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メガネツユクサ [草花(夏秋)]

メガネツユクサ
 ツユクサ科ケツユクサCommelina communis L. f. ciliata Pennellの園芸品種
 別名:フクリンツユクサ

3年前Tさんから頂いたメガネツユクサの苗をオオバボダイジュの下に植えました。
1年草のため種がこぼれてそその後毎年周囲に生えてくるのですが、葉が虫に食べられ写真を撮る気になれません。
でも今年は北側の窓の下に偶々自生、こちらは虫も少なくのびのびと育ちました。
メガネツユクサ全0913wb.jpg

隣に毎年出てくるツユクサと並ばせました。
花の印象はメガネツユクサはふくよかで円く、ツユクサは面長でやや小さい。 
ここのメガネツユクサの花の巾は25mm前後、ツユクサは18mm前後。
メガネツユクサ花弁比較2wb.jpg

花弁は3枚。
2枚の大きい花弁は各々巾15mm弱、中は水色、周辺は白色の覆輪。
3枚目の白い小さい花弁は雄しべの下にあって目立ちません。
その後に半透明の萼片が2枚、萼片はもう1枚、後にあります。
メガネツユクサ0917-3L3wb.jpg

ツユクサの特徴は華やかな雄しべですが、メガネツユクサも同じようです。
雄しべには3種類あります。
1段目 X字形( π 字形 ) 3個 花粉 ± メガネツユクサではキノコ形  仮雄しべ
2段目 Y字形(逆V字形) 1個 花粉++   メガネツユクサでは「人」字形の雄しべ
3段目 O字形 (楕円形) 2 個 花粉+++  主たる雄しべ  

ツユクサのY字形とO字形の雄しべの花粉からは果実が出来ますが、X字形雄しべの花粉は不稔性だそうです。Y字形雄しべはかっては仮雄しべかと思われていたのですが、なかなかさんの実験により正常な雄しべであることが確認されました( ※1  )。
メガネツユクサではX字形雄しべはキノコ形をしていて、肉眼では花粉は認められませんが、Y字形雄しべからはかなり花粉が出ています。
O字形雄しべはツユクサのようにすぐ褐色にならずより美しい。
メガネツユクサ雄しべ3L種wb3.jpg

メガネツユクサの雌しべはたいていX字形雄しべの陰になってよく見えません。
この画像では円い子房と長い花柱がよく見えます。
メガネツユクサ2013雌しべwb.jpg

後姿もまた美しい。
花弁の間に小さい萼片がかすかに見えます。
メガネツユクサ後姿wb.jpg

大きな苞には白い毛がたくさん生えています。これはツユクサにはありません。
花の色が白っぽい。
メガネツユクサ苞毛3wb.jpg

もっと白い花が咲きました。よく見ると真ん中にうっすらと青い色が残っています。
白花ツユクサでは純白の花が咲くそうです( ※2 )。
メガネツユクサ白花3wb3.jpg

今年の楽しみは一つの苞に二つ咲く花。これが2〜3組、見つかる日もあります。
メガネツユクサ2花3wb4.jpg

苞を折り曲げてみると中に2本の軸がありました。
右は直立する主軸で1花、左は斜めに向かう側枝で花が1つと蕾が一つ。
メガネツユクサ2花4wb.jpg

ツユクサでも同じような咲き方をすることがあります。
主軸には花がつかないこともあり、ついても雌しべが不完全な雄花のことが多いそうです。
しかしもっと早い季節には主軸にも両性花が見られ、結実も観察されています( ※3 )。
これら3枚の1苞2花の画像の上の花には正常の雌しべは認められません。
11メガネツユクサ2花8wb2.jpg

重なると後姿もより華やかです。
12メガネツユクサ2段後1wb2.jpg

右が主軸で直立して1個の花をつけるものと、花をつけないものがあります。
左は側枝で斜めに伸びて2〜3個の蕾をつけます。
この二つの蕾は同じ日に咲きそうですね。
メガネツユクサ蕾2花内部wb.jpg

