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ツキミソウ受難(コスズメとセスジスズメなど) [草花(夏秋)]

ツキミソウ受難(コスズメとセスジスズメなど)

白く清らかな花、ツキミソウについてはすでに2015.5.31.の記事にしました。

ツキミソウ20150711wb.jpg

昨年は種をまいてベランダで育て、その苗を花壇に植えました。
しかし、ツキミソウが咲き始めるのは7時頃。
丁度夕食時間と重なり、ライトとカメラをを持って往復するのはたいへんでした。
そこで今年はベランダの植木鉢で育てることにしました。

昨年は種まき用トレーに種まき用土を使用。
ツキミソウ苗2015-04-29wb-.jpg

今年はお彼岸過ぎに昨年採取した種を植木鉢に直播きにしました。
ところが、発芽少数、発育も不良。
やむなく、発芽していない部分に追加して種まきしたところ、今度はよく生えました。
6月12日、柔らかい葉が茂っています。
シロバナツキミソウ苗wb.jpg

6月24日、えっ? 葉が無い!
完食0624wb.jpg

隣の鉢にいたのは丸々太った大きな幼虫!
この鉢は初めの苗が辛うじて1花咲いて、もう青い実ができています(左端)。
調ベてみると、コスズメ(小雀)の幼虫です! 左が頭。
大きな眼状紋と尾状突起が目立ちます。
一鉢分食べ尽くすと隣へ移動!
よくよく見ると幼虫は他の鉢にもいて合計3匹逮捕しました。
コスズメ幼虫1wb.jpg

さらに、葉の裏にいたのは長い細かい毛が密集した毛虫です。
これはアメリカシロヒトリの幼虫。
毎年オオバボダイジュ・ハナミズキ・サクラにつきますが、草本は初めてです。
この毛虫は触れても痛くも痒くもないので助かります。
アメシロ幼虫wb.jpg

さらに8月3日、植木鉢の緑色が激減していました。
よく見ると葉が全部なくなった茎に茶色の幼虫がいました。左が頭。
コスズメ幼虫茶2wb.jpg

これもコスズメの幼虫のようです。右が頭。
もう食べる葉がない。果実は硬くて歯が立たない?
そして今度の茶色の幼虫も近くの鉢に合わせて3匹いました!
コスズメ幼虫茶1wb2.jpg

9月8日
この鉢は今年最初に蒔いた種から花が咲き、種ができ、それが落ちて発芽した2世。
でも急に葉がみすぼらしくなりました。
よく見ると、うわー! 
ここにまた3匹の黒い幼虫がいるのがわかりますか?
(右の中ほど・左の上部・左の下部。)
セスジスズメガの幼虫3匹wb.jpg

これはセスジスズメ(背筋雀)の幼虫!
黄色やオレンジ色の眼状紋が並んでいます。右が頭。
セスジスズメガの幼虫1wb2.jpg

幾多の苦難を乗り越えて、最後の1鉢の花が今年2度目の花を咲かせました。
深夜には花は淡いピンク色に染まります。
ツキミソウwb062023:34.jpg

9月15日、中秋の名月。
満月wb.jpg

この夜は2輪のツキミソウが咲きました。
5輪期待していたのですが、3輪は明日の分でした。
満月の夜wb.jpg

9月29日、またまたびっくり仰天です。
大きな茶色のコスズメの幼虫が立位で葉や茎を食べ散らしていました!
今度は1匹だけです。
コスズメ幼虫茶3wb.jpg

この他、昨年瑠璃色のカメムシとハムシで紹介したアカバナトビハムシは今年もしつこく付き纏いました。
アカバナトビハムシ2wb.jpg

葉が全部食べられてもツキミソウの硬い果実は残りました。
そして雨が降ると、雨滴散布です! 
ツキミソウ種子2wb.jpg

ヒルザキツキミソウに比べて萼片が丸くて優しい感じです。
左の葉の穴ぼこはアカバナトビハムシの仕業です。
ツキミソウ種子wb2.jpg

最後に過去にこの庭で写したコスズメとセスジスズメの成虫の画像を添付します。

コスズメ−1 羽ばたきながらヒルザキツキミソウの蜜を吸っています。
コスズメwb2.jpg

コスズメ−2 静止してゆっくり吸蜜中。
セスジスズメ2wb.jpg

セスジスズメ
コスズメとセスジスズメでは幼虫の印象はだいぶ違いますが、成虫はよく似ています。
背中中央の2本の白線が特徴です。まさしく背筋。
セスジスズメwb.jpg

今年のツキミソウは波乱万丈でしたが、一鉢は今年2世代目がまだ蕾を持っています。
もうしばらく楽しめそうです。
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メガネツユクサ [草花(夏秋)]

メガネツユクサ
 ツユクサ科ケツユクサCommelina communis L. f. ciliata Pennellの園芸品種
 別名:フクリンツユクサ

3年前Tさんから頂いたメガネツユクサの苗をオオバボダイジュの下に植えました。
1年草のため種がこぼれてそその後毎年周囲に生えてくるのですが、葉が虫に食べられ写真を撮る気になれません。
でも今年は北側の窓の下に偶々自生、こちらは虫も少なくのびのびと育ちました。
メガネツユクサ全0913wb.jpg

隣に毎年出てくるツユクサと並ばせました。
花の印象はメガネツユクサはふくよかで円く、ツユクサは面長でやや小さい。 
ここのメガネツユクサの花の巾は25mm前後、ツユクサは18mm前後。
メガネツユクサ花弁比較2wb.jpg

花弁は3枚。
2枚の大きい花弁は各々巾15mm弱、中は水色、周辺は白色の覆輪。
3枚目の白い小さい花弁は雄しべの下にあって目立ちません。
その後に半透明の萼片が2枚、萼片はもう1枚、後にあります。
メガネツユクサ0917-3L3wb.jpg

