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カラマツソウの仲間  [草花(春・夏)]

ツクシカラマツ
   筑紫落葉松 キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草
  学名:Thalictrum kiusianum
対馬列島から済州島に分布するムラサキカラマツと屋久島に自生するヤクシマカラマツとの交配種と言われています。
 
カラマツソウの仲間との最初の出会いは15年前に植えたこのツクシカラマツでした。
高さ10cmほどの小型種ですが、6月初旬、淡いピンクの美しい花が咲きます。
大きな丸い葉はヒメイズイ、小さな複葉がツクシカラマツ。
以後、ヒメイズイに負けそうになりながら毎年辛うじて咲き続けています。
ツクシカラマツ06wb.jpg

一つの花は直径1cmくらい。
花弁はなく雄しべが細い花弁のように見えます。
あまり小さくて花の構造などを調べる気になりませんでした。
20140608ツクシカラマツ1wb2.jpg

ムラサキカラマツ
  紫落葉松   キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草
 学名:Thalictrum uchiyamae
 対馬列島と韓国済州島のみに自生。 

今年園芸店でムラサキカラマツと記した苗を見つけて植えました。
ツクシカラマツより全体に大きく高さ30cmほどに生育。
7月始め頃、ツクシカラマツの2倍くらいの大きさの花が咲き始めました。
7月12日、淡いピンクの花がまるで線香花火のように賑やかに一斉開花。
ツシマカラマツ1wb.jpg

しかし今年はこの頃多忙を極め、ゆっくり花や葉を観察できぬまま終了。
後で写真を見直すとやはり花の構造が気になりました。
ネット検索しても情報が乏しくよくわかりません。
ミヤマカラマツの雌しべにヒントを得て、画像を拡大することにしました。

やはり花弁のように見えるのは雄しべです。
中心から放射線状に伸びたバットのような白い部分が花糸、その先に葯が突出しています。
でも雌しべはどこにあるのでしょう?
もともとカラマツソウの仲間には花弁が無く、萼片は開花するとすぐ落ちてしまうものが多くこの画像にも見つかりません。
ツシマカラマツ4wb.jpg

さらに拡大すると右上に3本のやや濃いピンクのバットのようなものが3本出ています。
これが雌しべでした!
先端の黄色い球状部分が柱頭かと思われます。続くピンクの濃い太い部分が子房で花柱はないようです(2015.8.24.この項、訂正しました)。
その目で見ると左の大きな花にも白い大きな花糸の中に、やや小さくてピンク色の雌しべを3本区別できました。
ムラサキカラマツ4wb2L.jpg

右下の花は雄しべが脱落して5本残り、雌しべは3本。
その上は雌しべのみ2本です。
ムラサキカラマツ3wb2.jpg

雄しべはほとんど散り、雌しべだけが残っているところもありました。
ムラサキカラマツ3wb雌花2.jpg

8月16日、いつの間にかもう果実ができていました。
花の雌しべの数と同じく2〜3個づつ下垂する痩果です。
ツシマカラマツ種子1wb.jpg

濃褐色の痩果には縦に線条があり鰹節のような形をしていました。
長さ3〜4mm。
ムラサキカラマツは絶滅危惧1B類に指定されています。
園芸店には種子から栽培されたものが流通しているのでしょう。
ツシマカラマツ種子6wb.jpg

キバナカラマツソウ
 学名:Thalictrum flavum
 ヨーロッパ~西アジア原産
この花も15年前から枯れず増えず、毎年咲いています。
花期は5月末から6月初めで後ろに咲いているのは青いヤマアジサイ。
高さ100〜150cm。
キバナカラマツ09-1wb.jpg

花が密集して咲くと花の構造など全くわかりません。
キバナカラマツ2013wb2.jpg

できるだけ花糸が少ない部分を見てみましょう。
キバナカラマツ20130606-3wb.jpg

長く細い花糸の先に大きな黄色い葯。
雌しべは花の真ん中に5〜6個がかたまっています。
左の下の方の2花には萼片が残っているようです。
20130606-3wb3.jpg

カラマツソウは花がカラマツの葉に似ているとて命名されたそうです。
これらの他にも萼片が落ちにくく花弁のように美しいカラマツソウの仲間もあります
(バイカカラマツ・シキンカラマツなど)。
いづれも華奢で優しい花ですが意外に丈夫で放っておいても毎年咲いてくれます。
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チョウセンイタチ [その他の動物]

チョウセンイタチ
 朝鮮鼬  イタチ科イタチ属に属する哺乳類
 学名:Mustela sibirica 
 別名:シベリアイタチ・タイリクイタチ

8月12日、タカサゴユリが散り始めた庭に突如大きな動物が現れました。
久しぶりに見るイタチでした!

