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ゼラニウム  [草花(夏秋)]

ゼラニウムは花のない季節にも彩りを添えてくれる頼もしい園芸植物です。
今も北側の通路沿いと南のベランダで一株づつ咲いています。
ゼラニュウム裏庭wb.jpg

こんなにたくさん咲いた年もありました。
ゼラニューム10p-1wb.jpg

世話いらずといっても花殻摘みだけは必要。
久しぶりにカットに行くと何か光るものがありました。
何の綿毛?
よく見ればこのゼラニウムの種子のよう。
果実は昨年記事にしたヒメフウロの果実に似ています。
ゼラニウムは何科?
やはりフウロソウ科(Geraniaceae)、しかし、テンジクアオイ属 (Pelargonium) 。
フウロソウはフウロソウ属 (Geranium)です。
ヒメフウロと同じような果実が出来ても不思議ではないのでしょう。
ゼラニウム花後2wb.jpg

ゼラニウム
 フウロソウ科テンジクアオイ属 の四季咲き園芸種、多年草。
 南アフリカ原産 園芸種が数百品種あるそうです。

まずはゼラニウムの花の造りから見ることにしましょう。
これは以前あった純白の品種。
花の直径は約4cm、5枚の花弁に赤い葯が美しい。
ゼラニュームW1wb.jpg

咲き始めの花には雌しべは見えません。
葯が開いて花粉がいっぱい出ています。雄性先熟。
ゼラニウム雄しべ1wb.jpg

雄しべに囲まれながら中央に雌しべが現れます。
ゼラニウム雄しべ2wb.jpg

その後、葯は脱落し、雌しべが成熟します。
ゼラニウム雌しべ7wb.jpg

雄しべは10本あるようですが、その中に葯のないものもありました。
ゼラニウム雄しべ5wb.jpg

雌しべの先端がカールして下垂。
まずは他家の花粉を求め、のちに自家受粉で補う作戦でしょう。
ゼラニウム雌しべwb.jpg

次に花弁が散り、雌しべと5枚の萼が残ります。
ゼラニュームW3wb.jpg

萼に包まれながら子房が長くなり花柱嘴(かちゅうし)を形成。
ゼラニウム果実1wb.jpg

果実は約3cm、属名Pelargoniumの由来は長く伸びた花柱嘴がこうのとり(pelargo)のくちばしに似ているからと。
ゼラニウ若い果実wb.jpg

花柱嘴が裂け、萼片が開いて種子が出現。花柄がよじれています。
ゼラニウム種子らせんwb.jpg

一つの果実に種子は1〜4個。
綿毛部分の花柄は螺旋状に巻かれます。(↓画像入れ替えました。)
ゼラニウム綿毛4wb2.jpg

3個の綿毛付き種子が踊っているよう。
ゼラニウム綿毛1wb2.jpg

どの花柄も螺旋状に巻き上がっています。(↓画像入れ替えました。)
ゼラニウム綿毛3wb.jpg

輝くような綿毛。
ゼラニウム綿毛2wb3.jpg

よく見ると種子と思った部分は痩果で長さ約6mm。
右にあるのは別の痩果から取り出した種子、長さ約4mm。(↓画像入れ替えました。)
ゼラニウム種子wb.jpg

ヒメフウロではらせん構造を持つ種子が地面に落ちた時、鞭毛をもった虫のように回転しながら痩果が地面に食い込んでいく動画を見たことがあります。
センテッドゼラニウムの綿毛付き痩果も水分を吸って動くようです。
ゼラニウムもそうなるのでしょうか?
ゼラニウム種子4wb.jpg

今まで観察もしなかったゼラニウムを初めて近くで見つめ、また植物の楽しさを知ることになりました。
同時に「ゼラニウム」が大きく4種に分類されることも知りました。
 1)ゼラニウム:一般にゼラニウムと言われるのはここに記したような四季咲き種。
         多くの園芸品種があり花の色・形や葉の形も様々。
 2)ペラルゴニウム:一季咲き(別名:ナツザキテンジクアオイ)。
 3)アイビーゼラニウム:半つる性、つた葉(別名:ツタバゼラニウム)。
 4)センテッド・ゼラニウム:香りがありハーブとして愛好される。
              (別名:においゼラニウム)。

( 追記 )  下から2・4・6枚目の画像を取り替えました(2015.11.23.)。

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アキチョウジとセキヤノアキチョウジ  [草花(秋)]

アキチョウジ
 秋丁字
 シソ科 ヤマハッカ属
 愛知県以西の本州・四国・九州に自生する多年草
 花期:9月~10月
 草丈:約1mくらいまで  

セキヤノアキチョウジについては2010年11月の記事にしました。
しかしアキチョウジとの違いがわかりにくく疑問が残りました。
その後ここ愛知県は東のセキヤノアキチョウジと西のアキチョウジとが重なる地域だと知り、2種を庭に植えて比較することにしました。
昨年アキチョウジの苗を入手、セキヤノアキチョウジに比べて成育が思わしくありませんが今年は両者の違いを確認することにします。