ツユクサの特徴は華やかな雄しべですが、メガネツユクサも同じようです。
雄しべには3種類あります。
1段目 X字形( π 字形 ) 3個 花粉 ± メガネツユクサではキノコ形  仮雄しべ
2段目 Y字形(逆V字形) 1個 花粉++   メガネツユクサでは「人」字形の雄しべ
3段目 O字形 (楕円形) 2 個 花粉+++  主たる雄しべ  

ツユクサのY字形とO字形の雄しべの花粉からは果実が出来ますが、X字形雄しべの花粉は不稔性だそうです。Y字形雄しべはかっては仮雄しべかと思われていたのですが、なかなかさんの実験により正常な雄しべであることが確認されました( ※1  )。
メガネツユクサではX字形雄しべはキノコ形をしていて、肉眼では花粉は認められませんが、Y字形雄しべからはかなり花粉が出ています。
O字形雄しべはツユクサのようにすぐ褐色にならずより美しい。
メガネツユクサ雄しべ3L種wb3.jpg

メガネツユクサの雌しべはたいていX字形雄しべの陰になってよく見えません。
この画像では円い子房と長い花柱がよく見えます。
メガネツユクサ2013雌しべwb.jpg

後姿もまた美しい。
花弁の間に小さい萼片がかすかに見えます。
メガネツユクサ後姿wb.jpg

大きな苞には白い毛がたくさん生えています。これはツユクサにはありません。
花の色が白っぽい。
メガネツユクサ苞毛3wb.jpg

もっと白い花が咲きました。よく見ると真ん中にうっすらと青い色が残っています。
白花ツユクサでは純白の花が咲くそうです( ※2 )。
メガネツユクサ白花3wb3.jpg

今年の楽しみは一つの苞に二つ咲く花。これが2〜3組、見つかる日もあります。
メガネツユクサ2花3wb4.jpg

苞を折り曲げてみると中に2本の軸がありました。
右は直立する主軸で1花、左は斜めに向かう側枝で花が1つと蕾が一つ。
メガネツユクサ2花4wb.jpg

ツユクサでも同じような咲き方をすることがあります。
主軸には花がつかないこともあり、ついても雌しべが不完全な雄花のことが多いそうです。
しかしもっと早い季節には主軸にも両性花が見られ、結実も観察されています( ※3 )。
これら3枚の1苞2花の画像の上の花には正常の雌しべは認められません。
11メガネツユクサ2花8wb2.jpg

重なると後姿もより華やかです。
12メガネツユクサ2段後1wb2.jpg

右が主軸で直立して1個の花をつけるものと、花をつけないものがあります。
左は側枝で斜めに伸びて2〜3個の蕾をつけます。
この二つの蕾は同じ日に咲きそうですね。
メガネツユクサ蕾2花内部wb.jpg

昆虫がやってきました。
まずは明るい黄色が目立つX字形雄しべへ。
メガネツユクサ虫2wb2.jpg

何と、このハナバチは2つのO字形雄しべを丸抱え!
想定ではY字形雄しべの花粉を食べながら、尾部にO字形雄しべの花粉をつけるはずだったのです。
でも全身に花粉が付いていますから花粉運搬には役立つのでしょう。
メガネツユクサ花蜂6wb.jpg

花は午前中でほとんど閉じます(半日花)。
12時すぎには花弁に黒いシミが入り、しべを包むように閉じてきます。
メガネツユクサ昼2wb.jpg

しべの方も花糸や花柱をくるりと巻き上げて花弁に包まれながら苞の中に納まります。
メガネツユクサ閉花1wb.jpg

大きな果実が二つ並んでいます。
蕾は4〜5個できても苞におさまる果実は2個が多いようです。
ツユクサは先ず蕾の中で自家受粉、さらに昆虫による他家受粉と花糸の巻き上げによる自家受粉により多くの種子を作ります( ※4 )。
メガネツユクサも同様でしょうか? 蕾の中で自家受粉については確認していません。
メガネツユクサ果実1wb.jpg

右がメガネツユクサ、左がツユクサの果実です。
苞はメガネツユクサのは円く、ツユクサでは先端がやや尖っています。
共に主軸には実が付かず、側枝に2個づつ俵型の実ができています。
花はメガネツユクサの方が大きかったのですが、実はほとんど変わりません。
メガネツユクサ果実3-0.48.11wb.jpg

苞が褐色になり、中の種子が黒く乾燥して完熟です。
種子は1個の俵型果実の中に上下2個づつ、合わせて4個出来ます。
メガネツユクサ果実2015wb.jpg

追加:葉は互生、披針形で、基部は鞘となって茎を取り巻いています。
鞘にも毛があります。
メガネツユクサ茎葉wb.jpg

ツユクサについては多くの観察・研究がなされ、大変難しい植物として敬遠してきました。
でも今年はメガネツユクサが虫に食べられずに育ち、1つの苞に2花並んで咲く姿が多く見られたためブログに載せたくなりました。
この際また、なかなかさんの「花*花・Flora」の「ツユクサについて」 を参考にさせていただきました。( ※ )では参考ページをリンクしました。
  "http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/tuyu-kusa-top.htm"
なかなかさんによればメガネツユクサの染色体数は関東地方以北に分布しているケツユクサと同じく 2n=48 のようです。( ※5 )

誤りが有りましたらどうぞお教えいただけますようお願いします。
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ゼラニウム  [草花(夏秋)]

