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スタージャスミン・ハツユキカズラ  [花木(初夏)]

庭にはもう2種類のテイカカズラ属の園芸種が育っています。

スタージャスミン
 テイカカズラ属の常緑つる性木本

 学名:Trachelospermum jasminoides
 別名:トウキョウチクトウ(唐夾竹桃)、トウテイカカズラ(唐定家蔓)
 英名 : star jasmine
 原産:中国、台湾
    中国名は絡石。根、茎、果実は薬用とされます。
 花期:5月 テイカカズラより約1週間後。

この花は‘スタージャスミン’ の名で流通していますが、中国・台湾に分布するトウキョウチクトウと同一かと思われます。
植えて10年余、テイカカズラよりこじんまりして棚ではなく、フェンスに収まっています。
テイカカズラが満開になった頃開花し始めます。
スタージャスミンwb.jpg

純白の花は咲き進んでも黄色くならず、清楚な感じです。
対生の葉はテイカカズラに比べて先が尖って長く、やや明るい緑色。
香りはテイカカズラより強いようです。
スタージャスミン09-2wb2.jpg

花は房咲き(集散花序)。
テイカカズラによく似ていて花冠も5裂。
スタージャスミン花序wb.jpg

但し、テイカカズラとは萼片が異ります。
スタージャスミン花序2wb.jpg

花筒の細い部分がテイカカズラより短く、5枚の萼片が反り返ります。
近畿以西にはトウキョウチクトウの変種とされる「ケテイカカズラ」があります。
ケテイカカズラは花柄や葉の裏面に毛が多いそうですが、これは毛が目立ちません。
スタージャスミン3wb.jpg

花冠は5裂し辺縁の一部が襞状。
スタージャスミン1wb.jpg

中心部の着色は少なく副花冠は黄緑色、細かい毛が密生しています。
スタージャスミン5wb.jpg

花筒を割るとテイカカズラと同じ構造です。
雌しべの花柱がやや短いので、花筒の太い部分と細い部分はほぼ同じ長さになります。
スタージャスミン6wb.jpg

葯が囲む円錐形の部分に白い花粉が詰まっています。
スタージャスミン花粉wb.jpg

この割面では5本の雄しべが数えられます。
雌しべは粘液の下の色が薄い部分が柱頭でしょうか?
スタージャスミン割面3wb.jpg

一度だけ果実が育ったことがあります。
しかし完熟を見届けることはできませんでした。
スタージャスミン実07.8wb..jpg
(和名をボルネオソケイという植物の英名もstar jasmine、混同にご注意ください。)


ハツユキカズラ
 テイカカズラ属の常緑つる性木本 園芸品種
 別名:フイリテイカカズラ(斑入り定家葛)

10年以上前、美しい葉に魅せられてグランドカバーにしようと苗を購入しました。
当時はこれがテイカカズラの仲間でこのように生育旺盛とは知らなかったのです。
数年後勢いよく繁茂し、周りの植物に這い上がって撤去に苦労しました。
ハツユキカズラ侵略20060817-1wb.jpg

その性質を知ってから植える場所を選べばよかったのです。
コンクリートの階段から垂らすと良い眺めになりました。
初雪カズラ11-2wb.jpg

時には白やピンクの花が咲いたかと思うほどの美しさです。
ハツユキカズラ2012-4wb.jpg

5月18日、初めて花を見つけました。
一部がサネカズラの垣根に侵入してよじ登っていたのです。
下の方の緑色の葉の間に小さな白い花が見えます。
ハツユキカズラ花wb2.jpg

花はスタージャスミンに似ていますが小型です。
ハツユキカズラ花1wb.jpg

これも散房花序。
ハツユキカズラ横2wb5.jpg

萼片は花筒に密着せず開いています。
子房から花柄にかけて細かい毛が密生。
これはケテイカカズラに見られる特徴です。
ハツユキカズラ横2毛wb.jpg

花冠の基部は淡黄色、副花冠は発達せず、毛が目立ちます。
ハツユキカズラ花2wb3.jpg

花筒の下部はスタージャスミンよりまたさらに短く、遊離した萼片が大きい。
3)五色づた3wb2.jpg

雄しべは低い位置にあり、隙間が見えます。
3)五色づた2wb.jpg

5月23日、ハツユキカズラの最後の花を採って3種を並べました。

左より ハツユキカズラ    テイカカズラ      スタージャスミン
花の直径   約2cm      2〜3cm         2〜2.5cm
3)-1)-2)横wb3.jpg

花の裏側  ハツユキカズラ    テイカカズラ    スタージャスミン
3)-1)-2)後wb2.jpg

葉(右は裏面)ハツユキカズラ     テイカカズラ     スタージャスミン
テイカカズラ3種葉wb1.jpg

ケテイカカズラは葉の裏面にも毛があるそうですが、これら3種は葉には毛がありません。
ハツユキカズラはケテイカカズラに近い品種のようです。

ハツユキカズラに花を見たのは今年が初めてです。
これを機にテイカカズラを纏めたいと思ったのですが、花の構造を調べているうちに花期が終わってしまいました。花の写真が不出来で見難いことをお詫びします。
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テイカカズラ [花木(初夏)]