青紫色の長い花冠はセキヤノアキチョウジとそっくりです。
花冠の大きさも同じく約2cm。
アキチョウジ正面wb.jpg

アキチョウジの最もわかりやすい特徴は、花柄が短く1cm未満であることです。
花柄の分岐も少なく、花はしばしば並んで密集して咲いています。
葉はセキヤノアキチョウジと同じく対生。
アキチョウジ2014花柄3wb.jpg

セキヤノアキチョウジとの二つ目の鑑別点は萼片の形です。
アキチョウジの萼片はセキヤノアキチョウジのようには尖らず、切れ込みが浅い。
アキチョウジ花柄3wb2.jpg

花冠はセキヤノアキチョウジと同じく上唇4裂、下唇は浅く2裂して舟形に突出。
雄しべの葯が4つ、にこやかに覗いています。
アキチョウジ雄しべ4wb.jpg

日陰の株は淡い桃青色でした。
花冠には柔らかい細毛がびっしり生えています。
アキチョウジ毛wb.jpg

花冠が落ちて萼が露出すると萼片の形がよくわかります。
上部の3裂片の先は尖らず、切れ込みが浅い。下部は四角に見えます。
アキチョウジ花後wb.jpg

三つ目の違いは花柄に密生する細毛があることです。
そのため短い花柄はセキヤノアキチョウジよりやや白っぽく、いくらか太く感じます。
アキチョウジ花柄の毛3wb.jpg

種子は4個づつ出来る(4分果)はずですが、植えて2年目のせいか、今年は多くて3個でした。
アキチョウジ果実2wb.jpg

平開気味だった萼が筒状になって種子を守ります。
アキチョウジ果実3wb.jpg


セキヤノアキチョウジ
比較のためセキヤノアキチョウジの画像も並べます。
3株3カ所に植えたセキヤノアキチョウジは日当たりの良い順に咲き、最後の1株は11月になってもまだ咲いています。
セキヤノアキチョウジ20151029-1wb.jpg

植えてから10年ほどになり、日陰のせいか1mを越す茎もあります。
しな垂れやすく、倒れかかって風に揺れています。
セキヤノアキチョウジ乱れ咲きwb2.jpg

途中で茎が折れると分枝がたくさん出て房状に咲くこともあります。
アキチョウジ20111108wb.jpg

花の大きさはアキチョウジと同じく2cmくらい。
葯が4個と雌しべ1本が覗いています。
花冠にはアキチョウジと同じく細毛が密生。
セキヤノアキチョウジ雄しべ4wb.jpg

零れ種から自生した2世。草丈20cm弱ですが花が咲きました。
アキチョウジと異なり、下段の花柄は1cm以上あります。
セキヤノアキチョウジ2015wb.jpg

一般には花柄は分岐が多く、細く褐色を帯びて1〜3cmあります。
5裂した萼片の先端はアキチョウジより尖っています。
セキヤノアキチョウジ花と萼2wb.jpg

花冠が落ちると中心部に種子4個が辛うじて見えます(4分果)。
セキヤノアキチョウジ花後wb.jpg

花柄を接写してもアキチョウジにあったような細毛は目立ちません。
セキヤノアキチョウジ花柄の毛3wb.jpg

早く咲いた株ではすでに種子が褐色になってこぼれ落ちつつあります。
今のところアキチョウジより結実しやすく、ここでは4個がづつ揃って実っています。
セキヤノアキチョウジ果実5wb.jpg

種子は直径約1mm。白く見えるのはエライオソームでしょうか?
アキチョウジ種子3wb.jpg

花だけ見ると同じに見えるセキヤノアキチョウジとアキチョウジ。
こうして比べてみるとどこが異なるのか、納得できました。
アキチョウジは今はまだ30cmくらいしかありませんが、成長が楽しみです。
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アケビコノハの蛹と成虫 [昆虫]

アケビコノハの成虫
  通草木葉蛾 チョウ目ヤガ科の昆虫
  学名: Eudocima tyrannus
  開帳:9〜10cm

9月の記事にしたアケビコノハの幼虫は10月初旬には見えなくなりました。
どこかで蛹になっているはずと思って見ると、アケビの葉が枯葉と絡まっているような所がありました。
何気なく触れると葉の塊がバタバターっと暴れてびっくり仰天。
多分アケビコノハが前蛹の状態で入っているのでしょう。
その目で見ると怪しい箇所がいくつか見つかりました。そっと触れても動かない。
成虫を一目見たくて蛹を小枝ごと切って羽化を観察することにしました。
アケビコノハ蛹20150927wb.jpg

こちらは、隙間から覗くと大きな目玉模様!
まだ繭未完成の生々しい前蛹でした!
アケビコノハ前蛹20150927wb.jpg

こちらは枯葉を横に巻いています。
アケビコノハ蛹2wb.jpg

縦二つ折り。枯葉の方に繭がありそうです。
アケビコノハ蛹4wb.jpg

隣にあるツタの葉のおくるみ。
手に乗せれば葉1枚とは思えぬ重さを感じます。
アケビコノハ蛹1wb.jpg

採取した葉を1枚の紙の上に集めてステンドグラスのハウスを被せました。
これは6年前ルリタテハの幼虫の飼育に用いたものです。
今後はもう何も食べないからただ羽化を待つのみ。