ゼラニウムは花のない季節にも彩りを添えてくれる頼もしい園芸植物です。
今も北側の通路沿いと南のベランダで一株づつ咲いています。
ゼラニュウム裏庭wb.jpg

こんなにたくさん咲いた年もありました。
ゼラニューム10p-1wb.jpg

世話いらずといっても花殻摘みだけは必要。
久しぶりにカットに行くと何か光るものがありました。
何の綿毛?
よく見ればこのゼラニウムの種子のよう。
果実は昨年記事にしたヒメフウロの果実に似ています。
ゼラニウムは何科?
やはりフウロソウ科(Geraniaceae)、しかし、テンジクアオイ属 (Pelargonium) 。
フウロソウはフウロソウ属 (Geranium)です。
ヒメフウロと同じような果実が出来ても不思議ではないのでしょう。
ゼラニウム花後2wb.jpg

ゼラニウム
 フウロソウ科テンジクアオイ属 の四季咲き園芸種、多年草。
 南アフリカ原産 園芸種が数百品種あるそうです。

まずはゼラニウムの花の造りから見ることにしましょう。
これは以前あった純白の品種。
花の直径は約4cm、5枚の花弁に赤い葯が美しい。
ゼラニュームW1wb.jpg

咲き始めの花には雌しべは見えません。
葯が開いて花粉がいっぱい出ています。雄性先熟。
ゼラニウム雄しべ1wb.jpg

雄しべに囲まれながら中央に雌しべが現れます。
ゼラニウム雄しべ2wb.jpg

その後、葯は脱落し、雌しべが成熟します。
ゼラニウム雌しべ7wb.jpg

雄しべは10本あるようですが、その中に葯のないものもありました。
ゼラニウム雄しべ5wb.jpg

雌しべの先端がカールして下垂。
まずは他家の花粉を求め、のちに自家受粉で補う作戦でしょう。
ゼラニウム雌しべwb.jpg

次に花弁が散り、雌しべと5枚の萼が残ります。
ゼラニュームW3wb.jpg

萼に包まれながら子房が長くなり花柱嘴(かちゅうし)を形成。
ゼラニウム果実1wb.jpg

果実は約3cm、属名Pelargoniumの由来は長く伸びた花柱嘴がこうのとり(pelargo)のくちばしに似ているからと。
ゼラニウ若い果実wb.jpg

花柱嘴が裂け、萼片が開いて種子が出現。花柄がよじれています。
ゼラニウム種子らせんwb.jpg

一つの果実に種子は1〜4個。
綿毛部分の花柄は螺旋状に巻かれます。(↓画像入れ替えました。)
ゼラニウム綿毛4wb2.jpg

3個の綿毛付き種子が踊っているよう。
ゼラニウム綿毛1wb2.jpg

どの花柄も螺旋状に巻き上がっています。(↓画像入れ替えました。)
ゼラニウム綿毛3wb.jpg

輝くような綿毛。
ゼラニウム綿毛2wb3.jpg

よく見ると種子と思った部分は痩果で長さ約6mm。
右にあるのは別の痩果から取り出した種子、長さ約4mm。(↓画像入れ替えました。)
ゼラニウム種子wb.jpg

ヒメフウロではらせん構造を持つ種子が地面に落ちた時、鞭毛をもった虫のように回転しながら痩果が地面に食い込んでいく動画を見たことがあります。
センテッドゼラニウムの綿毛付き痩果も水分を吸って動くようです。
ゼラニウムもそうなるのでしょうか?
ゼラニウム種子4wb.jpg

今まで観察もしなかったゼラニウムを初めて近くで見つめ、また植物の楽しさを知ることになりました。
同時に「ゼラニウム」が大きく4種に分類されることも知りました。
 1)ゼラニウム:一般にゼラニウムと言われるのはここに記したような四季咲き種。
         多くの園芸品種があり花の色・形や葉の形も様々。
 2)ペラルゴニウム:一季咲き(別名:ナツザキテンジクアオイ)。
 3)アイビーゼラニウム:半つる性、つた葉(別名:ツタバゼラニウム)。
 4)センテッド・ゼラニウム:香りがありハーブとして愛好される。
              (別名:においゼラニウム)。

( 追記 )  下から2・4・6枚目の画像を取り替えました(2015.11.23.)。

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トウワタ [草花(夏秋)]

トウワタ
   唐綿
 キョウチクトウ科トウワタ属(←ガガイモ科)の多年草(日本では1年草)
 学名: Asclepias curassavica
 原産地:熱帯アメリカ
 花期:夏〜秋
 草丈:1〜2m

熱帯原産のトウワタは寒さに弱く日本では冬越ししにくいようですが、この1株だけはここ数年毎年咲いています。
今年は遅くから芽を出して秋から咲き初め、もう霜も降り雪も少々降ったのにまだ花が残っています(12月9日)。
トウワタ1209-1wb2.jpg
12月7日、紅葉を撮りに庭に出るとトウワタの花と果実に気付きました。
夏の花は鮮やかな黄色と赤でもっと派手ですが、今では花も葉もくすんでいます。
トウワタ2014wb.jpg

橙色の花冠裂片が5枚、小さな萼片も5枚。
中心の蕊柱の先端に黄色い副花冠裂片が5個。
これはフードと呼ばれ、5本の雄しべを包囲しています。
トウワタ1208-2wb.jpg

副花冠の内側に突き出るのは角(つの)と呼ばれる突起。
蕊柱の頂上を柱冠といい、紅白のぼけた模様は雄しべの葯。
黒っぽい点状のものが花粉塊のクリップです。
トウワタの花の構造は前に書いたフウセントウワタとよく似ています。
トウワタ1209-5wb.jpg

クリップを見つけるとまた花粉塊を取り出してみたくなります。
花を採取し、副花冠を2個除去しました。
クリップの下の隙間は蜜を貯めるところです。
トウワタ花粉塊1wb.jpg

