata
 原産地:土佐(高知県)の蛇紋岩地に自生。
 樹高:2m~4m  
 花期:3月〜4月
 
トサミズキが咲く頃はハクモクレン・ラッパスイセン・クリスマスローズなどが賑々しく満開になり、このおとなしい花は後回しになっていました。
今年は春の淡雪の下で蕾が膨らんでいるのに気付き、ヒュウガミズキと併記することにしました。

ロウバイの花が終わる頃、淡黄色のトサミズキの花が開き始めます。
トサミズキ4wb.jpg

葉に先立って下垂する穂状花序。
トサミズキ3wb2.jpg

一つの花序には長さ1cmくらいの両性花が7〜10個付いています。
トサミズキ10-2wb.jpg

花からのぞく紅い葯と2本の雌しべがトサミズキの特徴です。
花柄・苞・萼には細毛が密生。
トサミズキ070308wb2.jpg

紅い未開の葯と開いて黄色の花粉を出している葯が混在。
トサミズキ201303葯wb.jpg

下から見ると花数を確認しやすい。
トサミズキ2011-2wb.jpg

それでも萼は見えないから1花分解しました。
花は5数性で萼片、花弁、雄蕊とも5個、雌しべは2本あることを確認。
萼片の間から覗く緑色の小片は仮雄しべです。
トサミズキ5数性wb.jpg

上の花から順に花弁が散っていきます。
葉芽は紅く先が尖ったいるものが多い。
トサミズキ芽wb.jpg

4月半ばには若葉が出揃います。
円い葉は葉脈が窪んで彫りの深い造形となり、ほれぼれする美しさです。
トサミズキ葉2010@wb.jpg

ヒュウガミズキ
  日向水木  マンサク科トサミズキ属の落葉低木。
 学名: Corylopsis pauciflora
 マンサク科トサミズキ属の落葉低木。
 本州の中西部と台湾などの蛇紋岩地に自生。
 樹高:2m~3m  
 花期:3月〜4月

トサミズキと比較したくて同じトサミズキ属のヒュウガミズキも植えました。
花序は短くさらに優しく慎ましやかな花でした。
ヒュウガミズキ2015-03-18-wb.jpg

穂状花序に付く花は1〜3個。
花の大きさはトサミズキと同じく1cmくらい。
ヒュウガミズキ1-2wb.jpg

葉芽も先が尖らず円っこい感じです。
ヒュウガミズキ葉芽wb.jpg

トサミズキと比較するには並べて置くのが最もわかりやすい。
まだ葯が開かない花序。左がトサミズキ、右がヒュウガミズキ。
ヒュウガミズキの未開の葯は紅くはならず、淡黄色〜黄褐色です(この花は最も褐色調が強い方)。
トサミズキとヒュウガミズキ1wb.jpg

左2花は花粉を出しています。右の花の葯は未開で淡黄色。
雌しべは花弁より短く、トサミズキのように突出しません。
ヒュウガミズキの葯wb.jpg

一般には花粉に近い黄色の葯が多い。
ヒュウガミズキ雄しべ2wb.jpg

花粉が落ちた後の葯もトサミズキ(左)の方が濃い褐色です。
トサミズキとヒュウガミズキ2wb.jpg

昨年の4月6日のヒュウガミズキです。
花弁や雄しべがほとんど落ちて、苞の内側から若葉が広がっています。
花柄にはトサミズキに見られたような毛はありません。
葉はトサミズキの葉とそっくりですがはやり小さい。
ヒュウガミズキ20140406wb2.jpg

日本にはトサミズキ属はトサミズキ、ヒュウガミズキ、キリシマミズキ、コウヤミズキの4種がが自生しているそうです。それらは1花序の花の数、葯の色、花柄などの毛、雄しべの長さ、葉の大きさなどでほぼ鑑別できるようです。
トサミズキは土佐(徳島県)に自生する花ですが、ヒュウガミズキは日向(宮崎県)にほとんど自生しません。
この命名についてはヒュウガミズキの主たる自生地の丹波(京都府と兵庫県の一部)が日向守・明智光秀の所領だったからともいわれているようです。
トサミズキとヒュウガミズキの葉や果実、できたら仮雄しべについてはまた後日記載したいと思います。
コメント(10) 