昆虫がやってきました。
まずは明るい黄色が目立つX字形雄しべへ。
メガネツユクサ虫2wb2.jpg

何と、このハナバチは2つのO字形雄しべを丸抱え!
想定ではY字形雄しべの花粉を食べながら、尾部にO字形雄しべの花粉をつけるはずだったのです。
でも全身に花粉が付いていますから花粉運搬には役立つのでしょう。
メガネツユクサ花蜂6wb.jpg

花は午前中でほとんど閉じます(半日花)。
12時すぎには花弁に黒いシミが入り、しべを包むように閉じてきます。
メガネツユクサ昼2wb.jpg

しべの方も花糸や花柱をくるりと巻き上げて花弁に包まれながら苞の中に納まります。
メガネツユクサ閉花1wb.jpg

大きな果実が二つ並んでいます。
蕾は4〜5個できても苞におさまる果実は2個が多いようです。
ツユクサは先ず蕾の中で自家受粉、さらに昆虫による他家受粉と花糸の巻き上げによる自家受粉により多くの種子を作ります( ※4 )。
メガネツユクサも同様でしょうか? 蕾の中で自家受粉については確認していません。
メガネツユクサ果実1wb.jpg

右がメガネツユクサ、左がツユクサの果実です。
苞はメガネツユクサのは円く、ツユクサでは先端がやや尖っています。
共に主軸には実が付かず、側枝に2個づつ俵型の実ができています。
花はメガネツユクサの方が大きかったのですが、実はほとんど変わりません。
メガネツユクサ果実3-0.48.11wb.jpg

苞が褐色になり、中の種子が黒く乾燥して完熟です。
種子は1個の俵型果実の中に上下2個づつ、合わせて4個出来ます。
メガネツユクサ果実2015wb.jpg

追加:葉は互生、披針形で、基部は鞘となって茎を取り巻いています。
鞘にも毛があります。
メガネツユクサ茎葉wb.jpg

ツユクサについては多くの観察・研究がなされ、大変難しい植物として敬遠してきました。
でも今年はメガネツユクサが虫に食べられずに育ち、1つの苞に2花並んで咲く姿が多く見られたためブログに載せたくなりました。
この際また、なかなかさんの「花*花・Flora」の「ツユクサについて」 を参考にさせていただきました。( ※ )では参考ページをリンクしました。
  "http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/tuyu-kusa-top.htm"
なかなかさんによればメガネツユクサの染色体数は関東地方以北に分布しているケツユクサと同じく 2n=48 のようです。( ※5 )

誤りが有りましたらどうぞお教えいただけますようお願いします。
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白絹病  [庭便り(夏)]

白絹病 

ここ2〜3年ユーパトリウム・フジバカマ・シュウメイギクなどがところどころ枯れます。
抜去すると白い糸くずのようなものが見えました。
白絹病では?と思いながらも抜いただけで放置。
ところが今夏はクリスマスローズ・ホトトギス・ホタルブクロ・ワレモコウにも感染?
そしてさらに菜園のトウガラシにまで波及しました。

一番驚いたのはこのフジバカマです。
大半の葉が枯れていました(左上と右下はシュウメイギク)。
白絹病フジバカマ葉wb.jpg

その株元を見ると褐色の粒々! 
さらにその周りから敷石に向かって白く輝くものは何?
白絹病フジバカマ菌塊4wb.jpg

拡大します。
まるで粒状肥料を撒いたようです。
その周りに白い羽のようなものが放射状に広がっています。
白絹病フジバカマ菌塊4wb2.jpg

枯れ葉を除けると茎の根元にも白色や褐色の粒子がいっぱい!
その間には細くて白い糸のようなものが這っています。
ひょっとしてこれも白絹病?
急いで「白絹病」を検索、まさしくこれと確認しました。
白絹病フジバカマ菌塊2wb.jpg