針の先でクリップの下部を持ち上げるようにすると、花粉塊が出てきました。
蜜を求めて来た昆虫の脚に花粉塊が引っ掛かって他花に運ばれる仕組です。
トウワタ花粉塊3wb.jpg

花粉塊は粘着性があるため針に付くとなかなか離れず、無理するとちぎれてしまいます。
やっと1組、紙の上に乗りました。 長さ1.5mmくらいです。
トウワタ花粉塊4wb.jpg

下の方の果実は裂けて種子が飛び始めていました。
フウセントウワタとは異なり細長い果実です。
トウワタ1207-2wb.jpg

綿毛というより輝くような絹毛(種髪)が付いた褐色の種子。
トウワタ1209-3wb.jpg

風が強くなくて幸いです。
トウワタ1209-4wb.jpg

隣のランタナの葉に引っ掛かってゆーらゆら。
トウワタ1207-1wb.jpg

うわっ! 急に風が吹いて隣の道路まで飛んで行ってしまいました。
トウワタ綿毛路上wb.jpg

夏に咲いた賑やかな花を画像ストックから探しました。
こちらの方がトウワタらしい姿です。
反り返った花冠が楽しい。(2008.7.31.)
トウワタ080731-1wb.jpg

副花冠の角が封印するかのように中心に集っています。(2008.7.31.)
(どの画像も画面をクリックすると大きくなります。)
トウワタ080730wb.jpg

角が開いて柱冠の雄しべの葯(ピンク色)が5つづつ見えています。
花粉塊のクリップも揃っています。(2012.5.20.)
トウワタ20120520wb.jpg

果実は細長くカヤックのような形。
背面が縦に割れます。
葉も同じく細長い線形で対生。(2008.11.20.)
トウワタ果実081120wb.jpg

裂けたばかりの果実。
種子が鱗状に並び。種髪が飛び立とうとしています。
ガガイモと同じですね。(2009.8.23.)
トウワタ果実2009-1wb.jpg

キョウチクトウ科はガガイモの果実ガガイモの花フウセントウワタと記事にしました。
トウワタは初めて植えた2008年にヒメジュウジナガカメムシが付き驚きました。
このときはブログもなく花も虫もよくわからないまま、写真だけ撮ってありました。
それをやっと記事「ヒメジュウジナガカメムシは何故群れる」にできたのは2011年。
初めの株は種子を確認することなく枯れ、翌年植えた株が貧弱ながら毎年花を咲かせ、今年は種子が飛び立つところを撮る事ができました。
夏の花の写真が古くて不満ですが、これらがないとこの花の特徴がつかめませんので付加しました。

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キンミズヒキ [草花(夏秋)]

キンミズヒキ
   金水引  バラ科キンミズヒキ属 の多年草
 学名:Agrimonia pilosa Ledeb. var. japonica
 分布:北海道~九州、サハリン、ウスリー、朝鮮半島、中国、インドシナ。
 花期:8〜10月(当地)

今年の秋は到来も進行も早く、朝冷えにセーターを着込んで庭へ出ました。
おや? 袖に何か付いています。これは何でしょう?
キンミズヒキ実セーターwb.jpg

近くにあったのはキンミズヒキ。
黄色い花はいつの間にかもうイガイガのひっつき虫になっていました。
キンミズヒキ引っ付き虫wb.jpg

熟した果実は下向きにぶら下がっていて、触れれば容易に引っ付きそうです。
キンミズヒキ枯実2wb.jpg

Tさんから苗をいただいて2年目、7月になると葉が繁ってきました。
葉は互生し、大小9枚の小葉からなる奇数羽状複葉が多く見られます。
葉の縁は鋸歯状。
葉のつけ根には托葉があります(中央下方、画面をクリックすると少し見易くなります。)
キンミズヒキ葉wb.jpg

花から実へとしっかり記録しておけばよかったのに、断片的にしか写真がありません。
8月になってやっと伸び出した花穂です。
キンミズヒキ蕾wb.jpg

花の付き方は花柄をもった花が軸のまわりに並んで総 (ふさ) のような形になるという総状花序。
花柄が短いので何気なく見ると花柄が無い穂状花序のように見えます。
花序は20cmくらいになり、下の方から開花します。
まっ黄色の花は1cm弱で花弁が5枚。
キンミズヒキ10wb.jpg

ピンぼけですが、中央の花には雄しべが10数本見えます。
雌しべは2本のうち1本が成熟するそうです。
よく似た花にヒメキンミズヒキがありますが、雄しべは5〜8本だそうです。
キンミズヒキの雄しべは10数本のことが多いから、これで大体区別できます。
キンミズヒキ12wb2.jpg

放射線状に広がっていた雄しべが葯を中央に集めるように弯曲してきています。
自家受粉もあるのでしょう。
円錐形の帽子を被ったような蕾が面白い。
キンミズヒキ14wb3.jpg

花弁は脱落し、雌しべにからんだ花糸は5枚の萼に包み込まれます。
萼を覆うように多数の突起が見えますが、これは副萼片といわれます。
キンミズヒキ14wb2.jpg

副萼片はさらに伸びて、突起の先がフック状になり後にひっつき虫の棘になります。
キンミズヒキ緑の果実wb.jpg

緑色の果実は秋の深まりと共に黄色っぽく変色。
キンミズヒキ果実多2wb.jpg

1本手折って室内で見ました。
これはまだ緑色が残る果実ですが、副萼片の先は鉤の手に卷いています。
キンミズヒキ若い果実wb.jpg

褐色になると完熟、痩果ですが萼や副萼に覆われていて偽果とよばれます。
くっつきやすいように下向きについています。
キンミズヒキ果実棘2wb.jpg

落下中の果実が、たまたま倒れた花序の果実に絡まって風に揺れていました。
この棘が頑丈である事の証しですね。
キンミズヒキ実落下wb.jpg

偽果の構造を見るために上部で水平にカミソリを当てました。
棘を含めた直径が5m弱、固くて刃が立たないような実は危ないので敬遠。
中の痩果(果皮に包まれた種子)が確認できました。
キンミズヒキ果実割面1wb2.jpg

