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スズメバチ [昆虫]

スズメバチ
 雀蜂 ハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科(Vespinae)に属するものの総称。

日本のスズメバチ亜科は次のの3属に分類されます。
  スズメバチ属、クロスズメバチ属、ホオナガスズメバチ属
このうち本州に生息するスズメバチ属は次の6種です。
  オオスズメバチ, キイロスズメバチ, コガタスズメバチ,
  ヒメスズメバチ, モンスズメバチ, チャイロスズメバチ。

毎年、7月と12月に大きな庭木の剪定をプロに頼んでいます。
今年は3メートルを超えるボウガシの剪定の際、スズメバチの巣が見つかりました。
庭師さんに呼ばれて行った時にはもう処理が終わっていました。
こんなに細い枝に巣が造られていたのです。
すでに巣の一部を壊して殺虫スプレーが撒かれた後で、成虫は1匹もいません。
スズメバチ巣アート4wb.jpg

しかし、まだ巣の中はそっくり残っていました。
巣の形はコガタスズメバチまたはキイロスズメバチの巣のようです。
コガタスズメバチの巣は初めはとっくり型ですが、7月になるととっくりの先の部分がなくなり、キイロスズメバチの巣と見分けがつきにくくなるそうです。
スズメバチ巣全1wb.jpg

巣は約10x12cm。
6角形の育房が整然と並んで巣盤を形成します。
育房の中には卵・幼虫・蛹が1つづつ入っています。
左下方に見えるのは新たに出来つつある巣盤。4〜5段まで造られることもあるそうです。
この巣は何段だったか、壊して確認すればよかったのですがこのまま処分してしまい残念です。
スズメバチ巣全2wb.jpg

最も外側に卵、次に幼虫そして蛹。
殺虫剤が効いたらしく幼虫ももう動きません。
スズメバチ幼虫0wb1.jpg

綿帽子のような蛹の殻を6個、ピンセットで剥ぎ取りました。
殻は薄くても手作り和紙のように強靭です。
スズメバチ殻wb.jpg

すでに顔の造りが出来かかっているものもあります。
穴の開いたところは羽化して飛び立った跡。
次にの黒っぽい殻を2個破りました。
スズメバチ幼虫2wb←.jpg


羽化直前だったのでしょう、顔もすでにオレンジ色を帯びています。
スズメバチ顔wb.jpg

これは3年前に庭のイチジクに来たスズメバチです。
こわごわ接写しました。
両脇の黒い勾玉様の部分が複眼、額中央の黒点部が単眼。
スズメバチ2013-1wb.jpg

同定できないでしょうか。
上記スズメバチ属6種のうち、尾部が黄色なのはコガタスズメバチとオオスズメバチです。
また、オオスズメバチは上から2本目の縞模様が細いそうですがこれは太い。
触覚の下にある中央の頭楯(とうじゅん)の形でも両者を鑑別できるようですが、上の画像では確定できません。
オオスズメバチは攻撃性大、コガタスズメバチは最も攻撃性が少ないといわれます。
多分これはコガタスズメバチでしょう。
スズメバチ2013-3wb.jpg

感心するのはこの巣の美しさです。
一般にコガタスズメバチの巣の方がキイロスズメバチの巣より濃色だそうです。
この巣もやはりコガタスズメバチの巣かもしれません。
スズメバチ巣アート1wb.jpg

モダンアートの大家の作品といっても通る様なすばらしい造形美です。
スズメバチ巣アート3wb.jpg

複雑な色と縞模様にただただ感嘆!
「スズメバチ」の由来は雀の様に大きい蜂とか、巣の模様が雀の羽の模様に似ているからとも言われています。
スズメバチ巣アート2wb2.jpg

比較のためにアシナガバチの写真を追加します。
やはりアシナガバチにも種類があって、これはセグロアシナガバチのようです。
アシナガバチwb1.jpg

アシナガバチの巣は素朴です。
これはまだ小さな巣、上部の育房の中に卵が1個、見えます。
蜂の巣2012-1wb.jpg

大きなアシナガバチの巣。
中は空っぽの古い巣でした。
蜂の巣09-1wb.jpg

この庭にスズメバチの巣があるとは思ってもみませんでした。
しかし、これを機にスズメバチのことを調べると一般にスズメバチと言われているものに6種あり、それぞれ巣の形や場所、性質や捕獲方法なども異なることを知りました。
最も凶暴なのはオオスズメバチ、次がキイロスズメバチ。
オオスズメバチは主に土の中に大きな巣を作り、近寄ると攻撃してくるそうです。
コガタスズメバチやヒメスズメバチは攻撃性弱く、巣の場所によっては駆除しなくてもいいようです。
アシナガバチはヒトが攻撃しなければ刺しませんし、毛虫を退治してくれる益虫とも言えます。
でもこの日庭師さんが一人、剪定中にアシナガバチに刺されました。
私も病葉を取ろうとした時、アシナガバチに刺されたことがあります。
スズメバチやアシナガバチと共存すべきか否か、なかなか悩ましい問題です。
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フシグロセンノウ  [草花(夏)]