テイカカズラ
 定家葛  キョウチクトウ科テイカカズラ属の木本性つる植物
 学名: Trachelospermum asiaticum
 別名:マサキノカズラ
 分布:本州、四国、九州、朝鮮半島。
 花期:5月

2000年に植えたテイカカズラが最も美しかったのは2012年。
使わなくなったキウイの棚を覆い、シャクナゲと同時に開花しました。
テイカカズラ20120512-1wb.jpg

5月、一斉に開花すると辺りに芳香が漂います。
テイカカズラ2012wb2.jpg

大きな房状の花(集散花序)。
テイカカズラ2012花序wb.jpg

花の直径は2.5〜3cm、花弁は風車やプロペラのように5裂。
花筒の下部は細く、上部は襞があってふっくらしています。
それにしても不思議な花です。雄しべも雌しべも見えません。
テイカカズラ070518wb.jpg

7月、長い豆のような果実を見つけました。
一対の長さ20cm弱の袋果です。花に比べて大きいのに驚きます。
花はあんなに多かったのにこの年の果実は一つだけ。
テイカカズラの実1wb.jpg

11月下旬、やっと果実が割れ、白い毛と茶色の種子が見えました。
テイカカズラ果実割れwb.jpg

これがテイカカズラの種子です。白絹のような種髪が美しい。
テイカカズラ種子4wb.jpg

花の構造は上から見ても横から見てもわかりません。
今年はネット検索をしてから花を採取して室内で観察することにしました。
テイカカズラは茎を切ると白い液が出ます。これは有毒だそうです。
開花したばかりの真っ白な花弁、中心部は黄色。
テイカカズラ1wb.jpg

中央の黄色の部分には細かい毛が見えます。
中心に向かって5つの突起、これを副花冠というそうです。
真ん中の白っぽい部分は5本の雄しべの先端。
穴のように見える5つの隙間に昆虫が長い口吻を差し込んで蜜を吸う仕組みです。
テイカカズラ花拡大wb.jpg

副花冠の周りにも微小な毛があります。
テイカカズラ花拡大2wb.jpg

花を縦に切り開きました。
左の中央の緑色の部分が雌しべ。
雄しべは上部の円錐形の部分で、上の方が葯、花粉は円錐上部に出ます。
下の細い花筒には蜜が溜まります。
テイカカズラ花筒両断面wb2.jpg

若い花を浅く切り開いてみました。
円錐を構成する葯が見えます。
下部の中央が雌しべ、その上部は粘液に覆われています。
テイカカズラ柱頭部wb.jpg

柱頭は雌しべの先端ではなく、粘液の下の膨らみにあるようです。
テイカカズラ花割面3wbL.jpg

花の凹みに細い針金を通そうと試みられた方もありましたが成功しなかったようです。
今回ネット検索にて見つけた「杉並の自然学/植物/テイカカズラ 」で 田中肇先生が毛髪で成功された記事(牧野植物同好会誌94号)を読み、追試させていただきました。
テイカカズラ毛髪1wb.jpg

毛髪は容易に下まで入り、引き抜くと先端に白いものがついてきました。
とすると、口吻は入り口の毛によって葯の隙間に誘導され、柱頭の周りの毛で他花からの花粉を落とし、蜜を吸った帰りに粘液と花粉をまとって出てくるのではないでしょうか。
テイカカズラ毛髪2wb.jpg

顕微鏡で確認すると粘液が絡んだ花粉が付いていました。
テイカカズラ毛髪花粉2wb.jpg

粘液を溶かして、やっとテイカカズラの花粉を見ることができました!
粘液KOH3wb.jpg

しかし、こんなに多くの花を咲かせてたった1〜2個の果実を残すのはいかにも能率が悪い。
この庭に口吻の長い昆虫が飛び交うのは夏期、開花期に見られるのは少数のアゲハチョウくらいです。
でもテイカカズラにとって花は万一の備えに過ぎないかもしれません。
これは棚を下から見上げて絡み合った蔓の一部を写したものです。
テイカカズラ蔓絡みwb.jpg

蔓といっても基部は直径4cmほどになり、太い蔓の各所にイボ状の突起があります。
テイカカズラ付着部1wb.jpg

これらの突起や中央のブラシ状の部分は気根(朝日百科では付着根)といって絡みつくために出した根が遺残したもののようです。
テイカカズラ付着部3wb.jpg

和名「テイカカズラ」は謡曲「定家」に由来し、藤原定家と愛し合った式子内親王の墓に、定家葛(テイカカズラ)がまとわりつく苦しみを、旅の僧に訴えるという曲だそうです。
やはりこんなに絡みつかれては恐ろしくなりますね。
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ゼンマイ [野草]