今度はやや若い偽果で垂直にカミソリを当てました。
そして左半分は果皮を破らぬように周りの萼を取り除きました。
褐色の果皮に包まれた痩果が現れました。
拡大してありますが、実物は直径2mmくらいです。
キンミズヒキ偽果割面3wb.jpg

さらに褐色の果皮を剥がすと白い種子が現れました。
種子は半球状の2個が合わさっているようです。
キンミズヒキ痩果2wb.jpg

キンミズヒキの果実は哺乳類の毛に付いて運ばれたいのでしょうが、この庭にはキツネやタヌキもノウサギも来ません。たまに入ってくるのは野良猫くらいでしょうか。



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スズメウリ  [草花(夏秋)]

スズメウリ
 雀瓜   ウリ科スズメウリ属の蔓性1年草
 学名:Zehneria japonica
 分布:本州以南、済州島。
 花期:8〜9月

庭のあちこちにスズメウリが自生します。野鳥のお土産でしょうね。
シュウメイギクの花を撮った時、隅に蕾のような円い果実が写っていました。
既にスズメウリの花の季節は過ぎ、まもなく果実も終わろうとしています。
果実が残っているうちに急いで記事を纏めたいと思います。
スズメウリ果実2014-4wb.jpg

スズメウリの花は蔓から伸びた細い花柄の先に1つづつ咲きます。
雌雄異花、大きな子房があるのが雌花です。
野草ながら学名通り和風の雰囲気のある植物です。
スズメウリ2013-1wb3.jpg

ここでは蔓を伸ばしてシュウメイギクの茎に巻き付きながら花を咲かせ、実を育てています。
スズメウリ2014-1wb.jpg

日陰の樹々の間でも生育良好。
スズメウリ果実多wb.jpg

この花には子房がついていないから雄花。
合弁花で花冠は5裂しています。
スズメウリ雄花3wb.jpg

花の直径は6〜7mm。うーんと拡大すると.............?
真ん中に太短い雄しべが3本、葯は6個、濃い黄色の花粉が出ているのが見えました。
スズメウリ雄花2013-2wb.jpg

雄しべは本来5本、このうち1本を残し2本づつ合着し3本になるそうです
(合着雄しべ)。
スズメウリ雄花2wb2.jpg

間もなく開花しそうな雌花の蕾。
スズメウリ雌花蕾wb2.jpg

雌花の花冠も5裂する事が多いようです。
萼筒はカップ型、小さく細い萼片は萼歯とよばれます。
太い雌しべが3本。
スズメウリ雌花4wb2.jpg

雌しべの花柱はそれぞれ2つに分かれ、柱頭は6個と書かれています。
これは確認しづらいですね。
スズメウリ雌花2wb.jpg

蕾の写真と比べると子房が大きい。
受粉後花冠はしぼみ、果実の形成が始まったのでしょう。
スズメウリ果実若2013wb.jpg

はじめ楕円体の果実は次第に膨らんで球形に近づきます。
スズメウリ果実緑2013wb.jpg

緑色の果実はさらに成熟すると白くなります。
スズメウリ果実白緑wb.jpg

完熟すると直径1cmほどの白いボールのようになります。
この株はサクラタデの茎に絡んでいました。
スズメウリ果実白wb.jpg

白い果実を一粒採って真ん中を横に切りました。
なるほど、液果です。少量ながら果汁が滴りました。
内部は3室、ゼリー状の果肉に包まれた種子がそれぞれ重なっていました。
毒はないようですが味はどうでしょう?
おそるおそる口に含みました。
ほのかに甘く瓜類特有の風味がありますが美味しいとはいえません。
スズメウリ果実割面wb.jpg

これを茶こしに入れてゼリー状物質を洗い流すと黒い扁平な種子が15個現れました。
大きさ4x5mm。
これなら鳥は好物のはず、果実を食べて種子を運んでくれるでしょう。
スズメウリ種子4x5mmwb2.jpg

学名についてウェブ検索するといくつもの名前が出てくる事があり、素人の悩みの種でした。
この度「BG Plants 和名−学名インデックス」YList("ワイリスト”)を知り、この標準名を記載することにしました。
しかしこれも研究者により次々と更新されているようです。

今回の スズメウリについては下記のように記されていました。
( )内は原命名者、その後は命名者です。これらは省略しようと思います。

Zehneria japonica (Thunb.) H.Y.Liu  スズメウリ 標準 
Neoachmandra japonica (Thunb.) W.J.de Wilde et Duyfjes スズメウリ synonym 
Melothria japonica (Thunb.) Maxim. ex Cogn.  スズメウリ synonym 

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タカサゴユリ 花と種子 [草花(夏秋)]

タカサゴユリ
 
 ユリ科多年草草本
 学名:Lilium formosanum
 別名:ホソバテッポウユリ, タイワンユリ
 英名:Formosa lily
 草丈:0.5〜1.5m
 花期:7〜9月

タカサゴユリは台湾原産ですが、19世紀の末に観賞用としてイギリスに導入され、以後各国に広がりました。
日本では1924年から栽培され、近年は各地で野生化しているそうです。
この庭にも植えた覚えがないのに10年以上前から咲き初め、一時は増え過ぎましたが、最近はほどほどに自生しています。
開花は主に8月ですが、今年は後から生えた数株が11月に開花、長く楽しめました。
種子も完熟してきましたので、季節外れの感もありますがここでまとめてみることにしました。
タカサゴユリ3花wb.jpg