イタチは2010年9月11日、初めて庭に現れ「イタチ出現」のタイトルで記事にしました。
イタチ1wb.jpg

前述の如く、「イタチ」には日本固有種の「ニホンイタチ」と外来種の「チョウセンイタチ」とが含まれ、この辺りは共存する地域です。

 ニホンイタチ:かっては本州,四国,九州に分布、今では北海道や沖縄地方にも侵入。
        学名:Mustela itatsi
 チョウセンイタチ:ヨーロッパ東部からアジアまで広く分布。
          日本では東海地方以西の本州・四国・九州に侵入。

前回はチョウセンイタチ?ということにしましたが、それでよかったでしょうか。
9時40分〜43分、ガラス戸越しに撮った姿を順に並べながら考えます。
イタチ2wb2.jpg

獲物探し?
今年のイタチはもうこの庭に慣れているらしく、わずか4分弱の間にいろんな姿を見せてくれました。
イタチ4wb.jpg

それでも時々背後には警戒の目を向けます。
イタチ5wb.jpg

拡大するとなかなかかわいい顔でした。
イタチ5wb4.jpg

さて、向きを変えて。
イタチ9wb2.jpg

イタチは雄の方が大きい。
 チョウセンイタチ 体長(頭胴長):雄 28〜39 cm・雌 25〜31 cm。
 ニホンイタチ   体長(頭胴長):雄 27~37 cm・雌 16~25 cm。

この階段の高さはイタチの臀部の後部で20cm、これから考えると雄?
イタチ10wb.jpg

ここで行き止まり。
イタチ11wb.jpg

落ち着いた表情です。
額中央部から鼻にかけて濃褐色の斑紋があり、鼻周辺から下顎部は白色。
ニホンイタチにも斑紋があるため、顔だけでは鑑別困難なようです。 
イタチ11wb2.jpg

はい、Uターン。
さてこの次は何をしようか?
イタチ12wb.jpg

突然走り出しました! 
何かぎこちない、右後足を痛めているようです。
イタチ13wb.jpg

チョウセンイタチとニホンイタチとの鑑別には 尾率(尾長/頭胴長)が使われます。
チョウセンイタチの方が尾が長く 尾率50%以上、ニホンイタチは40%程度と言われます。
今年は真横からの画像がないので難しいのですが、尾率は50%くらいになると推定し、やはりチョウセンイタチだろうと考えました。
イタチ14wb.jpg

チョウセンイタチの毛色は冬は黄褐色,夏は暗褐色のようですが個体により様々。
毛色でも鑑別はむつかしい。
この長い尾毛は毛筆の高級原毛となるそうです(シベリア産が特に高価)。
因みに高級毛皮に使われるミンクもイタチ属です。
イタチ16wb.jpg

楽しそうに駆け回ります。
イタチ17wb.jpg

ところがチョウセンイタチは日本の侵略的外来種ワースト100 に入っています。
ニホンイタチと競合するからです。
イタチ18wb.jpg

ニホンイタチとチョウセンイタチの鑑別はなかなか難しいことがわかりました。
しかし生物多様性センターの報告では遺伝子レベルで区別できるようです。
チョウセンイタチが侵略的外来種だとしても、今のうちの庭ではむしろ歓迎。
2010年以後ヘビの出現が減ったのです。
庭ではむしろ、カラスやノラ猫に困っています。

追加:警告 2015.8.18.
昨夜イタチの被害について貴重なコメントをいただきました。
イタチは人家の天井裏へネズミを追って侵入し、時には断熱材の中で営巣するなど、多大な被害をもたらすことがわかりました。
かわいい表情に惑わされないよう、警告させていただきます。
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ユウスゲとキスゲフクレアブラムシ [昆虫]

ユウスゲ 夕菅 
  ワスレグサ科(←ユリ科)ワスレグサ属、 別名:キスゲ
 
1993年以来23年、毎年咲いているユウスゲ、ブログにも5回目の登場です。
 2009年ユウスゲ、2009年ユウスゲの人工授粉
 2012年ユウスゲ2世、2014年ユウスゲ開花