ゼンマイ
 薇  ウラボシ綱(シダ綱) ゼンマイ目 ゼンマイ科の多年生シダ植物。
 学名Osmunda japonica 

毎春、庭の真ん中で踏み込み難いところに、植えた覚えのない植物が出てきます。
今年も3月下旬、白っぽい若芽を見つけました。
これは何でしょう?
胞子葉芽出し2015wb.jpg

ワラビが毛で包まれたような形。ひょっとしてゼンマイ?
検索してみますと、やはりゼンマイでよさそうです。
胞子葉芽出し1-2015wb.jpg

大きくなると頭部の綿の間から黄緑色の若芽(?)がのぞきました。
これがゼンマイの胞子葉。
胞子葉芽出し2-2015wb.jpg

胞子葉の頭部。
胞子葉3wb.jpg

赤い葉軸のまわりに黄緑色の粒々がびっしりと付いています。
これは胞子嚢です。
胞子葉4wb.jpg

続いてまたニョキニョキと白い毛に包まれたワラビのようなものが生えてきました。
ゼンマイの栄養葉です。
栄養葉芽生えwb.jpg

栄養葉の若芽は赤褐色。
栄養葉2wb.jpg

胞子葉が先に大きく育ちます。
胞子葉と栄養葉、どちらも食べられるのでしょうか?
ゼンマイの産地では栄養葉を「女ぜんまい」、胞子葉を「男ぜんまい」と呼び、採るのは「女ぜんまい」のみ。それも翌年のために少し残します。
胞子葉先熟2wb.jpg

左は胞子葉、右は葉が開いた栄養葉。
ゼンマイ胞子葉栄養葉wb.jpg

胞子葉の先端部を拡大します。緑色の魚の卵のよう。
胞子葉成熟1wb.jpg

さらに拡大すると胞子嚢は緑色のブドウのような球形。
ゼンマイの胞子には葉緑体が含まれているそうです。
胞子葉成熟1wb2.jpg

胞子放出中。
まだ胞子が残っている胞子嚢があります。画面をクリックしてごらんください。
前回書いたトキワシノブの胞子嚢には環帯があり、ここが収縮して胞子嚢を裂開させましたが、ゼンマイには環帯がなく、厚壁細胞が一カ所に集まっているだけだそうです(Wikiwand)。
またゼンマイでは胞子嚢が一斉に熟する性質があるそうですが、この日は、煙のように胞子が飛び立つのが見られて幸いでした。
胞子散布中2wb.jpg

胞子を顕微鏡で見てみました。
確かに大きな胞子です。
胞子1wb.jpg

拡大すると葉緑体が見えました。
胞子3wb.jpg

空になった胞子嚢。
胞子散布後3wb2.jpg

胞子葉は褐色になって退化していきます。
一方、栄養葉はたくまく葉を広げて赤褐色から緑色になりました。
ゼンマイ0420wb.jpg

2回羽状複葉。
葉脈は遊離(先で癒合して網を作らない)。これも画面をクリックすると見られます。
ゼンマイ葉0503表wb.jpg

5月21日、崩れた胞子葉が中左寄りにわずかに見えます。
栄養葉の緑色が深まって葉が硬くなっていました。
ゼンマイ葉完wb.jpg

2本切り取って長さを図りました。
80〜90cmあります。
ゼンマイ葉2枚wb.jpg

切った葉の葉柄にまだ綿毛が残っていました。
これで2本分です。
昔はこれに真綿を足して綿糸の代用にして布を織ったり、手まりをつくったりしたそうです。
ゼンマイ綿毛wb.jpg

庭に自生したゼンマイを追ってみました。
山野にたくさん生えて食用にするものとは、育ち方が違うかもしれません。
この庭のゼンマイの記録です。

食用のぜんまいの作り方をYou Tubeで見ました。大変な作業ですね。
やはりワラビとゼンマイは全然違います。
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2017年春の庭  [庭便り(春)]

2017年春の庭
この庭は17年前、歩けなくなっても自宅で花が見られるようにとの思いで造りました。
昨年ついに大手術を受け、幸いにも少しは歩けますが、しゃがめないので植え付け、草取り、花殻摘みはできません。
そのため庭は放りっぱなしでも咲く花がメインになりました。
今日はそういう花たちを並べます。

ダッチアイリス アポロ アヤメ科アヤメ属
朝の庭に突如予期せぬ花2輪、2年前に一度だけ咲いて消えてしまったかと思っていたアイリスです。
大きな花が誇らしげに朝日に輝いていました。
そういえば左の長く細い葉は去年もあったのです。
右下のピンクの花は大株になったリクニス フロスククリ。
ダッチアイリスwb1.jpg

コンロンソウ 崑崙草 アブラナ科タネツケバナ属
5年前いただいて日向に植えたら消え入りそうになり、日陰に移植しました。
今年はしっかり増えてもう安心です。
コンロンソウ2017−1wb.jpg