花は長さ15cm、直径13cmくらいで花弁の内側は乳白色、外側には紫褐色の筋模様があります。
タカサゴユリとよく似た花にテッポウユリがあります。
テッポウユリは日本の南西諸島が自生地で、タカサゴユリよりやや小振り、花弁の筋模様は無く純白です。(追記)花期はタカサゴユリより早く5〜6月。
タカサゴユリ2wb.jpg

しかし例外もあります。
この花はほぼ純白で筋模様がはっきりしません。
タカサゴユリの花はラッパ状に開き、花弁は6枚。
細い線形の葉は巾 7〜10mm、長さ約15cm。
タカサゴユリ-1wb.jpg

筋模様は蕾のときからすでに見られます。
タカサゴユリ蕾有色wb.jpg

開花したばかりの花。
まだ葯が開いていない初々しい雄しべと、帯青色の雌しべの柱頭がきれいです。
タカサゴユリ葯未開1wb.jpg

満開!
6個の葯が開いてまっ黄色の花粉に覆われ輝いています。
今年の花が終わってから知ったのですが、タカサゴユリは花が枯れると花弁が巻き込み自家受粉もするそうです。
しかし、雌しべはいつも雄しべより長く、他家受粉優先ですね。
タカサゴユリ-2wb.jpg

11月になるとタカサゴユリの果実(蒴果)が熟してきました。
タカサゴユリ果実wb.jpg

タカサゴユリは夥しい種子を作り、その種子が風に乗って散布されます(風媒花)。
庭中に広がらないよう、完熟する前に切り取ることが多いのですが、今年は種子を見るためそのままにしておきました。
11月19日、蒴果は完熟したようです。
タカサゴユリ種子2wb.jpg

上から見るとすでに種子が溢れ初めていました。
タカサゴユリ種子1wb.jpg

鞘の長さは約10cm。
6室に分かれてそれぞれにびっしり種子が詰まっています。
タカサゴユリ種子7wb.jpg

鞘を揺すると続々と種子がこぼれ出ます。
サヤサヤ音を立てながら出ること出ること!
ポテトチップスのミニチュアのような薄い種子です。
風に舞ってしまいますから室内で紙箱の中での試みです。
数えきれませんが、1蒴果当たり数百から1500個くらい入っているようです。
一方、日本産のユリの種子は50〜300個だそうです。
タカサゴユリ種子5wb.jpg

タカサゴユリの特徴は種子から育ち、1年目にもう花を見ることが出来るということです。
今年新たに自生した1群。
花弁は下垂気味で、しおらしく清楚です。
タカサゴユリ2012庭wb.jpg

タカサゴユリはテッポウユリと交配し易く、交雑種はシンテッポウユリと呼ばれます。
シンテッポウユリは種子から育てて1年目で切り花を収穫できるため、両者の特徴を生かして園芸品種が作られ利用されています。
一方、野生化した交雑種はタカサゴユリとの鑑別に苦慮することがあるようです。

これだけ多数の種子から芽が出たらたいへんなことになります。しかし、発芽率はそう高くないようです。
テッポウユリは連作障害が出やすいそうですが、本種もその傾向があるらしく、群生しても数年経つと消えてしまうこともあるようです。でもタカサゴユリは種子による繁殖が出来るのでまた新たな土地でどんどん育つのでしょう。
日本ではすでに宮城,福島、関東以南に野生化が拡大しているようです。
増え過ぎに注意は要りますが、花が大きく美しいのでこの庭では自生させて生花にも重宝しています。
百合特有の香りはありますがあまり強くはありません。




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フウセントウワタ [草花(夏秋)]

フウセントウワタ

  キョウチクトウ科(←ガガイモ科)の1年草(暖地では多年草)
  学 名:Gomphocarpus fruticosus 
  別 名:フウセンダマノキ
  原産地:南アフリカ
  草 丈:1〜2m

今春、園芸店の隅でフウセントウワタの苗を見つけ2株購入し庭に植えました。
ヤナギのような細い葉が出てどんどん大きくなりましたがなかなか花は付きません。
7月下旬やっと小さな白い花が咲き始めました。
フウセントウワタ花初wb.jpg

葉腋から出た細い花茎に数輪がぶら下がるように咲きます(散形花序)。
風にゆらゆらして軽やかで優しい花です。
フウセントウワタ花1wb.jpg

たくさん花が咲いて細い茎が重そうに撓んでいます。
フウセントウワタ花多wb.jpg

ふっくらした蕾。
おや、左の花に何か付いています。
フウセントウワタ蕾wb.jpg

アリでした。小さなアリがびっしり付いています。
風に揺られながら夢中で蜜を舐めているようです。
むつかしそうな花の構造。
ネット検索で福原 達人先生(福岡教育大学)の「植物形態学」にフウセントウワタの美しい画像と解説がみつかりました。
http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/fuusentouwata.html
これを予習してから花を観察することにしました。
アリ多数1wb.jpg

さて、どこに蜜があるのでしょう?
下向きの花をそっと上に向けて写真を撮りました。
元ガガイモ科の花ですから、やはり、ガガイモに似ています。
肉眼ではガガイモの花のようには目立ちませんが、花弁はうっすらと細かい毛で覆われていました。
その内側にピンク色の袋状の出っ張りが5個あります。
これが「副花冠」です。
フウセントウワタ花2輪wb2.jpg

