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ツルヤブコウジ [花木(冬)]

ツルヤブコウジ
   サクラソウ科ヤブコウジ属(←ヤブコウジ科)の常緑小低木

軒下の一隅に拡がったジュズサンゴがまだ少しばかり赤い実を残したまま紅葉しています。
その陰に大きな真っ赤な実を発見!
ジュズサンゴや落ち葉を除けると赤い実がここにもここにもと現れました。
ツルコウジ1wb.jpg

2010年の晩秋、アイビーを撤去した軒下に園芸店で購入した苗を植えました。
年末には艶やかな葉と真紅の実が楽しめました。
しかし、この植物のラベルが見当たりません。
ヤブコウジ(Ardisia japonica )の園芸種?
ツルコウジ20101231wb2.jpg

その後は隣に植えたジュズサンゴの陰になって目立たぬ存在になっていました。
今期、久方ぶりに見る葉は6年前とは異なり黄色っぽく一部では紅葉も見られます。
紅い実も房状にはならず、1〜2個づつぶら下がっています。
しかし、消え入りそうなヤブコウジとは異なり、逞ましい印象です。
ツルコウジ2wb.jpg

葉には大きな鋸歯があり、葉の幅が広い。茎は直立せず横に這っています。
ヤブコウジの鋸歯はもっと細かく、葉は細長い。
検索すると近縁種「ツルコウジ(Ardisia pusilla )」が見つかりました。
しかし、山地に自生するというツルコウジの画像を見るともっと華奢な感じです。
一体、これは何者でしょう?
ツルコウジ3wb2.jpg

果実の直径は7〜9mm。ネット検索するとツルコウジは5〜8mmです。
ツルコウジ2015wb2.jpg

5裂した萼が残っています。
ツルコウジ実2萼wb.jpg
さらに検索すると「ツルヤブコウジ」・「中国ツルヤブコウジ」が見つかりました。
ヤブコウジやツルコウジのように在来種ではなく、中国原産。
まさしくこれです!やっと納得できました!

花は2014年6月に撮っていました。
花冠にはそばかすのような褐色の斑点があり、5裂して先端は後ろへ反り返っています。
茎には細毛がびっしり。
茎の細毛はヤブコウジにはなく、ツルコウジにはあります。
ツルコウジ花5wb.jpg

花の裏側。
淡いピンクに染まった5裂の萼が美しい。
ツルコウジ2140615-1wb.jpg

蕾にもそばかすがいっぱい!
ツルコウジ花1wb.jpg

画像を拡大すると中心に雌しべ、その周りを取り囲む尖った葯(雄しべ)が5枚。
属名Ardisia はギリシャ語で「矢または槍の先端」を意味する「Ardis」からつけられたそうです(植物の世界:6-28.朝日新聞社)。
ツルコウジ花4upwb.jpg

長く突き出た雌しべ。これは果実になっても残っています。
そばかすは花弁のみならず萼や花柄にも。茎には長い毛が密生。
ツルコウジ花6wb.jpg

この年はこんなに花が咲いたのに果実を観察しなかったことが悔やまれます。
ツルコウジ花4wb.jpg

ツルコウジの葉は光沢が無く両面に長い軟毛があり、長さ3cmくらいだそうです。
この葉には毛は無く光沢があり、大きい葉は長さ7cmもあります。
ツルコウジ花3wb2.jpg

葉の表面。毛はありませんが点状の突起があって触れるとザラザラします。
ツルコウジ葉表2wb.jpg

裏面にも明らかな毛は認められません。
ツルコウジ葉裏3wb.jpg

直径9mmの大きな実を2つ採ってまずは味見。
紅い外果皮を取除くとみずみずしいピンク色の果肉が現れました。
口に含むと............不味い!急いで口をすすぎました。
果肉を洗い落とすと直径6mm、縦に縞模様のある大きな種子が現れました。
これはマンリョウ(Ardisia crenata) の種子とよく似ています。
ツルコウジ種子wb.jpg

ヤブコウジも植えてあったのですが隣のタイワンホトトギスに負けて消えてしまいました。
写真はこの2007年のピンボケ1枚しか残っていません。
和名は薮に生える「柑子(こうじ...ミカン類)」の意味だそうです。
ヤブコウジ200wb2.jpg

先日園芸店でもヤブコウジが見つからず「斑入りヤブコウジ」を購入してきました。
ヤブコウジは万葉集にも「山橘」と詠まれ親しまれた植物です。
江戸〜明治の頃には斑入りの品種が多く作られ、有名品種はべらぼうな値段で取引されたそうです。
別名「十両」のヤブコウジがセンリョウやマンリョウより高価だったとは愉快ですね。
斑入りヤブコウジ1wb.jpg


        学名       分布           特徴
ヤブコウジ Ardisia japonica 北海道・本州・四国・九州  葉の鋸歯が細かい
  藪柑子          朝鮮半島・台湾・中国    葉も茎も無毛
                        
ツルコウジ Ardisia pusilla  千葉以西の本州・四国・九州から 葉の鋸歯が荒い
  蔓柑子         南西諸島・中国・フィリピン    葉も茎も有毛

ツルヤブコウジ       中国            葉の鋸歯が荒い
   蔓藪柑子        (園芸品種)        葉は無毛・茎は有毛
                        
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ナツツバキの実 [花木(冬)]

ナツツバキの実
 ナツツバキ(夏椿)はツバキ科ナツツバキ属の落葉高木。
  学名: Stewartia pseudocamellia
  別名:シャラノキ(沙羅樹)(娑羅樹)
  
今年はナツツバキにたくさんの果実が出来ました。
ナツツバキの花はすでに2009年6月に記載しましたが、今回はこの実を見直します。
 http://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2009-06-28
ナツツバキ果実多々wb.jpg