近くで見るとやはりタネツケバナに似ています。
コンロンソウ2016-2wb2.jpg

キボタン ボタン科ボタン属
白やピンクのボタンが今年は花をつけなかったのに、キボタンは元気です。
今年は20輪ほど咲きました。
黄ボタン2017wb.jpg

開花直前。
黄ボタン3wb.jpg

シロヤマブキ バラ科シロヤマブキ属
シロヤマブキは裏の日陰にあって剪定も水遣りもしたことがありませんが、気品のある花が毎年咲きます。
花が咲いてもまだ黒い種子が残っていて、離れたところに2世が2株開花しました。
シロヤマブキ2017-1wb2.jpg

アニソドンテア・ピンククイーン アオイ科アニソドンテア属
何度もブログに登場しましたが、今年は最も大株です。
大株になると突然立ち枯れしますから、挿し木をしておく必要があります。
サクラアオイと呼びたい色です。
サクラアオイ2017-3wb.jpg

アリウム トリクエトルム ミツカドネギ(三角葱) 
ネギ科ネギ属 南欧地中海沿岸原産の帰化植物
友人から頂いて裏庭に植え、ほどほどに増えています。
しかし友人宅では猛烈に増えて退治に大わらわのようです。
アリウム2017−3wb.jpg

俯いて咲く花を覗くように撮りました。
アリウム2017−4wb.jpg

ブルンネラ ‘ジャックフロスト’
ムラサキ科ブルンネラ属
東ヨーロッパ・西アジア・西シベリア原産の園芸種。
葉も観葉植物のようで美しく、ワスレナグサのような花が咲きます。
日陰の庭で一時はわーっと増えましたが、今は一株が辛うじて花を見せてくれます。
ブルンネラ1wb.jpg

ユキザサ 雪笹 キジカクシ科(←ユリ科)マイズルソウ属
端正な緑色の葉の間から花穂が伸びて清楚な白い花を咲かせます。
毎春見つけると歓声をあげたくなる花です。
ユキザサ2017−2wb2.jpg

チオノドクサ
和名 ユキゲユリ(雪解百合)キジカクシ科ツルボ属
クリスマスローズなどの陰になりそうな隙間からかわいい花を見せてくれます。
放ったらかしを詫び、来年は移植しようと思いながら花が終わると忘れてしまって申し訳なく思っています。
チオノドクサ1wb.jpg

ヒトリシズカ センリョウ科チャラン属
2012年の記事に書いた時は11本でしたが、今年は20本ほどに増えています。
この花も本当に手間いらずです。
ヒトリシズカ2017wb.jpg

4月末、母が98歳の生涯を終えました。
花が好きでここに来ると真っ先に庭を一周する習いでした。
別れの日にはこの庭で撮った写真を飾りました。
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木曽川堤の桜 (2)  [庭の外]

木曽川堤の桜 (2)

木曽川堤の桜は先ずエドヒガンとシダレザクラが咲き、数日後にヤマザクラとソメイヨシノが続きます。
4月5日、早く咲いたエドヒガンはもう緑の若葉が目立っていました(左)。
エドヒガンは木によって開花がまちまちで、右はこの日まだ満開。
トンネル緑白wb.jpg


ヤマザクラ
日本のほぼ南部と朝鮮半島南部に分布する日本の野生のサクラの代表的な種。
奈良県吉野山の桜はほとんどこのヤマザクラだそうです。
4月5日、強い風が吹く中でヤマザクラは咲き始めていました(右)。
左はまだ咲き続けているエドヒガン。
エドヒガン・ヤマwb.jpg

ヤマザクラの大木。
ヤマザクラ2017wb.jpg

えっ? ヤマザクラの枝垂れ?
ヤマザクラ枝折れwb2.jpg

よく見ると枝が折れてぶら下がっていました。
ヤマザクラ枝折れ1wb.jpg

葉も花も一気に開いて重くなった枝が強風に煽られて折れたのでしょうか。
ヤマザクラ枝折れ2wb.jpg

ヤマザクラの若芽は褐色を帯びることが多いのですが、黄緑色、緑色、褐色、紅紫色のこともあります。
ヤマザクラ0410花3wb.jpg

白い花と褐色を帯びた葉との組み合わせには落ち着いた美しさがあります。
ヤマザクラ1wb.jpg

ソメイヨシノ
ソメイヨシノはエドヒガン系の桜とオオシマザクラの雑種の交配で生まれた園芸品種です。
現存する最古のソメイヨシノといわれるのは小石川植物園の樹齢140年の株。
この並木ではソメイヨシノは後から植えられた少数派です。
天然記念物認定後、災害などで枯れた所に補植されたものかと思います。
ソメイヨシノ0410花3wb.jpg