今年は咲き始めの頃雨が多くまた特に繁忙な時期と重なって良い写真が撮れませんでした。初めの2枚は未公開と思しき過去の写真です。

雨上がりの夕。
夕菅雨060715wb.jpg

3花揃い咲き、左の1輪は昨日の花。
ユウスゲ20140704-4wb.jpg

夕方3時頃から蕾が開き始めます(15時27分)。
ユウスゲ201507040327wb.jpg

せっかくたくさん開花するのにこの日もまた雨(17時16分)。
ユウスゲ雨1wb.jpg

今年は古い親株より2世群の方が元気でした。
ユウスゲ1wb2.jpg

実は今年はユウスゲとの競演を夢見てツキミソウの苗を隣に植えのです。
しかし、残念ながらユウスゲが咲き始めた頃、ツキミソウは咲き終わろうとしていました。
また予想に反してツキミソウは草丈が小さく競演は無理でした。
辛うじてコラボが見られた夜。
白い花がツキミソウ、ピンクの花はヒルザキツキミソウです(6月29日)。
ユウスゲ・ツキミソウ1wb2.jpg

今年特筆すべきはユウスゲに取り付いたアブラムシです。
花茎にびっしりついた白点、ツキミソウには皆無でユウスゲにだけ寄生しています。
アブラムシ多茎wb.jpg

キスゲフクレアブラムシ
 カメムシ目ヨコバイ亜目のアブラムシ科
 学名:Indomegoura indica
 別名:ゴンズイノフクレアブラムシ
 ワスレグサ属の植物の花茎や蕾から吸汁して繁殖する大型アブラムシ。
 大きさ 約4mm。

大小様々、白や黄色の大きなアブラムシが花茎に張り付いています。
これがキスゲフクレアブラムシ。
ワスレグサ属の花期以外はゴンズイやミツバウツギに寄生するそうです。
アブラムシ多数2wb.jpg

蕾が膨らんでくるとその周りにもびっしり付きます。
アブラムシ多数1wb.jpg

小さな若い個体は黄色、間も無く白い粉をまぶした様になります。
アブラムシ蕾3wb.jpg

脱皮したばかりの黄色いキスゲフクレアブラムシ。
大型のものは無翅成虫として寄生した花茎で胎生♀を生んで繁殖するそうです。
アブラムシ脱皮wb.jpg

拡大しました。
後部左右に突出しているのは角状管。ここからは警報フェロモンが出るそうです。
近似のミツバウツギフクレアブラムシはこの管の中央部が膨らんでいることで鑑別されます。
アブラムシ角状管wb.jpg

室内で観察しようと袋に入れて持ち帰りました。
体色は橙赤色。自ら分泌したロウ状物質で覆われて白く見えるのです。
茎の上では動かなかった幼虫が紙の上では勢い良く動き回ります。
アブラムシ3尾wb.jpg

透明の大きな羽を持つ有翅型の成虫が見たかったのですが確認できませんでした。
有翅型はロウ状物質を分泌しないそうです。
この画像の上部の橙赤色のアブラムシの右に翅のようなものが見えます。
ひょっとして有翅型でしょうか?
アブラムシ有翅?wb.jpg

アブラムシの天敵はテントウムシ。
でもこのアブラムシの大群の中で姿を見たのはこのこの2紋のナミテントウ1頭だけでした。
テントウムシwb.jpg

天敵としてはヒラタアブの幼虫も知られています。
夜のユウスゲを見に行った時、小さなガが多数飛んでいました。
たまたま写っていた写真はガの口吻がアブラムシに刺さっているかのようです(?)。
ユウスゲ蛾wb2.jpg

ユウスゲを守るためにキスゲフクレアブラムシを駆除しなければなりません。
右手に古布を持ってこすり落としつつ、左手で開いたポリ袋で受けました。
どうしても一部は落ちますがやむを得ません。
すると翌日、また上の方に群れを成したアブラムシを見つけて唖然としました。
動けないかに見えて、実は達者な脚で落ちた虫たちが移動したのでしょう。
後で調べた駆除法としては牛乳をスプレイで掛けるのがよさそうです。
キスゲフクレアブラムシはユウスゲの他にも諸々のヘメロカリス(ワスレグサ属)に寄生します。


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