すでに葉は全て落ち、硬い蒴果が裂開しています。
ナツツバキ実2015-1wb.jpg

白い花は6月開花。直径約5cm。
蒴果とは対照的で、柔らかくふくよかな花です。
5枚の花弁が基部で合着する離弁花。
ナツツバキ2015-1wb.jpg

花冠は1日で雄しべと共に潔く落ちて、雌しべだけ残った球状の実になります。
右は大きく膨らんで開花を待つ蕾。
ナツツバキ若い実wb.jpg

雌しべは枯れても長く残ります。
子房の膨らみに伴って萼は次第に大きくなっていくはずですが、その画像がなく残念です。
ナツツバキ実2wb2.jpg

紅葉の頃には果実も茶褐色になり、5枚の萼片が開きかけています。
ナツツバキ枯れ実1wb.jpg

萼片が花弁のようにほぼ平開。
ナツツバキ枯れ実2wb.jpg

蒴果は5裂、萼片も落下していきます。
ナツツバキ果実萼wb.jpg

萼片が全部ないものが多く見られます。
すでに冬芽も輝き始めました。
ナツツバキ実1wb.jpg

種子は残っているのでしょうか?
この2果ではもう種子がこぼれて空っぽのようです。
ナツツバキ実2015-5wb.jpg

この果実にはまだ種子がありそう。
ナツツバキ実5wb.jpg

右3室に種子が見えます。
種子は1室に1〜2個入っています。
ナツツバキ種子残存wb.jpg

大きな萼片が花びらのように5枚とも残った果実。
萼片の外則は細かい毛に覆われています。
ナツツバキ実3wb.jpg

まるでドライフラワーのよう。
ナツツバキ実2wb.jpg

種子が残っていた果実を採り、種子と並べました。
右側の小さい方はヒメシャラの果実です。
種子は共に長径約6mm。
ナツツバキ果実1wb.jpg

追加:種子は 6x 4x 2mm。
 外側は亀の甲羅のようにやや膨隆しています(右と左の種子)。
 横半分に切りました。白く見えるのは胚乳でしょうね(上の断面)。
ナツツバキ種子割面wb.jpg
 
ヒメシャラはナツツバキより少し早く花が咲きます。
花は高所に多く、たいていは落花して初めて開花に気付くのです。
花の直径はナツツバキより小さく約2cm。
ヒメシャラ花1wb.jpg

今年の年末は多事多難、あっというまの師走でした。
ゆっくり花たちと過ごせる時間がほとんどなかったのが残念です。

とぼとぼと途切れがちのブログですが、お付き合いいただいてありがとうございました。
どうぞ、良いお年をお迎えください。
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常緑ヤマボウシ  [花木(冬)]

古代色のような赤、これは何の実でしょうか?
大きさは直径約1.5〜2.5cm。
常緑ヤマボウシ実20151212-1wb.jpg

この実は10年以上前に植えた「常緑ヤマボウシ」の果実です。
窓のすぐ西側に植えたせいか、生育が悪く、写真も撮りにくい花木でした。
今秋は実に気付いていましたが、もっと赤くなるまでと待つうちに、先日の大雨で落果。
これを機に「常緑ヤマボウシ」について調べてみました。
常緑ヤマボウシ全3wb.jpg

常緑ヤマボウシ
 常緑山法師  ミズキ科  サンシュユ属
 
常緑ヤマボウシは中国などの原産種から作られた栽培品で、2系統に分類されているようです。 
 (追記:この項一部訂正しました。今後もさらなる訂正が予想されます。)
1)トキワヤマボウシ Cornus hongkongensis 原産:中国南部・香港・東南アジア
  (1)ホンコンエンシス  
  (2)ガビサンヤマボウシ C. hongkongensis subsp. melanotricha
  (3)「月光」 最も花数多く最近よく流通している品種。
2)ヒマラヤヤマボウシ Cornus capitata  原産:中国西部・インド・ネパール
    「マウンテン・ムーン」など。
    
しかし、古い株は品種不明瞭のものが多いとか、この庭の木も同定不能のようです。
2005年初めて咲いた花はこんな姿でした。
ヤマボウシと同じく花弁と思われるのは4枚の淡いクリーム色の総苞片。
常緑山ボウシ2005wb.jpg

これが最も多く花が咲いた時の写真です(2010.5.18.)。
一気に咲くのは珍しく、普通は時々ポツリポツリと花が咲いています。
常緑ヤマボウシ2012.wb.jpg

この総苞片の形は2005年の花とは異なり、細長く先端が赤く染まっています。
上の4種の常緑ヤマボウシの検索画像にも合致するものがありません。
常緑ヤマボウシ0503-1wb.jpg

本当の花が咲き始めた頃です。
ヤマボウシと同じく中央に集まって咲く小花。
接写画像が撮れていませんでした。
常緑ヤマボウシ2009開花wb.jpg

頭状花序の花が終わると複合果が実ります。
常緑ヤマボウシ実1wb.jpg

11月28日。果実が色付いてきましたが葉は緑色を保っています。
小球状の緑色のものは蕾です。
常緑ヤマボウシ実2015wb.jpg

蕾は総苞片や芽鱗片で覆われず、花芽たちは露出したまま冬を越します。
12月になると葉脈や葉の辺縁が薄赤く染まりました。
常緑ヤマボウシ蕾1wb.jpg

葉はあまり幅広くない被針形で光沢無く、厚みも目立ちません。
下部の葉は先端が赤くなったり、黄変したりしています。
常緑ヤマボウシ葉2wb.jpg

これは昨年12月18日の画像です。
今年より寒かったせいか、果実も葉も紫紅色を帯びていました。
常緑ヤマボウシ果実20141218wb.jpg

今年落下したドーム状の果実を割ってみました。
意外にもヤマボウシのような種子は出来ていません。
赤い方をかじってみました。
かすかに甘みはあるもののおいしくはありませんでした。
検索した常緑ヤマボウシの中には美味しい実がなるものもあるようです。
常緑ヤマボウシ実割面wb.jpg