幹もエドヒガンに比べて細いようです。
ソメイヨシノ札2wb.jpg

エドヒガンと同じように、古い樹では花が密集して咲くので丸い房状に見えます。
ソメイヨシノ0410花4wb.jpg

4月10日、車も少なくなった堤でソメイヨシノはまだ満開。
エドヒガンやヤマザクラの若葉に引き立てられて輝いていました。
20170410wb.jpg

花の特徴
木曽川堤に植えられた4種について付記します。
1)エドヒガン
花の色は白から淡紅色。
萼筒の下半分が球状に膨らみます。
エドヒガン萼1wb.jpg

萼筒は全体として壺型になるのが特徴です。花柄に毛が多い。
エドヒガン萼2wb.jpg

2)シダレザクラ
シダレザクラはエドヒガンの枝が枝垂れた種ですから花はエドヒガンと同じです。
20170401シダレ花1wb.jpg

そのため花だけを見るとエドヒガンと区別できません。
シダレザクラ花wb.jpg

花弁の色はエドヒガンより濃いものが多く、特に補植された若い樹では濃い目のピンクが目立ちます。
シダレザクラ12wb2.jpg

ヤマザクラ
ここの花の色は白が多いのですが、淡紅色、さらに濃い紅色までいろいろあるそうです。
ヤマザクラ花5wb.jpg

萼筒は細長い筒型。
ヤマザクラ蕾wb2.jpg

ソメイヨシノ
花はオオシマザクラに似てエドヒガンより大きく華やか。萼筒は筒型。
ソメイヨシノ11wb.jpg

咲いたばかりの花は白色ですが、次第に花弁の基部や花糸が紅くなります。                                                                                          ソメイヨシノ花wb.jpg

今春はこの桜を見るのも44年目。今まではドライブスルーの桜でした。
今年初めて4種の桜を比較しながら眺めることができました。
この年にしてやっとサクラ入門、葉や幹についてはまだ宿題です。

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木曽川堤の桜 (1) [庭の外]

「木曽川堤の桜(1)」

近くの138タワーに接して桜の名所「木曽川堤の桜」があります。
1885年(明治18年)一宮市北方町から江南市草井までの堤防約8kmに植えられた桜の並木です。
(画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)
ツインタワー2wb.jpg

この堤防は江戸時代に犬山市から弥富市にいたる木曽川左岸の全長47kmに造られ「御囲堤」と呼ばれましたが、前年の洪水により一部が崩落。
再建に際し、愛知県知事間田稔の創意に基づき堤の両側に桜の苗木が植えられました。
植樹されたのはヒガンザクラ・シダレザクラ・ヤマザクラの3種。
2015-03-26-12.35.29wb2.jpg

42年後の1927年(昭和2年)これらの桜は「木曽川堤の桜」として国の名勝および天然記念物に二重指定されました。
樹齢40年を超える桜 1871本が堤の両側にそびえ、花のトンネルを成したそうですから、壮観極まりなかったことでしょう。ソメイヨシノを含まないことも評価されたようです。
その後、大地震、戦争、台風、病虫害などによりサクラの本数は400本あまりまで減少し、100本ほどが追加植樹されました。
この中には少数のソメイヨシノが混じっていたようです。
さらに2001年一宮市が挿し木で増やした「二世サクラ」を追加、今年は合計750本ほどが見事な競演を披露しました。

樹齢130年余の古木が多いのは138タワーの東と西それぞれ約2km。
この区間の堤の道路は一方通行、桜のアーチの下を車で通り抜けることができます。
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満開の頃には路肩に駐車する車の列ができ、通り抜けは徐行運転です。
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昭和2年指定当時は藁葺きの花見小屋が並び、夜にはぼんぼりがともって、一宮駅から行列ができたそうです(きそがわ かわなみ通信 Vol.4 2001)。
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左の濃いピンクは2世のシダレザクラ。右は古木のエドヒガンです。
その後にも淡いピンクのシダレザクラが重なります。
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常緑樹があると白色が引き立ちます。
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エドヒガン
高木になったエドヒガンの大株。
エドヒガンはサクラの中で最も寿命が長く、樹齢1000年以上の樹も各地にあります (根尾谷の淡墨桜の桜は樹齢1500年)。
花の色は白色から淡紅色までいろいろ。
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これもエドヒガン。
小さいブーケのような花の塊がいっぱい。
エドヒガン満開1wb.jpg

大木の根元近くから出た細い枝にも花がついています。
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これで1株でしょうか。
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苔むした幹に「334 エドヒガン」の名札。
名札は紐が切れて落ちてしまった木が多いようです。
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幹が割れて副え木で支えられながら開花する老木。
老木wb.jpg

シダレザクラ
エドヒガンの枝が枝垂れたものをシダレザクラ(イトザクラ)といいます。
花の色はエドヒガンと同じはずですが、やや濃いものが多いようです。
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やはり古木の中には枯死寸前のものもあります。
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低く垂れた花が艶やかです。
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包帯を巻かれた痛々しい樹。
「336 シダレザクラ」の札が付いています。
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ヤマザクラ
エドヒガンより遅れて葉と花が同時に開くのが特徴。
花の色は白または淡紅色からかなり濃い紅色まで様々。
まだ開花直前という状態でした。
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ヤマザクラの幹
痛々しい幹に「290 ヤマサクラ」の札。
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2世が大きくなって138mのタワーもだんだん見えなくなりそうです。
ツインタワー桜wb2.jpg