コメント 10

703

ヒュウガミズキは日向の産ではないと!
これが今日のブログ散策の一番の感動でしたよ(笑)
日向守・明智光秀が住んでいた丹波に、
ヒュウガミズキは自生しているのですか!
しっかり印象的に脳裏に刻まれたので、
淡色の儚げなヒュウガミズキを見るたびに、
この話を思い出すことでしょうね。
by 703 (2015-03-26 22:42) 

花咲かばあば

このようにトサミズキとヒュウガミズキを並べて植えられていることに、さすが研究熱心な夕菅さんです。花の大きさで区別していましたが、こうしてじっくり違いを見たことは初めてです。並べてみると大きさにこんなにも差があったんですね。柔らかなクリーム色した花も、若緑色の深く掘りのある葉も美しいですね。
ヒュウガミズキは日向の地で自生しているものと思っていました。

近くのソメイヨシノが一花二花咲きだしました。次々と春の花が追いかけてきて、心ウキウキする季節です。おいといください。

by 花咲かばあば (2015-03-26 22:53) 

夕菅

703 さん コメントありがとうございました。
私もブログを書くまではヒュウガミズは日向が自生地だろうと思っていました。でも日向には皆無ではなく、名前がついてからやはり自生していることが分かったそうです。
歴史に疎いため明智光秀が日向守だったことも知りませんでした。
でもこれでもうお互いに忘れませんね。
by 夕菅 (2015-03-26 23:47) 

夕菅

花咲かばあばさん コメントありがとうございました。
競い合って咲く花たちを制して今年はやっとトサミズキとヒュウガミズキと取り組みました。
でも簡単な鑑別は容易でしたが、仮雄しべなど細部の構造についてわからなくなり停滞していました。
他の春の花たちが急ぎ足で去ってしまうので今年はこれまでに(笑)。どの花も調べればこれまた難しさを秘めていてたじたじです。
by 夕菅 (2015-03-27 00:26) 

とんちゃん

夕菅さん、ご心配いただいてありがとうございました。
お蔭様でだんだん日常の状態に戻ってきました。
トサミズキの分解していただいてなんだか頭の中がすっきりしています!
仮雄しべなんてあったのですね
赤い葯がきれい 黄色の花粉がきれい
トサミズキって本当にいい花ですね
5枚という奇数というのもあらためて知ることになりました。
美しい葉にも注目して!この造形にはほれぼれします~
by とんちゃん (2015-03-29 14:50) 

夕菅

とんちゃん たいへんでしたね。
私も昨夏ひょっとしてこのまま?という体験をしましたから他人事と思えませんでした。
トサミズキとヒュウガミズキとを揃えれば全て解決するかと思いきや、小さな仮雄しべなるものが出てきました。
仮雄しべもヒュウガミズキと違うようですが、共に小さくて老眼ではわかりません。
参考文献も見つからず、今回はこれまでとしました。
by 夕菅 (2015-03-29 16:11) 

多摩NTの住人

こんにちは。トサミズキやヒュウガミズキは早春の貴重な存在ですね。花期が長いのも有り難いです。花の分解写真はとても参考になりました。いつもながらわかり易い解説を有り難うございます。
by 多摩NTの住人 (2015-03-30 08:31) 

夕菅

多摩NTの住人さん コメントありがとうございました。
トサミズキはいつか書かなくてはと思いながら、後回しになっていました。
花期が長いからと油断しているともう紅い葯は見られなくなっていたり、花弁が散り始めていて接写すると見苦しかったり。
次は青い果実や黒い種子をきちんと撮るのが課題です。

by 夕菅 (2015-03-30 22:12) 

エフ・エム

春は黄色い花が多いとよくいいますが、黄色は春の暖かさを伝えるようで、黄色い花リレーを見るのは毎年楽しみの一つです。トサミズキはこのあたりの公園に見当たらないのですが、ヒュウガミズキはあちこちに咲いています。今が花盛りですね。賑やかなレンギョウと比べると、目立たず、しとやかで、そこにまたよさがありますね。
by エフ・エム (2015-04-01 09:47) 

夕菅

エフ・エムさん コメントありがとうございました。
確かに春は黄色の花が多いですね。
そしてそこへ初めに現れる蝶も黄色のキタキチョウやモンキチョウ。
こちらではヒュウガミズキよりトサミズキが多いように思います。
レンギョウのような迫力はありませんが、大きくなりすぎず、庭に植えるのには良い木かと思います。
by 夕菅 (2015-04-01 18:05) 

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