副花冠の凹みの中に蜜が貯まり、ここにアリが集ってくるのです。
中央の5角形に見える部分は雄しべと雌しべの集った蕊柱(ずいちゅう)の柱冠です。
柱冠に5個の褐色のしみのようなものが見えます。
これが雄しべの葯だそうです。雌しべは外からは見えません。
フウセントウワタ蕊柱wb.jpg

たしかに1つの副花冠に1匹づつ、アリが張り付いています。
フウセントウワタ・アリwb.jpg

花の後はほっとする単純さ。
小さな萼片5枚と5つに深く裂けた花冠だけ。花径は約18mm。
フウセントウワタ花弁裏wb.jpg

正面や裏面から見ると、花弁が5枚あるように見えていましたが、横から見れば一続きの花冠であることがはっきりわかります。
蕊柱の回りを副花冠が取り囲んでいます。
その間にかすかに見える黒っぽい点ひとつ。
花粉塊のクリップです。この奥に花粉塊があるそうです。
雌しべは蕊柱の中に2裂した状態で入っています。
フウセントウワタ花粉1Lwb.jpg

特有な花粉塊、老眼で見えるかどうか問題ですが試してみることにしました。
まず花を一つ採取。
赤い矢印のところを福原先生は紙片で動かされたようですが、4〜5mmの蕊柱に中の1mmもない隙間の奥のこと、粘着性ありとはいえ、小さな小さな点のような突起は老眼には確認困難です。
フウセントウワタ花横1Lwb.jpg

やむを得ず針でつついてみました。
黄色いゴミか埃のようなものがついてきたような? 長さ2mm弱です。
紙に付着させてデジカメで接写。
画像を拡大すると何とか花粉塊を確認しました(左)。
クリップの左右に一つづつ花粉塊がぶら下がっています。
さらにもう一度! やや拡大できましたが一方の花粉塊がひねっています(右)。
私のカメラと腕と視力ではもうこれで限界かとあきらめました。
花粉塊1-2wb.jpg   花粉5-2wb.jpg

花を訪れる昆虫はあまり見かけませんが、いくつかは受精して実になり始めました。
子房の周りに柔らかい毛のような突起が伸びて来ます。花柄も伸びて、くるりと反転します。
フウセントウワタ実初1wb.jpg

名のごとく風船のようにふくらみました。
フウセントウワタ実曲wb.jpg

開花は6〜7月、果実鑑賞は8〜10月と書いてある資料もありますが、この庭では7月中旬から開花、10月も終わらんとする今なお、下の方では果実を作りながら上では花が咲いています。
フウセントウワタ花実2wb.jpg

大きな果実は直径5cmほど、圧せば凹みます。
棘が生えているように見えますが、柔らかいので触れても痛くありません。
フウセントウワタ実1wb.jpg

2株で50個ほどの果実が実りました。
この果実付きの枝は水揚げもよく、生花としても販売されています。
果実が褐色になり、次いで2つに割れて綿毛が出る頃がまた楽しみです。
フウセントウワタ全果実wb.jpg

花粉塊によるフウセントウワタの受精はガガイモと同様かと思われます。
これについては、「花*花・flora」なかなかさんのすばらしい解説がありますのでご紹介させていただきます。
「ガガイモの両性花と雄花」
http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/gagaimo.htm

もう一つ、うれしいことがありました。
このフウセントウワタにヒメジュウジナガカメムシの団体が住み着いたのです。
このかわいいカメムシについては既に2011-08-24の記事に書きましたが、フウセントウワタでの記録も次回のブログに載せたいと思います。
  http://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2011-08-24

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カンナ [草花(夏秋)]

カンナ
 学名 Canna indica hybrid
 別名 ハナカンナ

一般のカンナは全て前述のダンドクから作り出された園芸種だそうです。
ダンドクの記事を書こうとした時、花の構造がわからなくなりました.
花数の少ないダンドクの代わりに先ずカンナの花を調べることにしました。
うちの駐車場の隅に植えた覚えのない赤いカンナが毎年咲きます。
これならうちのものですし、花数多く摘んでも目立ちませんので観察向きです。

カンナ2012wb.jpg

カンナの花は1茎に数輪が次々と開花します。
近づいても大きな花弁ばかり見えて、やはり雌しべも雄しべも判りません。
カンナ2012-1wb.jpg

文献を調べてみました。
驚いたことにこの大きな花弁だと思っていたものは、雄しべが変化したものでした。
咲いたばかりの花を観察してみます。
花弁化した雄しべは全部で5枚、1〜5までマークしました。
花粉を出した雄しべの葯が1本、真ん中に見えます。
雌しべはその右にあって花粉がべったりついています。
さらにその右に白っぽく尖って見えるのが本来の花弁です。
でもこれではわかりにくいですね。
カンナ花の構造wb.jpg

開花しそうな蕾を採って開いてみることにしました。
カンナ蕾花粉有1wb.jpg

まず小さな萼3枚を外し右下に置きました。
その上へ黄色っぽい舟形の花弁を3枚。
赤い花弁と見える雄しべはきりりと卷いています。そうっと1枚づつまず4枚外しました。
5枚目は小型で左端に本来の雄しべが付着し、黄色の模様があります。これは右から4枚目に置きました。
真ん中の黄色いのが雌しべで、下部に子房があります。
カンナ蕾過塾4wb.jpg

中央部を拡大します。
黄色で先端だけ赤いへら状の雌しべに白い花粉がついています。
右の雄しべの葯はすでに花粉を出し終わっています。
開花する前に受粉は終わっていたのです。
カンナ蕾過塾2wb.jpg