比較のためヤマボウシの写真を添えます。

ヤマボウシ
総苞片は白く大らかな感じです。葉の幅は広く、薄い。  
ヤマボウシ2014wb.jpg

中央に球形の蕾。
ヤマボウシ2wb.jpg

これが本当の花の開花です。花弁・雄しべとも4個づつ。
ハナミズキ全開1wb.jpg

秋には真っ赤な果実が実ります。
ヤマボウシの生果実wb.jpg

長い柄の先に赤い球状の実。
ヤマボウシ赤い実wb.jpg

よく熟したものを二つに割って試食しました。
濃い黄色の果肉は甘く、中から硬い種子も出てきました。
下の画像の種子は洗って果肉を取り去ったものです。
ヤマボウシの果実6wb.jpg

常緑ヤマボウシについてさらりと載せようとしましたが難航しました。
園芸店には一部紅葉した高木に小さな蕾がたくさんついていて 「月光」かと思いました。
最近の常緑ヤマボウシの新しい品種は、常緑でヤマボウシより花数が多く、花期も長く、シンボルツリーとしてお勧めに木になっています。
しかし、この庭の木は成長しにくく、花が少なく、品種の同定も不能。
ヒマラヤヤマボウシではないから、ホンコンエンシスの系統でしょうか。
一般に常緑ヤマボウシは育てやすいようですが、時に育ちにくいことがあるそうです。
どうもこの木はその例外に当たったようです。

追記:ヒマラヤヤマボウシの学名を初め Cornus capitana と誤記していました。
   12.16. エフ・エムさんに教えていただき、訂正しました。
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アニソドンテアの果実 [花木(冬)]

アニソドンテア
アオイ科アニソドンテア属の低木
  南アフリカ原産

この花は2011.11.21.「アニソドンティア・ピンククイーン」というタイトルで記事にしました。
今年初めてこの花の種子を確認し、補遺として追加するつもりでした。
ところが改めて検索してみると、最近はアニソドンティアではなく属名のまま「アニソドンテア」といわれているようです。
また2011年に和名・学名を参考にしたサイトも消去されていました。
この花はAnisodontea capensis の栽培種かと思っていましたが、筑波実験植物園などで撮られたAnisodontea malvastroides の画像にもよく似ています。
WikipediaによればAnisodontea属は南アフリカにAnisodontea capensis・Anisodontea malvastroidesを含む21種があるそうです。
悩んだ末、今回は「アニソドンテア」として今年初めて出来た種子を報告します。

アニソ20141127-1wb2.jpg

小径の左右にⅠ株づつ残ったアニソドンテアが今年は5月に満開を迎えました。
左は4年前植えた苗、右は挿し木して得た2世です。
アニソドンティア2014-5wb.jpg

この2世は家の南側に植えたのが幸いしたのか、よく育って今年果実をつけました。
アニソドンティア2014-1wb.jpg

花の大きさは3cmくらい。
アニソドンテアの中では最も淡く桜を連想させる花色で、サクラアオイの別名も頷けます。
花がらが残らないのですっきりしています。
アニソドンティア2014-3wb.jpg

咲かんとする蕾と花弁が落ちて萼に包まれた若い果実。
アニソ蕾果実wb.jpg

2011年に書いたように花は雄性先熟、この花は雄性期でまだ雌しべは出ていません。
アオイ科の花は1日花が多いのですが、この花は数日間咲きます。
下は若い果実。
アニソドンテア実るwb.jpg

花持ちが良く生け花にも重宝です。
花瓶に活けてあった花が平開していましたので正面から撮りました。
花の直径3.5cm。雄しべだけの雄性期。
アニソドンテアには多くの栽培品種があり、花弁の大きさ、色、紅い筋模様などが微妙に異なります。
アニソ花全開1wb2.jpg

(画像追加 12月4日)
同じ花の3日目、雌性期が終わる頃。雌しべが開き花弁が萎れ始めました。
アニソ1204wb2.jpg

昆虫にも人気があり、寒くなったのにセイヨウミツバチがいつも来ています。
花粉を運ぶ役目はしっかり果たしているようです。
今までもミツバチはたくさん訪れていましたのに果実を結ばないのが不思議でした。
アニソ20141127ミツバチ2wb.jpg

萼が褐色になると完熟です。
アニソ果実枝5wb.jpg

果実は直径約1cmの乾果。萼が開いて鞘のような構造がたくさん見えます。。
このような果実を分離果というようです。
アニソ果実5wb.jpg

萼を守っていた毛はなお健在。
中軸のまわりに10個以上の分果が並んでいます。
アニソ果実1wb.jpg

枯れた果実を3個採って分果を取り出しました。
それぞれ10個、11個、13個の分果が出てきました。分果は雌しべと同数だそうです。
なんとも不思議な形をしています! 
アニソ種子3wb.jpg

(12月4日、エフ・エムさんからいただいたコメントで誤りがあるのに気付き、
訂正追加しました。ご指摘ありがとうございました。)

上半分だけブーツのように開いています。
鞘の中に種子があるのかと思って逆さにしても何も落ちてきません。
アニソ種子6wb.jpg

分果の下半分は襞があってアンモナイトのかけらのようです。
大きいもので3x4mm。
アニソ種子5wb.jpg

固くて割れないかと思った小さな実ですが何とか種子が1個転がり出ました。
ということは皺の部分は果皮だったのですね。
種子は1mm強で真ん中にくびれがあります。
アニソ種子4wb.jpg