10月16日、成虫1頭目を発見。このハウスの右上の黒い影です!
後のガラスの汚れは羽化後に成虫が排泄した液。
アケビコノハの家1wb.jpg

本当に1枚の枯葉のよう、見事な擬態です。
このままじっと動きません(下が頭部)。
アケビコノハ羽化直後wb.jpg

空になった蛹を探し出しました。
葉の隙間をこじ開けると、強い繊維に包まれた黒褐色の蛹の殻が出てきました。
自ら糸を吐き出して繭を作っていたのです。
アケビコノハ蛹網wb.jpg

その後羽化した蛹。
この個体では繊維が少なく蛹がきれいに取り出せました。
しかし尾部は葉にしっかり固定されていて外せません。
アケビコノハ蛹固着wb.jpg

こちらはツタの葉を左右からくるりと巻いて固定しただけ。
蛹は頭部がポコッと開いて出たようです。
どれも尾部は葉に固く結ばれています。
アケビコノハ蛹開くwb.jpg

このハウスから1週間に5頭のアケビコノハが羽化しました。
羽化は全て夜間に行われ、翌朝、静止した成虫を見ることになりました。
この個体の場合は夕食前には何事もなかったのに、日付が変わった頃にはすでに羽化完了。
ストロボに照らされて目が赤く光っています。
アケビコノハ羽化夜wb.jpg

夜行性のためか、翌日は昼になっても自ら羽ばたくこともなく、じっとしています。
このアケビコノハは1組の脚でぶら下がっているようです。
ひょっとして脚が隙間に入って死んでしまったのでしょうか?
アケビコノハ死?1wb.jpg

脚を外して救出しようとして翅に触れるとぽとりと落ちました。
触覚も収められ、木の葉のごとく動きません。やはり死んでしまったのでしょうか?
アケビコノハ死?5wb.jpg

追記:
下顎部に突き出しているのは下唇鬚(かしんしゅ)またはパルピと呼ばれ、口吻を保護する器官です。これで果実などに差し込んで吸汁する口吻を守っているのでしょう。
パルピはテングチョウにもありました。
アケビコノハ眼・パルピwb.jpg

ところが、紙ですくって外へ出そうとしたその瞬間、ぱっとオレンジ色が見えました。
一気に起き上がって、居間のガラス戸の最上部まで飛んで行ってしまったのです。
木の葉のように見せる擬態は死んだふり(擬死)もあったのですね。
そのあと羽化した個体で試しましたが、死んだふりをしたのは合わせて2頭、残り3頭は触れるとバタバタと暴れました。
アケビコノハ1やや開く2wb.jpg

ハウスの出口がわかると光を感知するのか、ガラス戸に直進しでバタバタと翅を開閉させますが、すぐに木の葉になって動かなくなります。
辛うじて撮れた半開帳の姿。
前翅には緑色の葉脈模様が浮き出ています。
後翅の鮮やかなオレンジ色がのぞき、ここにも黒い目玉模様がありました。
アケビコノハ半開帳3wb.jpg

1頭はわずかに開いているガラス戸の隙間からまっしぐらに飛び立ってしまいました。
幸いにも低い位置に静止してくれた個体だけはカメラに収まりました。
翅の色には個体差があります。
これは最も濃い例で黒紫。前翅長 約5cm。
アケビコノハ成虫1-2wb.jpg

この個体の前翅はやや明るい灰褐色、頭部は褐色。
アケビコノハ成虫1-3wb.jpg

脚の腿節や触覚の基部に小白点が見えます。
アケビコノハ成虫1-6wb.jpg

真上から見ると意外にスリム。
アケビコノハ成虫1-8wb.jpg

裏翅が見えるのは飛翔のほんの一瞬。
ステンドガラス越しでボケボケですが、翅の裏側は全てオレンジ色で大胆な黒色模様がありました。
これはハウスから出ようと羽ばたいたところです。
アケビコノ飛翔2wb.jpg

普通は見えない腹側が撮れました。
頭部中央はパルピで、下部の裂け目から口吻が出るそうです。
「早くここから出して」と恨めしそうに見えます。
アケビコノハ2裏2wb.jpg

「はい、どうぞ」。
ハウスを出て飛翔、高く飛んで欄間の方で羽ばたいたとき、偶然、ガラスが鏡のようになって鏡像が撮れました。
アケビコノハ裏翅1wb.jpg

しかし、ほとんどの写真はこのようにピンボケ。
オレンジ色がかろうじて写るのみでした。
アケビコノ飛翔6wb.jpg

ガラス戸の隙間を見つけて、あっけなく空に消えました。
アケビコノハは桃などの果実に被害をもたらす害虫ですが、このあたりには果樹園はなく、この庭のアケビについたのも初めてでしたからそのまま放ちました。
アケビコノ飛翔8wb.jpg

アケビコノハの幼虫を見つけてから成虫を見送るまで、約1ヶ月間のお付き合いでした。
いろんな姿を見せてくれてありがとう!
きれいな写真が撮れなくて残念ですが、おおよそわかったつもりでさようなら。

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