まだ枯れていない株元にも白い繊維が絡まっています。
これが「菌糸」です。
白色または褐色の粒子は「菌核」でした。
白絹病フジバカマ菌塊1wb.jpg

病変は地際部に顕著であまり深くへは及んでいません。
光沢のある白い絹糸のような菌糸。
まずは葉が枯れた株を抜去しました。
白絹病フジバカマ5wb.jpg

茎の下部から根元にかけて菌糸が膜状に覆っています。
白絹病フジバカマ菌糸4wb.jpg

まるでソックスを履いたように限局。
菌糸は光沢があって写真がどれもボケてしまいました。
白絹病フジバカマ菌糸5wb.jpg

根元はほとんど白い菌糸に包まれています。
白絹病フジバカマ根末期wb.jpg

枯死寸前にも生き残ろうと新芽を伸ばす生命力!
白絹病根wb.jpg

今年は辛くないトウガラシ「万願寺」を3本植えました。
食べきれないほど豊作だったのに、一番大きい株が枯れ、左の株も萎れ始めました。
白絹病万願寺4wb.jpg

根元の藁や葉を除去してみるとやはり白色や褐色の菌核が現れました。
野菜にも白絹病が広がったのです!
白絹病の病原菌はきわめて多犯性で 55科160余種の植物に寄生するそうです。
野菜ではトマト・ナス・キュウリ・スイカ・トウガラシ・ダイコン・ネギ・ニンジン・インゲン・ダイズ・サトイモ・ジャガイモ・フキなど。
白絹病万願寺2wb.jpg

ユーパトリウムの枯れた茎を抜くとやはり根元は真っ白でした。
しかしまだ菌核は形成されていません。
白絹病ユーパトリウム1wb.jpg

茎の最下部が白変しています。
ユーパトリウムもフジバカマと同じくキク科ヒヨドリバナ属。
好発するのはキク・クレマチス・ミヤコワスレ・アルストロメリア・ガーベラ・ボタン・シャクヤク・パンジー・チューリップ・アイリス・ユリ・バラ・ギボウシ・ジンチョウゲなどと。
白絹病ユーパトリウム2wb.jpg

菌糸を顕微鏡で見てみました。
確かに糸状菌です。
検索すると病原菌は Sclerotium rolfsii という土壌生息菌。
菌糸から菌核を形成し土中で越冬、翌年発芽して菌糸を伸長させ植物に寄生するのです。
菌核は1〜2mmの球形。初め白色、次第に淡褐色から濃褐色へと変化します。
菌の最適生育温度:32〜33℃。至適pH :5.9。
白絹病菌糸顕15-1wb.jpg

かくして今年はフジバカマを殆ど抜き捨てました。
フジバカマは万葉の時代から日本で親しまれてきた花ですが、自生種は絶滅が危ぶまれるほど稀少となり、近年「フジバカマ」の名で市販されているものの多くは、フジバカマとサワヒヨドリの雑種(サワフジバカマ)だそうです。
この庭ではアズレアとの共演も良い雰囲気でした。
フジバカマ・アズレアwb2.jpg

2007年の秋、このフジバカマにアサギマダラが舞い降りてくれました。
こんなことは一生に一度の幸運と思いながらも、今一度の夢を残してフジバカマを育てていたのです。
アサギマダラ2wb1.jpg

今年の猛暑はこの庭の白絹病を一気に増悪させてしまったようです。
とにかく病変のある株は抜き、菌核や菌糸は可能な限り掬い取りました。
菌核は古くなると濃褐色になって土と見分けがつかなくなってしまうそうです。

除菌にはどうすればいいのでしょうか? 検索してみました。
 1)深く掘って上層部の土と入れ替える(天地返し)。
 2)暑い日に黒いビニールで覆って高温にする。
 3)薬品を用いる(フルトラニルなど)。
 4)石灰を撒く(土をアルカリ性にする)。
まずは3)のフルトラニル製剤を蒔きました。効果があるといいのですが...........。
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ヒメイワダレソウ [草花(夏)]

ヒメイワダレソウ
クマツヅラ科イワダレソウ属の多年草
学名:Lippia canescens
別名:リッピア
原産地:南アメリカのペルー(日本には昭和初期に導入)
花期:5〜10月

庭のヒメイワダレソウ、この花を初めて植えたのは12年前でした。
園芸店で苗を見つけ、駐車場周辺のグランドカバー用に購入したのです。
冬期葉は枯れますが丈夫な茎が残り、春には緑の葉が蘇って5月頃より花が咲きます。
ヒメイワダレソウ060821wb.jpg