比較のため隣でたくさん実を付けているヤノネボンテンカも試してみました。
こちらは5分果で、5mm程の皺のある黒褐色の果実の中に、茶色の種子が1個入っていました。
アニソドンテアではこの黒褐色の果皮の上半分が裂け、下半分に皺が多いだけですね。
ヤノネ果実wb.jpg

こんな変った種子はどうしてできるのか知りたくて若い果実の萼を開いてみました。
緑色の若い分果が放射状にびっしり並んでいます。
アニソ若い果実wb.jpg

上半分を崩すと若い分果が転がり出ました。
みかんの房のようですがもうかなり固くなっています。
アニソ種子4wb2.jpg


葉は互性で深い切れ込みと鋸歯があります。
やや白っぽい艶のない葉の深い色が花を引き立てます。
アニソ葉wb.jpg

葉の裏には星状毛が密集。
アニソ葉裏2wb.jpg

葉が黄変したままぶら下がっています。
花は潔く散りますが、葉は枯れてもなかなか落ちないのが欠点。
でも秋の葉は黄色くなったり赤みがかったりして楽しい。
アニソ枯葉wb.jpg

こちらは2011年に植え、冬越しに苦労した1世です。
5月には初めの画像のように開花したのに、秋になると葉が萎びてしまいました。
やむを得ず枝を切りましたが、春になったらまた芽を出してくれるでしょう。
アニソ枯れ幹wb.jpg

アニソドンテアを植えて4年たちました。
過去3年間は果実に気付かず、繁殖は挿し木によってきました。
アフリカ生まれにしては寒さに強いのですが、2mほどに育つと突然枯れる事があり、既に2株枯れました。
今年は初めて果実が出来ました。4年目に何故種子ができたのかと不思議です。
さらに、この花をAnisodontea malvastroides と決めていいのかどうか、悩んでいます。
検索してもアニソドンテアの種子の記載が見当たらないので、素人がおそるおそる記事にしました。また誤りがありましたらどうぞ教えて下さい。

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ヒメイチゴノキ 花の仕組み [花木(冬)]

ヒメイチゴノキ
 ツツジ科イチゴノキ属の常緑低木。
 学名:Arbutus unedo L. ‘Compacta’  英名: Strawberry tree
 高さ: 1〜3m

ヒメイチゴノキについては2009.12.16.すでに記載しました。
それから4年、木はヒロヘリアオイラガやミノムシの被害を受けながらも2m余に育ち、11月から1月まで花を保ってくれます。
イチゴノキ1215-11wb.jpg

花は長さ約 9mmのクリーム色で壷形。
花は同じくツツジ科のアセビやドウダンツツジと似ています。
一房に10〜30花が下垂して咲きます(12月15日)。
近づくとかすかな芳香が漂っていました。
イチゴノキ3wb.jpg

常緑で光沢のある葉は4〜10cmの楕円状披針形で美しい(11月9日)。
鋸歯のある辺縁は上の画像のように寒くなると赤みを帯びます。
イチゴの木08-3葉wb.jpg

花は光線によっては透けて見えます。
中に何があるのか見てみたくなりました。
イチゴノキ蜜wb.jpg

まずは下から見上げます。
意外にも赤色が現れました。
中心に柱頭、周りはそれぞれ様々な白と赤の交錯。
花冠の下端は小さな5枚の花弁のように反転しています。
イチゴノキ花多彩wb.jpg

改めてよくよく見れば、外からも赤っぽい色が透けて見えました。
真珠や白絹を思わせる神秘的な色合いです。
上の方に凹みのように見えるのは水滴?あるいは蜜?。
イチゴノキ花房4wb.jpg

赤っぽく見えた花の真ん中当りを鋏で切ってみました。
中央の黄色の部分は雌しべの花柱。柱頭部は切り落とされました。
赤いのは雄しべの葯でした。
白い花粉が出始めたばかりの若い葯です。
イチゴノキ花奥若wb.jpg

こちらの花は上の方の雄しべはすでに花粉を出し終えて退縮中、下の方の雄しべからはまだ花粉が出ています。
花冠の内側にも白い細い毛が生えています。
イチゴノキ花奥wb.jpg

今度は花冠を縦に切って外しました。
真ん中は萼に続いて雌しべ(子房、花柱、柱頭)。
雄しべは10本、葯は美しい紅色、花糸には細かい毛が密生しています。
花冠基部には甘い蜜が貯まっていました。細毛で蜜が落ちないよう留めているのでしょう。
外から凹みのように見えたのはこの蜜でした。
イチゴノキ雄しべwb2.jpg

葯の背部から2本のひげか角(つの)のようなものが出ています。
これは何でしょう?
調べるとアセビやドウダンツツジには「刺(とげ)状突起」があると記載されていました。
ヒメイチゴノキ も同じ構造かと思われます。
イチゴノキ雄しべwb.jpg

雄しべの花柱は蜜でべとべとしています。
葯は2室に分かれ、葯室から1本づつ刺状突起が伸びています。
イチゴノキ葯割面1wb2.jpg

葯の中の花粉も確認したくなりました。
若い葯を押しつぶしてみると2室に花粉がびっしり詰まっていました。
下方から刺状突起が2本出ています。
イチゴノキ葯中2wb.jpg

さらに拡大してみます。
葯が少し破れて花粉が飛び出しています。
突起は葯室の開口部から出ていることがわかりました。
イチゴノキ花粉1wb2.jpg

刺状突起を拡大します。
ハナバチなどの昆虫が花の蜜を吸おうとするとこの突起に触れます。
その振動で葯から花粉がこぼれ落ちて昆虫の口の周りに付着、これを次に訪れる花の雌しべに運ぶという仕組みです。
昆虫の少ない冬期、花粉を少しずつ消費して長持ちさせ、送粉の機会を増やそうという作戦でしょうか。
イチゴノキ葯突起2wb.jpg