もっと若そうな蕾を開けてみました。
カンナ蕾1wb.jpg

雌しべは先の尖ったへら状ですがクリーム色で柔らかい。
雄しべの葯は未開、大きく艶やかです。花糸は隣の花弁状の雄しべと合着しています。
若い雄しべと雌しべが確認できました。
カンナ蕾花粉未2wb.jpg

さらに花粉が出始めた状態の雄しべが見たく、少し膨らんだ蕾を開きました。
カンナ蕾過塾wb2.jpg

花弁状の雄しべを4枚はがすと、雄しべの葯が雌しべに斜めにぴったり付いていました。
カンナ花粉スタンプ1wb.jpg

これをそっと剥がすと、葯は開いていて花粉が出始めていました。
雌しべをよく見ると葯が着いていた跡に花粉が斜めにうっすら付いています。
花粉が成熟するとすぐ、接している雌しべに直接付着するようです。
まるで花粉スタンプです。
カンナ花粉スタンプ3wb.jpg

これは前の記事のダンドク の花。最後の花の拡大像です。
左の雄しべの花粉が右の雌しべの右肩にスタンプを押したように付着していました。
上のカンナの3枚目の花や、一つ目の蕾の雌しべ雄しべと同じ状態です。
未熟な雄しべは雌しべに接した状態で蕾の芯になり、その周りを花弁化した雄しべにきりりと卷き上げられ、成熟して葯が開くと花粉は直接雌しべにスタンプされるのではと想定されます。
ダンドク花8wb2.jpg

こちらはカンナの果実です。ダンドクと異なり、カンナは1花序がほとんど同じ頃に咲くので、同じような大きさの果実が多数並んでいます。
天辺には3枚の赤っぽい萼が花のように残っています。
カンナ果実wb.jpg

カンナは昔から見慣れた花ですが、花のつくりを考えたこともなく過ごしてきました。
子どもの頃、大きな細長いサツマイモのような根茎を植えたのを覚えています。
カンナの繁殖は根茎を主としていて、種子は予備手段なのでしょうか。
とするとスタンプ方式は最も無駄のない自家受粉と思えます。
これらは一般に他家受粉を優先する植物界にあって例外的ですが、ダンドクでは種子は完熟しています。たとえ根茎が無くなっても種子で確実に子孫を繋げます。
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ダンドク [草花(夏秋)]

ダンドク
 カンナ科 ダンドク属(カンナ属)
 学名 Canna indica L.
 漢名 曇華・檀特
 熱帯アメリカ原産の多年生草本。草丈1〜2m。
 広く世界の熱帯から温帯で栽培され、一部は野生化。
 日本には江戸時代初期に渡来、沖縄その他に帰化(沖縄方言では マーランバショウ)。

5月に淡路の703さんからいただいたダンドクです。
http://kochira703.exblog.jp/15180260/
鮮やかな緑色の葉の中央にすっきりした蕾がひとつ見えます。
これは小笠原諸島に残存していたダンドクの子孫という稀少な1株です。

ダンドク初蕾wb.jpg

初めて咲いた花。
鮮やかな朱赤色と黄色の組み合わせが絶妙です。
花の大きさは約5cm。
カンナのイメージからはほど遠く、こじんまりとおとなしい印象です。
ダンドク花3wb2.jpg

ダンドクを検索すると赤、橙、黄色の3色がありました(アカバナダンドク・キバナダンドク)。
でもこの花のように上部3弁は朱赤色、下弁に黄色の模様が入った花は見つかりません。
原種には模様がないようですから、これは初期に作られた園芸品種でしょうか?
ちなみに牧野植物園(高知県)では橙色の花が植えられ「オランダダンドク Canna Patens」と表示されています。
しかし、オランダダンドクという語はダンドクのみならずカンナの別名ともされ混乱しているようです。
ダンドク花1wb2.jpg

花は5月に1花、7月1花、9月4花、10月2花と1花づつぽつりぽつりと咲きました。
1枝に1〜3花、花の命は3日くらいです。
側面はさらにほっそり。
白いのは雌しべ?雄しべ?
ダンドク花5wb2.jpg

今までの画像からは花の構造が不明瞭でした。
そこでカンナの花の構造をしらべたところ、かなり特殊性がありました。
ダンドクも同じ仕組みでしょう。
驚いたことにまず、この紅い花弁に見えるところは雄しべが変化したものでした。
外側の黄色い尖った部分が花弁です。
ダンドク花2wb.jpg

最後に咲いたこの花の画像が最も判り易いものでした。
花弁状の紅い3枚とまだら模様のある2枚は変形した雄しべ(計5本)。
真ん中から左に伸びた白い細い棒状に見える1本が花粉を出す雄しべ。
雄しべは6本のうち5本は機能を失って花弁化したのです。
そして右側の白い花粉を付けたへら状のものが雌しべでした。
本来の花弁は右下の黄色く尖った部分で3枚あります。
(画面をクリックして大きい画像でごらん下さい。)
ダンドク花7wb.jpg

ポット苗が5か月でこんなに成長しました。
全部で花軸8本。一番高いものは130cm。
ダンドク1花wb.jpg

子房が膨らんでイガイガの青い果実になります。
天辺に3枚の萼をつけたまま大きくふくらんでいます。
熟した蒴果は長さ約3cm。
ダンドク果実3wb2.jpg

完熟すると開いて弾丸のような黒い種子が並んでいるのが見えました。
英名Indian shot は種子に由来。
ダンドク果実1wb.jpg

2つ目の果実。
ダンドク果実3wb.jpg

ダンドクは耐寒性がないようです。
この苗は淡路の703さんが種子から育てられたものです。
http://kochira703.exblog.jp/15210544/
カンナの種子は長期保存が出来るようですから私も試してみます。

花の構造についてはカンナの花の観察から理解できるようになりました。
これについては次回の記事にしたいと思います。

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