6月、最盛期の花。
淡いピンクの花が溢れんばかりに咲きました。
雑草が生える隙間も残さぬ地披植物、その上花も美しく満足でした。
ヒメイワダレソウ全面wb.jpg

その年増設した駐車場の周囲には雑草がたくさん生えそうでした。
そのためグランドカバープランツを植えて草取りを減らしたかったのです。
踏まれても大丈夫でないと困ります。
初めに植えた「玉竜」は日が当たり過ぎたのか枯れました。
奥に植えたコバノランタナもクマツヅラ科、これはシチヘンゲ属で花も葉も一回り大きい。
その周りにもヒメイワダレソウがびっしり茂り、文字通り土が見えなくなりました。
コバノランタナwb2.jpg

ところが、その後ヒメイワダレソウは花壇や家庭菜園にも侵入してきたのです。
右側の通路(トレニアの右)のヒメイワダレソウは踏まれて葉も小さい。
しかし土が柔かく肥料分のある畑の葉は大きく艶も良く、菜っ葉は負けそうです。
イワダレソウ05.10.−2wb.jpg

黄色の花はこぼれ種で自生したメランポジウム、これまたたくましい園芸種です。
前の緑のふわふわはアスパラガスの苗。
それらをも覆い尽くしそうなヒメイワダレソウの勢い!
家庭菜園を保つためにはヒメイワダレソウを撤去せざるを得ません。
イワダレソウ一面060831wb.jpg

一方、最も茂らせたかった駐車スペースでは逆にイネ科の雑草に負けました。
ここは水はけが悪いため、ヒメイワダレソウが育ちにくいのかもしれません。
ヒメイワダレソウ鬩ぎ合いwb.jpg

ヒメイワダレソウの花にはミツバチやチョウが頻繁に訪れています。
ミツバチと花wb.jpg

このセイヨウミツバチは花の中央に口吻を差し込んでいます。
私も花冠をつまんで抜き、下端を舐めてみました。
かすかに甘い。やはり蜜があるようです。
ミツバチ口吻wb.jpg

穂状花序の直径は1cm強。下から順に唇形花が開いて周辺に並びます。
花冠中央に黄色の斑紋(蜜票)があり、雄しべが2つ覗いています。
花弁・雄しべ3wb.jpg

後姿もなかなか美しい。
苞wb.jpg

葉は対生し、やや厚目、粗い鋸歯があります。
葉は長くても2cm弱。
花と葉wb.jpg

葉腋から長い柄のある穂状花序が立ち上がります。
一方、下へは葉腋ごとに不定根を出して匍匐増殖。
切り刻んでばらまいても増えるわけです。
根1wb.jpg

一般にヒメイワダレソウは不捻性と言われていますが、種子を作る場合もあるようです。
枯れて褐色になった花冠を引き抜いてみました。
数個は子房が膨らんでいるように見えますが?
若い種子wb.jpg

黒褐色になった穂の花がらをバラバラにしてみました。
この中に稔性のある種子があるのかどうか?
この花はポット苗やマットで販売され、種子としては流通していないようです。
種子wb.jpg

この10年、増えすぎたヒメイワダレソウはこの庭の畑や花壇から抜去してきました。
しかし、さすがに強い!
縁石を乗り越え、アスファルトの上を這ってマット状に広がっていくのです。
ヒメイワダレソウ伸展wb.jpg

長く横に這う枝は太くなるとロープのように強く、つまずいて転びそうになります。
温暖な地方では常緑のようですが、当地では冬は枯れますから花が終わるとカットして捨てます。
それでも春にはいつの間にか芽生えて再生。
ヒメイワダレソウ伸展3wb.jpg

美しい花を咲かせるグランドカバープランツ。
魅惑的なことばに飛びつきましたが、この庭では使いこなせませんでした。
法面の緑化・建物緑化・芝生の代用などにも利用が考えられたようですが結果はどうでしょうか?
なお、平成27年3月、環境省生態系被害防止外来種リスト(緊急対策外来種ではなく重点対策外来種として)に追加指定されたようです。
これを改善して種子を作らない「クラピア」という品種が作られ販売されています。
芝生の代わりに植えて柔らかく美しいグリーンを楽しまれている方の記事も読みました。
やはり従来のヒメイワダレソウの種子の発芽率が気になります。
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