しかし、現実にはこれだけたくさん花が咲いても果実はあまり実りません。
花が咲く頃、昨年の果実が赤く熟すはずですが、今年は一つも残っていません。
この画像は過去のものです。
果実はヤマモモの果実とそっくりで直径約2cmの液果、食べられます。
しかしヤマモモはブナ目ヤマモモ科。
ヤマモモは雌雄異株でヒメイチゴノキとは全く異なる地味な花を咲かせます。
また花が似ているアセビやドウダンツツジの果実は上向きにつく蒴果。
このこともとても不思議に思えました。
イチゴの木実04wb.jpg

毎年ヒメイチゴノキの花を見ていてもただ外から見ていただけでした。
今年初めて花冠を開いてみると、また新たな植物の仕組みが現れたじろぎました。
ヒメイチゴノキやイチゴノキの花についての詳しい文献が見当たらず、アセビやドウダンツツジから類推しました。
誤りがありましたらお教えいただけますようお願いします。

追加(2014.1.26.深夜)
この記事は初め「イチゴノキ」として本日公開しました。
あとで「ヒメイチゴノキ」という園芸種の存在がわかり再確認しましたところ、9年前植えたとき付いていた「ストロベリーツリー いちごの木」という手書きラベルの下に、T種苗会社の「姫いちごの木 コンパクタ」と印刷された小さなラベルが見つかりました。
 
イチゴノキ
 学名:Arbutus unedo
 高さ:5〜10m
 分布:北アフリカ、西アジア、南東・南西ヨーロッパに及ぶ地中海周辺および
    アイルランド、ウクライナ。
(分布についてはエフ・エムさんからGRINをご教授いただき前の記事を訂正しました。)

イチゴノキが高さ5m以上になるのに対し、ヒメイチゴノキは3m以下のようです。
それでも高さ2mを越える樹に姫の名称はピンときませんが、5m以上の樹に対しての命名でしょう。
樹高以外にはイチゴノキとヒメイチゴノキの違いについての記載は見つかりません。
この庭の樹は2mは越えていますが、4年前書いた記事にも「2mくらい」とあり、これ以上あまり大きくならないのではと思います。
このためイチゴノキではなく、ヒメイチゴノキと考え訂正しました。

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ソシンロウバイ 2013 [花木(冬)]

ソシンロウバイー2013年
 ロウバイ科ロウバイ属ロウバイ(蝋梅)の園芸品種
 落葉低木 
ソシンロウバイについては既に2009年1月31日に記載しましたが、改めて読み直してみると物足りなく、2013年版を追加することにしました。

年末から咲き出したソシンロウバイの古木は1〜2月頃満開になります。
(どの画面もクリックすると大きくなります。)
ロウバイ0211-1wb.jpg

花は直径2cmほどでカップ状、慎ましく下向きに咲きます。
花が開くと芳しい香りを漂わせ、見なくても開花したことが分かるほどです。
ロウバイ0211-3wb.jpg

咲き始めたばかりの花とふくらんだ蕾。
蝋梅2008活け花wb.jpg

見上げた花の雌しべ・雄しべの違いに気付いたのが2009年でした。
左側の花達は雄しべが放射線状に広がっています。
しかし右側の花達は中心に雄しべが集っているようです。
ロウバイ花2種wb2.jpg

拡大すると左の花では広がった雄しべの中央に雌しべらしい突起があります。
ロウバイ雌性雄性wb.jpg

調べるとロウバイには雌性先熟といって、雌しべが先に熟して自家受粉を避ける仕組みがあることがわかりました。
開花した時、雄しべは花床に放射線状に広がっています。
雄しべの数は6〜8本。
ロウバイ花2種wb.jpg

もっと若い雄しべはどうなっているのでしょう。
まもなく開きそうな大きな蕾の中を見ることにしました。
花を覗くと雄しべは既に花床に広がっていて、上の画像と同じでした。
ロウバイ大蕾@wb.jpg

もっと小さい蕾を見ましょう。
中を見るためにはまだ閉じている蕾の花弁を指で開く必要があります。
でも小さな花弁は思いのほか容易に反転できて、自然に開花した花のようになりました。
(この花もソシンロウバイですが古木ではなく、花弁が円く黄色が濃い園芸種です。)
ロウバイ蕾0210-1wb.jpg

中央に真っ白い幼い雄しべと、もう既に花柱が伸び初めた雌しべが見えました。
先熟する雌しべはすでに蕾の中で花柱を伸ばし始めていたのです。
雄しべはやや内側に彎曲し、外側には葯が1対づつついています。
また左側の内花被片についている小さな水滴は蜜だと思われます。
(画面をクリックしてみてください。)
ロウバイ若い雌しべwb.jpg

さらにもう少し大きめの蕾を開いてみました。
未熟な雄しべはやや長くなり花床に広がりつつあります。
中央には雌しべの柱頭が立ち上がっています。
この雌しべは変化しないのでしょうか。
ロウバイ小蕾の中wb3.jpg

雌しべの変化を見るために雌性期の花を探していくつもの花を覗きました。
雄性期に比べて雌性期は短く数日といわれていますが、暖かいと短かめのように思えます。2月も半ばの今では圧倒的に雄性期の花が多くなっています。
雄しべの長さは3mmほど、雌しべはさらに小さく肉眼ではほとんど見えません。
雌しべは数本が集って初めは一束に固まっていますが、成熟するにつれてそれぞれに伸び出すようです。
やっとそれらしき画像が得られました。
雌しべがほぐれて広がっています。受粉可能な状態かと思われます。
しかし葯からはまだ花粉は出ていません。
ロウバイ雌しべ5wb.jpg