毎年「木曽川堤の桜」のトンネルをドライブスルーするのが春の楽しみです。
今年初めに訪れたのは4月3日、校庭のソメイヨシノは2〜3分咲きでしたが木曽川堤のエドヒガンやシダレザクラは満開、今年は色が濃い目で、ここ数年で一番美しかったように思いました。
2001年に植えられた2世たちが頼もしい若木になって、老木の間隙を埋めていました。
ヤマザクラは未開、ソメイヨシノは咲き始めですから、満開の桜はエドヒガンとシダレザクラのみ。鑑別に悩むことがなく気楽です。
画像の枚数が多くなりましたので、花の特徴などは次回に。
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クリスマスローズの庭 2017  [草花(春)]

クリスマスローズの庭2017

今年もクリスマスローズが満開になりました。ここは日向の庭です。
冬の間の寂しさを補うため、毎年11月ビオラを少々植え込みます。
ビオラの色はクリスマスローズが咲いたとき目立ち過ぎないものを選びます。
でもパンジーやビオラは春になると急成長し、色も派手になる傾向がありますね。
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共に楽しむためにここではクリスマスローズの花の色と近いビオラを選びます。
CRビオラ2前庭wb.jpg

西の庭は雑草がはびこり苦労しましたが、クリスマスローズが増えてグランドカバーの役目をになってくれました。
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奥の方は2世、3世。
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プロペラの下の「スノーホワイト」は昨年よりさらに大株に。
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細い枯れ枝はシモバシラの花軸、もっと早く切るべきでした。
オリエンタリスの緑色系。
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サンシュユの根元のクリスマスローズが最も大株、100花以上咲いています。
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この場所のクリスマスローズはどれも純白の2世達。
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桜の樹の下には10年ほど前初めて購入した白色の八重。
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セアノサスの根元の八重も大株です。
この花粉が運ばれたらしく、あちこちで八重の2世誕生。
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太い茎が頼もしげな黄色の八重。
最近はメリクロン(茎頂培養)により八重の品種も入手しやすくなりました。
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どれも増えすぎるほど順調かと思われそうですが、そうはいきません。
この庭で最も高価な品種「ピコティダブルホワイト」。
2008年購入時すでに花期は終盤でしたが、濃い緑色の葉も美しい気品ある花でした。
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花後庭に植えたところ、年々草丈も小さくなり、花数も減少するためまた植木鉢に移植。
しかしさらに縮小し昨年は花も咲かなくなってしまいました。
昨春堆肥を入れた花壇に戻したところ、今年は小さいながらも10輪ほど開花。
CRピコ八重2017-3wb.jpg

花をもたげると、花被片(花弁に見えるのは萼片)が細く縁取られてやはり美しい花です。
CRピコ八重2wb.jpg

ただし、うちでは落葉樹であるハナミズキの下ではうまく育ちません。
ニホンズイセンやビオラと比べ小さく貧弱なクリスマスローズ。
CRハナミズキ2wb.jpg

この株は葉ばかりで花がありません。
10本のハナミズキの並木に植えたクリスマスローズはどれも生育不良です。
ここは埋立地なので下の土が悪いのかもしれません。
CRハナミズキ1wb.jpg

クリスマスローズは落葉樹の下に植えると良いと言われます。
しかし、常緑のツバキやカイヅカイブキの下でも大丈夫です。
CR侘助の下wb2.jpg

腰痛のためしゃがめなくなったとき、この庭の広さは苦痛になりました。
それを救ってくれたのはクリスマスローズ。
2世を増やしつつ、大きな常緑の葉で庭を覆い、雑草を防いでくれました。
日向の夏の暑さにも、霜柱のできる寒さにも耐え、毎年開花。
今年もまた花がみすぼらしくなるまで楽しみます。
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マンサク(園芸品種)  [花木(春)]

マンサク
 満作  マンサク科マンサク属の落葉性小高木

早春の花、マンサク。 
マンサクの命名は花が葉に先立って「まず咲く」からとか、花数が多いことが「豊年満作」に通じるからなどの説があるようです。

2015年3月、園芸店で「マンサク」の苗木を見つけました。
 マンサク20150306-2wb.jpg

花は満開というより終盤の頃でしたが、その魅力に負けて購入してしまいました。
マンサク20150306-4wb.jpg

葉の展開に先立って咲くとは然り、まだ若芽は固い。
マンサク20150306-3wb.jpg

この年は、花の構造は来年見ましょうということで終わりました。
マンサク20150306-5wb.jpg

ところがどうしたことでしょう。
育てやすいはずのマンサクが昨年も今年も満作にならないのです。
今春も数花づつ、数カ所に咲くばかりです。
マンサク20170315wb.jpg