フシグロセンノウ
  節黒仙翁  ナデシコ科マンテマ属(←センノウ属)の多年草
  学名:Lychnis miqueliana Rohrb.
  花期:7〜8月(当地)
  分布:本州・四国・九州の山地の林下など(日本の固有種)
  高さ:数十センチ

広葉樹の下の半日陰の庭。
タカサゴユリと白花のユーパトリウムとの間に橙色の花が見えます。
フシグロセンノウ全3wb.jpg

これがフシグロセンノウです。
フシグロセンノウ全1wb.jpg

今年の一番花。
野草らしからぬ鮮やかな朱赤色の花は1輪でも人目を引きます。
そのため各地で絶滅が危ぶまれているのです。
フシグロセンノウ2016-1wb.jpg

咲いたばかりの花。花弁は5枚。直径約5cm。
中心に5個の紫色の葯が見えます。まだ花粉は出ていません。
(これから花の経過を追いますが、以下は同じ花ではありません。)
フシグロセンノウ雄しべ1-3wb.jpg

葯が開いて花粉が出ています。
フシグロセンノウ雄しべ1-2wb2.jpg

はじめに出た雄しべが役目を終える頃、さらに5個の葯が現れます。
その周りの濃い朱赤色をしたものは鱗片と呼ばれ、花弁の基部に2個ずつあります。
フシグロセンノウ雄しべ次wb.jpg

この花では雄しべが10本のように見えますが、外側5本の葯は花粉を出しつつ花糸が伸びて退縮中。
遅れて出た内側の5個の葯は花粉真っ盛りです。
フシグロセンノウ雄しべ2wb3.jpg

この花では初めの雄しべは花糸を長く伸ばして後退。
フシグロセンノウ雄しべ200907wb1.jpg

二度目の雄しべが出揃った後、おもむろに雌しべが現れます。
雄性先熟ですね。
フシグロセンノウ雌しべ1-2wb2.jpg

雌しべの花柱は5本、先端の曲がっているところが柱頭です。
雄しべ計10本が鱗片の後ろに倒れた頃、花柱が伸び、柱頭が熟して他花からの花粉を待つのでしょう。
フシグロセンノウ雌しべ3wb.jpg

接写すると柱頭はやや彎曲し白く輝いていました。
この状態では花粉が付いているようには見えません。
人工授粉してみましょう。
小筆に他花の花粉を付けてから、この柱頭を撫でました。
フシグロセンノウ柱頭-1wb.jpg

その後接写すると柱頭は薄い紫色を帯びて見えますが、花粉までは見分けられません。
フシグロセンノウ柱頭3wb.jpg

柱頭を1個採って顕微鏡で見ると、円い花粉10余個が突起の間に付着していることを確認できました。
フシグロセンノウ柱頭顕wb2.jpg

開花直前の蕾、萼は約3 cm、先端が5裂しています。
フシグロセンノウ蕾1wb.jpg

花は3つ並んで咲くことが多い。
フシグロセンノウ萼wb.jpg

フシグロセンノウとは節黒仙翁、節が黒いことから、また「仙翁」は京都嵯峨の仙翁寺にちなむ花からの命名のようです。
本当に節が黒いかどうか、確認します。
上の方の葉は小さく長さ2cmほどで対生、節は確かにやや黒ずんでいました。
フシグロセンノウ葉小wb.jpg

葉は下部にいくほど大きく卵形になります。
しかし節の色はあまり目立たないこともありました。
フシグロセンノウ葉大小wb.jpg

この節は膨れて暗紫褐色に染まっています。
茎や葉に白い軟毛が生えているのもみえます。
フシグロセンノウ節4wb.jpg

さらに下の方では葉が大きくなり、長さ10cmほどの長楕円状披針形。
フシグロセンノウ茎と葉wb.jpg

そのまた下に明らかに「節黒」といえる節がありました。
左の節は特に色濃く、紫黒色です。
フシグロセンノウ節3wb.jpg

庭にはナミアゲハなどの蝶は時々見かけますが、フシグロセンノウを訪れた昆虫は確認できませんでした。
そのためか、結実は少なく、ほとんどの花が脱落していきます。
ここでは6花中1花だけ子房が膨らんでいます。
フシグロセンノウ果実1wb.jpg

このところ当地は37℃に達する猛暑が続いています。
昨日は外出したため、今朝見に行くと葉の一部が萎れ、まだ咲いているはずの花が既に閉じていました。
すぐたっぷり散水したところ葉は元気になりましたが、このまま実が熟すかどうか心配です。
盗掘のみでなく結実率の低さや温暖化もフシグロセンノウの絶滅に関与しているのかもしれません。

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