さらにこの花では雌しべがそれぞれ触手を伸ばしているかのように見えます。
昆虫が他家から花粉を花粉を運んでくれるのを待つ成熟した雌しべの状態です。
花柱は細く長く伸びますが、柱頭との区切りはないようです。
ロウバイ雌しべ開wb.jpg

もう1枚追加します。雌しべの柱頭がさらに広がっています。
ロウバイ雌しべ7wb.jpg

次いで雄しべが雌しべを囲むように中央に集ります。
雌しべは退化して雄性期に入ります。
ロウバイ雄性期中期wb.jpg

雄しべの葯は大きく膨らみ、雌しべを包むように軽く弯曲しています。
よく見ると花粉もわずかに出始めているようです。
ロウバイ雄性期初wb.jpg

次いで雄性最盛期、雄しべは花粉に包まれました。
ロウバイ花粉満々wb.jpg

和室に1枝活けたソシンロウバイの花が色褪せてきました。
枯れた花殻を取り除くと、何と中から小さな緑色の実が現れました。
庭の古木では花殻摘みはしたこともなく、こんな小さな実は見たことがありません。
頭には雌しべの柱頭が残っているようです。
ロウバイ受精後2wb.jpg

花の向きを変えて見ると、この花の(子房)雄しべの下部も緑色を帯びて膨らんでいました。
ロウバイ受精後1wb.jpg

冬は昆虫が少なく稀にハエの仲間を見るくらいですが、(果実)偽果が意外に多く出来ます。。
(2010.4.14.)
追記:この実は真の果実ではなく「偽果」というそうです。
エフ・エムさんから教えていただきあちこち訂正しました。

ロウバイ若い実wb.jpg

初夏には鬱蒼と葉が茂り、(果実)偽果は赤みを帯びてきます(2006.5.26.)。
蝋梅若い実と葉wb.jpg

枯れた実は花が咲く頃になっても自然落下せず、取り除くこともあります。
それでも高い枝にはまだ枯れた実が残っていました。
ロウバイ枯実wb2.jpg

逆光のソシンロウバイ。
雄しべ・雌しべと疲れたあとは、逆光でぼんやり見る花にほっとしました。
ロウバイ2012逆光wb.jpg



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ヤツデの花 [花木(冬)]

ヤツデ
 ウコギ科ヤツデ属 常緑低木
 花期:11〜12月

前回のヤツデの葉に続いて今回は花を中心にまとめてみます。
見慣れたヤツデもいざ調べてみるとなかなか奥の深い植物でした。

垣根の北側の隙間に自生してナンテンと競いながら成長したヤツデ。
11月初旬、花盛りの頃です。まだまだ12月いっぱい咲き続けます。
ヤツデ花序wb.jpg

先ずは花芽がふくらんで蕾が見え始めた頃。
ヤツデ蕾初めwb2.jpg

小さな拳をたくましく突き出しながら展開していきます。
ヤツデ花芽2012wb.jpg

真っ先に花が咲くのは主軸のてっぺん。散形花序です。
ヤツデ1107咲き初めwb.jpg

花径5ミリくらいの白色5弁花。
中央の黄褐色の膨隆は蜜を分泌する花盤です。
ヤツデ雄性期初め1wb.jpg

1対の葯をもつ雄しべが5本伸び出し、花盤から蜜を分泌して花粉を運んでくれる昆虫を待ちます。しかし雌しべは見当たりません。
ヤツデ3雄性期wb.jpg

あ、ミツバチです。それもこの辺りでは少数派のニホンミツバチ。
花盤の蜜を舐めています。
ヤツデニホンミツバチwb2.jpg

もちろんセイヨウミツバチも常連です。
ヤツデミツバチ2wb.jpg

キンバエもヤツデの蜜が大好物のよう。
5枚の花弁に囲まれた花盤の中央におへそのような白い突起が見えます。
これが雌しべの柱頭で雄しべが衰える頃現れるのです。
花粉を出し終えた葯は次第に褐色になり、花弁と共に散っていきます。
ここまでを雄性期といいます。
ヤツデキンバエwb.jpg

雄しべが散った後、5裂した雌しべの花柱が伸びて広がります。
ここからが雌性期です。
ヤツデは雄性期が終わってから雌性期が始まる両性花ということになります。
ヤツデ雌しべ蜜1wb.jpg

白く柔らかそうな雌しべの花柱。
再び花盤には蜜がたっぷり分泌され、昆虫が花粉を運んでくるのを待ちます。
ヤツデ雌しべ蜜@2.jpg

普通の両性花だったらこのように花弁が落ちれば既に受精終了し子房が膨らむ頃ですが、ヤツデでは今なお受粉期。
ヤツデは雄性先熟の花の中でも珍しく、雄性期と雌性期をはっきり区切って同花受粉を避けているのでしょう。
ヤツデ雌しべ蜜wb.jpg

ここにもセイヨウミツバチがやってきて、キンバエと並んで熱心に蜜を舐めています。
ヤツデミツバチwb.jpg

ヤツデの花にはもう一つの特殊性がありました。
この画像は雨上がりの日、白く輝く花の美しさに感動して撮ったものです。
よく見ると先に咲いてすでに雌性期に入っている緑色の花序も数個認められます。
ヤツデ雨後wb.jpg

しかし、接写画像がありません。やむなくこの上部を拡大しました。
輝く雄しべや艶やかな花盤達に加えて雨の滴も光っていました。
昆虫達は飛び交いながら雄性期の花の花粉を雌性期の花の雌しべに運んでくれるのでしょう。
ヤツデ雨後upwb.jpg