花は丈夫な萼に包まれています。
せめて今年は少ない花をよく見ることにしましょう。
マンサク蕾2016-2wb.jpg

3月5日、萼が開いて黄色の縮れたリボンのような花弁が展開し始めました。
マンサク2017-3wb.jpg

4枚の萼の内側は赤褐色、小さい花のように見えます。
マンサク葯未開2wb.jpg

花弁の長さは約1.5cm。縦に筋が入っています。
マンサク2017-1wb2.jpg

花弁4枚、中央に先端が2裂した雌しべ、その周りに4本の雄しべ。
雄しべのうち、下の雄しべの葯は未開、上3本の雄しべの葯は、丸窓を開けるように両側に開いています。
マンサク葯1wb.jpg

上3本の雄しべの葯は全開して花粉が飛び散っていますが、まだ左下の葯は開いていません。
マンサク花弁wb2.jpg

葯が全て開き、花粉も散り終えた花。
マンサクには花弁の内側に仮雄しべがあるようですが、なかなか見つかりません。
マンサク仮雄しべ?wb.jpg

室内でカメラの位置を変えながら接写してみました。
その1枚に花弁の奥に緑色がかった光沢のある隆起が4つあるのを見つけました。
これが仮雄しべだと思います。蜜を分泌しているようです。
葯は全開。
マンサク仮雄しべwb2.jpg

花弁を4枚、雄しべを2本取り除きました。
花弁の位置に緑色の棍棒状のものが3つ見えます。
これが仮雄しべ。4本あるはずですが、もう1本は?
右の花弁の下端に付いていました!
ネット検索で見た仮雄しべはマルバマンサクは暗赤色、アテツマンサクは黄緑色でした。
園芸品種はそれぞれ仮雄しべの色が違うと楽しいですが、確認できなくて残念です。
マンサク仮雄しべ5wb.jpg

2016年4月16日  若葉がとてもきれいでした。
やはり、同じくマンサク科のトサミズキの葉に似ています。
マンサク葉1wb.jpg

葉は互生し、先端がやや尖った倒卵形。
マンサク葉2wb.jpg


日本に分布する主なマンサク
 マンサク Hamamelis japonica 本州、四国、九州に分布。
 アテツマンサク 中国地方、四国に分布。萼まで黄色。
 マルバマンサク 本州の日本海側から北海道に分布。葉の上半分が半円形。
   この中にアカバナマンサクやニシキマンサクなどの品種あり。
 シナマンサク Hamamelis mollis  中国原産。
   マンサクより大きい花が枯葉が落ちずに残ったままで開花。葉も大型で毛深い。
 
マンサクの園芸品種  Hamamelis x intermedia
 日本のマンサクとシナマンサクとの交配種。

 ‘アーノルド・プロミス’  Hamamelis x intermedia ‘Arnold Promise’ 濃黄色
 ‘パリダ’ Hamamelis mollis ‘Palida’ 濃黄色
 ‘ディアン’ Hamamelis x intermedia ‘Diane’ 濃赤銅花
 ‘エレナ’ Hamamelis x intermedia ‘Jelena’ オレンジ色

 この他にもまだたくさんの園芸品種があります。
 神代植物公園や武蔵丘陵森林公園 にも植えられているようです。
 この庭のマンサクも園芸品種だと思われますがラベルは付いていませんでした。
  来年こそは豊年満作の花が見られますように。



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早春の草花 2017 [草花(春)]

早春の草花 2017

もたもたしているうちにラッパスイセンの蕾が膨らんできました。
私の庭ではラッパスイセンは本格的な春の到来を告げる花です。
昨年は2月末まで病室にいて早春の草花が見られませんでした。

今年の一番乗りはやはり「スノードロップ」。
暖かい地方では年末から咲くようですが、この庭では2月の花です。
スノードロップ2017−1wb.jpg

ほんとうに雪の妖精のよう。
スノードロップ2017−2wb.jpg

続いての登場はフクジュソウ
柔らかい葉は初め濃褐色を帯びています。
フクジュソウ1wb1.jpg

2013年にいただいた大株が今年は20輪くらい咲きそうです。
3月になると葉はほぼ緑色。
フクジュソウ2017-3wb.jpg

フクジュソウというと今までは真上からの輝く花姿を撮ってきたようです。
でも年のせいでしょうか、今年は花弁の裏面の細い褐色線条に見とれました。
フクジュソウ2017-5wb.jpg

今年は2輪しか咲かないコシノコバイモ
でもこの花と葉の渋い色合いは花の骨董品。
コシノコバイモ2017−1wb.jpg

雪割草はキンポウゲ科ミスミソウ属。
日本にはミスミソウ、スハマソウ、オオミスミソウ、ケスハマソウが自生します。
園芸店では主にオオミスミソウから生み出されたたくさんの品種が「雪割草」として流通しています。
地植えのピンクの雪割草はまだ小さな蕾です。
新たに加えた2種は鉢に植えたため早くも満開、特に紫色の株は生育良好。
スハマソウ紫wb.jpg