さらによく見ると側枝にまだ小さい緑色の球状の小花序が数個見つかりました。
そのうち見やすいもの2個をで囲みました。(画面をクリックすると大きく見えます。)
同じ構造は1枚目の画像にも認められます。
ヤツデ雨後wbL.jpg

の蕾は開花して花粉を提供できても、次に咲く蕾がありませんから受粉はできません。そこで雄しべが枯れても雌しべは現れず、そのまま花柄から全て枯れ落ちてしまいます。
そのためこれらの花は雄花といわれ、成書にはヤツデには両性花と雄花があると記載されています。
ヤツデ雄性花2wb.jpg

かくして若い果実の出来上がりです(2012.2.16.)。
雌しべの名残がまだみえます。
ヤツデ20120216wb.jpg

豊作の年(2010.2.23.)。
この実は4〜5月完熟して紫黒色になります。
ヤツデ若い実2wb.jpg

残念ながら完熟の頃の写真は撮ってありません。
これは落下していた実を見つけて撮った画像です(2012.5.17.)。
まだ雌しべは残っていますね。
ヤツデ実2wb2.jpg

ヤツデの花は個性的な花でした。
寒くなる季節を待って花を咲かせ、他花と競わず昆虫を集める少数派。
かたくなに雄性先熟を守る律義者。
さらに無駄なことはしないと最後は雄花で終える合理派。
お蔭様でいろいろ学ばせていただきました。
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ヤツデの葉 [花木(冬)]

ヤツデ
 ウコギ科ヤツデ属 常緑低木
 八つ手
 学名:Fatsia  japonica
 分布:関東以西〜南西諸島

豊かな常緑の葉のみならず、花の少ない11月から12月に花を見せてくれるヤツデ、このブログにもいつかまとめたいと思っていました。
しかし、書こうとすると思いのほか難問続出、調べると先達の貴重な記録がたくさんあります。
すでに寒中、もう撮れない場面もありますが、撮り置きの画像を整理しつつ記録しておきましょう。

これは7年前、玄関の軒下に植えた「斑入りヤツデ」の現在の姿です。
霜が当たらないので大きな葉の間から未だに花が見られます。
ヤツデ斑入りwb.jpg

5月、前年の葉の上に新しい葉が展開しました。
ヤツデ玄関100509wb.jpg

押し合いへし合い、我先に光を求めて葉を拡げ、大きい葉は巾30cmi以上になります。
若い葉は柔らかですが、次第に固く厚くなり、新しい葉が出揃うと葉痕を残して脱落します。
ヤツデ若葉2wb.jpg

最初の疑問は「何故 八つ手 と命名されたか」です。
多くの先達が葉の切れ込みに注目されています。
八つ手というのに葉が8つに裂けていないというわけです。
庭には園芸種の他に鳥の落とし物による自生のヤツデが数本育っています。
まず自生種の葉の切れ込みを数えてみました。
八つでしょうか? いいえ、9裂です。
ヤツデ葉9枚wb.jpg

これは7裂。 ほとんどの葉が9または7裂です。
8裂は見当たりません。
ヤツデ葉7枚wb.jpg

若い葉はどうでしょう? これらは5裂でした。
ヤツデ葉5枚wb.jpg

隅っこに3裂を見つけました。全て奇数です。
ヤツデ葉3〜5枚wb.jpg

さらに小さい苗からは切れ込み無しのハート型が3葉と左右非対称の4裂が1枚。
しかしこの4裂の葉には葉脈は5本ありますね。
ヤツデ自生苗wb2.jpg

8裂は存在しないのでしょうか。初めのハート型から考えれば奇数が自然です。
園芸種はどうでしょう?  圧倒的に9裂が多いようです。
その中に1枚、ありました!ありました! 
葉脈も8本の8裂の葉です。
ヤツデ葉8裂2wb.jpg

しかし、立ち返って考えれば「八つ手」の八つは具体的な数ではなく、多いという意味ではないでしょうか。
広辞苑にも「八つ」は「数の多い意にも用いる」とあります。
八百屋、八頭、八つ当たりなどもこの意でしょう。
さらに申せば「八つ手」であって「八つ指」ではないということです。
ヤツデの葉の葉柄は、互生の葉に光が当たるように長く四方八方に伸び出します。
葉柄を含めたたくさんの葉を八つ手(多くの手)と表現したのではないかと思うのです。

車庫との隙間に生えたヤツデの葉も冷たい雨に耐え、八つ手を拡げています。
ヤツデの八つ手wb.jpg

庭隅の自生のヤツデの葉は霜や雪に当たってますます色濃く厚くなっています。
ヤツデ全20130114wb.jpg

次回はいよいよ、ヤツデの花を見つめます。
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マルバノキ [花木(冬)]

マルバノキ
  マンサク科の落葉低木
  学名:Disanthus cercidifolius
  別名:ベニマンサク
  自生地:本州中部以西、四国
  高さ:1〜3m
  花期:10〜12月(当地では11〜12月)
 
花の少なくなった晩秋のころ、マルバノキの暗赤色の花が開き始めます。
マンサクの花のようにねじれた花弁があっちこっちに伸びて、エイリアンがアクロバットをしているかのようです。
下方の円いのは蕾、3個。
((画面は全てクリックすると大きくなります。)
マルバノキ開花wb1.jpg

花は1cmくらいに思えますが、花弁の先端から計ると直径2cmほどあります。
下は開花したばかりの花。花弁はまだ開ききらず、細く伸びやかです。
雌しべの回りに雄しべが5本、各々に未開の葯が2個づつ並んでいます。
マルバノキ花正面wb1.jpg

満開の花を真っ正面から撮りました。
花弁は開いて基部では巾広く先端にいくにつれ細く縮れつつ、10枚(?)が放射線状に広がっています。
すでに葯も開いて白い花粉が見えます。
マルバノキ花2011wb1.jpg

でも何かちょっと変です。
少し斜めから見ると、何と、花弁は10枚ではなく、花弁5枚の花が前後に2輪、背中合わせに開いていることがわかりました。
5枚の花弁がそれぞれ星形に開いていたのです。
マルバノキ花背合わせ2wb.jpg

真横から見ると、さらにはっきりします。
横向きの花が背中合わせに2個、ほとんど同時に開花し、同時に散っていきます。
マルバノキ花側面3wb.jpg

咲き初めの蕾を探してみました。
紅い苞の間から短い花柄が伸びその左右に蕾が膨らんでいます。
薄紫色の小さな萼の間から、紅い花弁がのぞいています。
基部は柔らかい毛のマフラーのよう。
マルバノキ蕾2wb@.jpg

左は間もなく散る花。
右の花は花弁と雄しべが散って、萼と子房が残っています。
子房は2室ですね。
マルバノキ花後4wb2.jpg

今朝は庭に置いた最低温度計は−4℃。
昨日も来ていたハナアブ(?)は今日は吸蜜どころか、冷たい風に揺れても固まってしまったかのように動きません。
マルバノキ・ハナアブwb.jpg

2010.12.31. 初雪の日。白い画面に紅い斑点がちらほら。
花がまだ残っていました。右上にはカマキリの卵。
マルバノキ10雪wb.jpg

今年も花が咲く頃には葉は既に枯れて落ちてしまいました。
ベニマンサクの別名はこのような姿からと頷けます。
暗赤色の小さな花は遠目には目立たず、知る人ぞ知るという存在です。
手前の葉はフヨウ、後はソヨゴの葉。
マルバノキ遠景2wb.jpg

4月の若葉。
葉は和名の通り丸っぽく、5〜12cmのハート形(円心形・卵円心形)。
長い柄があり、互生。  
マルバノキ若葉wb.jpg

2010.8.1.真夏に見られた部分的紅葉。
緑色の葉だけでも1枝切って生花に添えると風雅でいいものです。
マルバノキ10-8紅葉wb.jpg

2006.12.14. 
本来は紅葉の美しい木のはずですが、当地ではなかなかきれいには紅葉しません。
植えて間もない頃の紅葉はこんなに色とりどりだったのですが.........。
マルバノキ紅葉06wb.jpg

マルバノキは日本に自生しながら、群生地は少ないようです。
やはり、昆虫が少い季節に開花するので結実しにくいのでしょう。
絶滅が心配される県もあるようですが、種子を育てた苗は販売されています。

花の咲き方が独特で、花弁5枚の両性花2つが背中合わせに咲くことがわかりました。
美しい紅葉と同時に開花するところもあるようですが、この庭では葉は黄褐色のまま、花の前に落ちてしまいます。
果実も面白い形で1年かかって熟すそうです。
また来年こそはと紅葉と果実を楽しみにしましょう。

追記:花の臭い
マルバノキの花には良い香りはありません。
花に近接して写真を撮っても私は臭いを感ずることはなかったのですが、検索するとドクダミのような臭いとか、生臭いにおいとかの記載も見られました。
そのつもりでクンクンすると微かな刺激臭を感じましたが、ドクダミ臭とは思えません。

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ドウダンツツジの果実 [花木(冬)]

この果実は何でしょう?
12月15日撮影、長径約8mm、ラグビーボール状です。
(写真は全て画面をクリックすると大きくなります。)
ドウダン果実2wb2.jpg

その1月前の画像です。
この紅葉、そうです。ドウダンツツジです。

ドウダン実4wb.jpg

4月下旬のドウダンツツジの花。
長さ7〜8mmの白い壷状の花が多数下垂しています。
ドウダンツツジ1wb.jpg

ドウダンツツジ 
 ツツジ科 ドウダンツツジ属 落葉低木
 学名 Enkianthus perulatus
 和名 灯台躑躅、 満天星

「満天星」と言われるように満天の星に見えるでしょうか。
ドウダン09-全wb.jpg

11〜12月、葉は真っ赤に紅葉します。
その葉に近づくと、すでに果実が出来ていました。
ドウダン実2wb.jpg

ところが果実は上を向いています。
花は軽やかに下垂してましたのに。
ドウダン紅葉実2wb2.jpg

壷型で下垂した小さな花には昆虫も入りにくいかと思っていましたが、果実がこれまた満天星のようにたくさん出来ています。
ドウダン実4wb1.jpg

この化石のようなものは前年の果実と思われます。
5裂した果実の1片はすでに落ちたのでしょう。
ドウダン実3wb2.jpg

12月27日、初雪の後。果実は5つに割れて少し開いていました。
さらに乾燥して開き、褐色の花のようになるのでしょう。
赤い冬芽も1枚目の画像のより少し膨らんでいます。
ドウダン実割れwb.jpg

この庭で紅葉が一番美しいのはこのドウダンツツジです。
でも今まで、紅い葉の間からのぞいている果実には気付きませんでした。
今年初めていつのまにか頭をもたげて上を向いている果実を発見したのです。
その途中の像や、さらに弾けた果実も撮れたら追加したいと思います。

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12月は年賀状もあってブログの更新が遅れました。
明日からはまた忙しくなりますので、これが今年最後になると思います。

このようなブログをご覧いただいてありがとうございました。
さらにコメントをお寄せいただいた方々には厚く御礼申し上げます。
忘れ得ぬこの年もあと僅かです。
どうぞよいお年をお迎え下さい。

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