これら2種はともに雄しべから花粉を出しています。
最近の新種では雄しべが退化したり、弁化して八重になったりしているようです。
スハマソウ紫2wb.jpg

白の花弁の方は葉の生育が悪く3輪しか咲いていません。
ミスミソウ白2wb2.jpg

これは大型ヒメリュウキンカ。とにかく元気で明るいのが取り柄です。
従来のヒメリュウキンカはまだ咲きません。
ヒメリュウキンカ2017wb.jpg

これはこれは!
ニホンスイセンの根元に自生した白花のオキザリス
その周りに青く光るのはオオイヌノフグリ。
可愛いからもう少し咲かせておきましょう。
オキザリスW2017−2wb.jpg

オオイヌノフグリはオオバコ科クワガタソウ属。
華奢な雌しべの両脇に太めの花糸の雄しべが一対、真ん中に蜜があります。
オオイヌノフグリ2014-1wb.jpg

今年は今ひとつ物足りません。
昨年私の留守中に咲いたセツブンソウの鉢に花が見られなかったのです。
出たのは1枚づつの葉のみ。
セツブンソウ葉2017wb.jpg

ネット検索にて近くの河川環境楽園に咲いていることがわかり行ってきました。
車で行って写して帰るまで1時間足らず、良いところを見つけました。
セツブンソウ2wb1.jpg
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トキワシノブ [草花(冬)]

トキワシノブ
  シダ類 ウラボシ綱 ウラボシ目 シノブ科 シノブ属の園芸品種(台湾原産)
  学名:Davallia tyermannii
  常緑多年草 
 
10年ほど前に植えた1株のトキワシノブが大株になりました(全高約40cm)。
寒さにも強く当地の雪にも負けず、常緑を保っています。
トキワシノブ雪wb.jpg

銀白色の毛に覆われた根茎はナツツバキの幹に着生しようと上に向かって伸びています。
トキワシノブ2016−1wb.jpg

根元にも繁茂。
トキワシノブ3wb.jpg

さらに地面にも太い根茎を貼り、所々から葉柄を伸ばしています。
トキワシノブ根茎2wb3.jpg

夏の葉はもっと色鮮やかです。これは2010年10月3日撮影。
トキワシノブ20101003wb.jpg

葉は針金状の葉柄(〜15cm)と三角形の葉身(〜20cm)から成ります。
トキワシノブ葉柄wb.jpg

1葉採取。
葉身は、先の鋭い三角形、無毛で硬い紙質様です。
トキワシノブ葉表wb1.jpg

各裂片に丸い膨らみがあります。
トキワシノブ表葉4wb.jpg

葉の裏面。
トキワシノブ葉裏1wb.jpg

黄色い斑点がびっしり。
トキワシノブ葉裏2wb.jpg

これがシダの胞子嚢群でソーラスとも呼ばれます。

ソーラス1wb.jpg

胞子嚢を保護するように被さっているのは包膜。
貝のような形で下から包んでいますが、ここでは既に胞子が成熟して溢れそうです。
ソーラス2wb.jpg

このとき観察した葉の一部を小皿に乗せたまま忘れていました。
数日後、小皿に薄黄色の粉のようなものを見つけてびっくり!
トキワシノブ胞子群2wb.jpg

暖房による乾燥で胞子が一斉に飛び散っていたのでしょうね。
大きいものは破れた嚢?
トキワシノブ胞子2wb.jpg

葉の裏にも飛び散った胞子がたくさん付いていました。
トキワシノブ胞子1wb2.jpg

FABREで覗いてみました。
濃黄色の胞子嚢が包膜からはみ出してあふれそう。
円く膨らんだ胞子嚢の上部にオレンジ色の縞模様が見えます。
これは「環帯」と呼ばれます。
FABREは20倍で見えますが、写真に撮りにくいのが難です。
トキワシノブFABRE1wb.jpg

淡い黄色に見える胞子嚢群。
辺縁部の胞子嚢は胞子が出た後のようで白っぽく見えます。
しかし包膜の下の胞子嚢の多くはまだ黄色が濃く、胞子が残っていそうです。
胞子嚢F4wb.jpg

室内で胞子を飛ばした胞子嚢は華やかでした。
多数の胞子や、役目を終えて伸びた環帯が飛び散っています。
トキワシノブ胞子2FABRE2wb.jpg

次に顕微鏡で確認しました。
胞子の入った胞子嚢、赤い部分が環帯です。
乾燥して嚢が破れると環帯の弾性により反り返って胞子を飛ばします。
胞子嚢1wb.jpg

胞子を飛ばし終えた胞子嚢。
この伸びきった環帯の下には胞子が10個ほど残っているようです。
胞子嚢殻1wb.jpg

(追加)胞子
胞子8wb.jpg

近縁に東アジアに自生する シノブ(Davallia mariesii )があります。
シノブは冬季葉が枯れますが、日本でも古来「忍ぶ玉」として吊り下げたり、盆栽風に仕立てられてきました。シノブの葉はトキワシノブに比べやや薄くて優しい感じのようです。

今までシダは難しいからと避けてきました。
これをきっかけに今年はもう少し庭のシダを見て見たいと思っています。
しかし何せ素人の個人観察、誤りがありましたらどうぞお教え下さいますようお願いします。
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